2016年5月11日
「未来の君に会いに行く」人口知能(AI)型教材“Qubena”
さあ、未来の君に会いに行こう
「Qubena ACADEMY」設立から半年が過ぎてようやく、未来を生き抜く力を学ぶ試みに取り組むことが出来るようになってきたという。
神野は、未来を生き抜く力のことを「人生をハックする力」と表現する。ハックとは、前例に沿って生きていくのでは無く、自分独自で生き方を見つけること。創意工夫をして、人生にイノベーションを起こすことだ。そのために欠かせないのが、課題を発見して解決方法を見つけ出す能力。人生で問題に出合ったときにどうするか考えられる力が必要になる。
いま「Qubena ACADEMY」で取り組んでいるのは、「極める」チャレンジ。目標を設定して、達成するための情報収集、分析、実践を行う。プロジェクト発想のチャレンジだ。
神野は言う。シンギュラリティを迎える未来がどうなっているか分からないが、その時、子どもたちに最も必要なのは、どんな未来になっても生き抜く力だ。多少の未来の変化にも左右されない、本質的な力。的確に情報収集して判断できる力。そうした力はどうやって身につけることが出来るのか。それこそ、教育の現場に求められるものだ。
人工知能が教科の授業をどんどん進めてくれるなら、「未来に役立つ学び」こそ人間の教師の出番でなのではないだろうか。まさに、現行の学習指導要領がいうところの「生きる力」を育む教育の実現である。
1学期14週の数学の授業予定が2週で終わったら・・・教師が困るだろう。そんな発想は止めよう。1学期で12週分も、新しい学びに向かうことができる。それを前提に、カリキュラム全体を再構築するくらいの取り組みが必要だ。そうでもしないと、子どもたちを「未来の君」に会わせてあげることはできない。
“Qubena”が世界を平和にする
“Qubena”は子どもたちに未来について学ぶ時間を作ってあげるための「手段」として作ったつもりだった。しかし、現在は中学校数学のみに対応している“Qubena”だが、今年中には小学生の算数にも対応。将来的には他の教科も開発可能だ。そうなると、“Qubena”そのものが世界平和に貢献できるのではないかと、神野は考え始めている。
日本国内で使ってみたいという学習塾や学校があればどんどん導入してもらいたいが、公教育では難しいかもしれない。ならば、一気に海外を目指そうか。1~2年の間に学習塾や学校のある国に進出して、その先は、学校すら無い国や地域に行ってみたい。学校や教師の整備が遅れている地域では、導入費用は決して高額では無いだろう。数学は言葉や学ぶ順序が違っても基本は同じだし、日本の数学カリキュラムは世界的にも評価され、信頼もされている。
数学は、世界のどこでも悩みの根が深く、一度つまずくとやり直しが大変だ。それに、小学校1年から学んでいるからどこでつまずいているのか見つけるのも容易ではない。そこで登場するのが人工知能(AI)だ。子ども一人ひとりのアクティブログがとれる、解いてる時間やどういう計算式を使ったか、どういう順番で解いたとか、問題を何秒読んだとか一人ひとりの課題を精査していく。人間だと大変だが、テクノロジーを使って無限に増やしていける。
人工知能がシンギュラリティに向かって加速度的に進化していくように、人類も新しい智恵を得るために進化できないだろうか。現在の何倍もの速度で必要な学びをすることが出来れば、残った時間で新しい智恵を得ることが出来る。これまで実現不可能と言われてきた世界平和だって実現するかもしれない。もちろん、人も社会もシンギュラリティに対応する準備を整えることができるだろう。
ならば、人口知能(AI)型教材“Qubena”は学びにおいて万能なのだろうか。神野は違うと言う。勉強をなぜやらなくちゃいけないかとか、人生の何に役立つかとかを教えてくれるのはやはり人間の先生なのだ。
子どもたちの未来にとって必要な学びとは何か。人間の先生もAIの先生も、いまスタートラインに立って考えなければならないのかもしれない。
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