2018年10月22日
ICT活用で児童会館での『遊び』から発信する『学び』
~札幌市子ども未来局と札幌市児童会館 事例~
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2020年に英語が小学3・4年生で必修化、5年生6年生には教科化が予定されている。同時にこれからは英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)を身につけなくてはならない。さらに英語を用いて自分の意見を発信していくことも重要な目標となっている。急速なグローバル化の進展の中で自身の将来の可能性を広げるためにも、英語はより重要なツールになっていくことは既知のことである。
英語だけでなく、すべての授業そのものが『教える』から『主体的に学ぶ』に変革していく課程において、タブレットなどのICT機器の担う役割への期待や関心は高まっている。
そのような環境の中で、放課後の児童会館での『遊び』の中から『英語』と『主体的な学び』を実践すべく、ソフトバンク コマース&サービス株式会社と株式会社mpi松香フォニックスの共同開発英語アプリ「SWITCH ON! for TABLET」とiPadを導入した、札幌市子ども未来局と札幌市児童会館の改革への取り組みをご紹介する。
「遊び」の中で「学習」する
札幌市には107の児童会館と96のミニ児童会館がある。
札幌市は平成16年に子ども政策を一元的に進めるため子ども未来局を設置し、平成19年に国から「放課後子どもプラン」が示されてからは、放課後の子どもたちの遊び場である児童会館での学習についてもさまざまな取り組みを行ってきた。
現在はこの児童会館を小学校と併設する再整備を開始しており、すでに4校が開設されている。そのような取り組みを進めていく中で、どのような理由でiPadと英語アプリSWITCH ON! for TABLETを導入したのか?
「過去にさまざまな取り組みを行ってきましたが、やはり遊びの中に学習的な要素を取り入れることは非常に難しいことでした。iPadを遊び道具のように導入し、結果としてその中から学びを得られるのではないか?という発想から今回のチャレンジを開始しました。
おもちゃのように、iPadでできることをなんでもいいから先ずやってみる。その中から楽しみを見つけて、どう使うかではなく自由に使う中で何ができるかを子どもたち自身が見つけること、楽しんでいくことに期待しました。その『楽しみ』の中から学んでいくことが、児童会館の中でできる『学び』なのかもしれないと考えています。」と札幌市子ども未来局 子ども育成部 放課後児童担当課長 村上玄光氏は語る。
「英語のアプリに関しては、当然国の進める英語改革も背景にありますが、先ずは子どもたちに興味を持ってほしい。さまざまな映像や音声を見て、聞いて、英語が楽しい、自然に聞ける、少しでも話せるようになるということを期待して導入を決断しました。」と村上氏は続けた。
児童会館の『遊び』から学校の授業への逆流
札幌市では平成20年に、いわゆる「子ども権利条例」を制定し、子どもが主体的に参加し意見を述べる機会などを増やし、互いに認め合う経験を通じて自己成長につなげ、『自分が好きだ』と思える自己肯定感を高める環境作りを促すことが大切だと考えている。
「児童会館はこれから学校と併設しますので、単なる遊び場や子どもを預かる場所としてだけでなく、遊びながら楽しく学べる場所へ変化していくことで、学校との連携がより一層進んでいくのではないかと考えています。例えば、児童会館で遊びながら身につけた英語の発音に、学校の授業で先生が驚く、そういった場面を想像してしまうのです。」と村上氏は笑顔で語った。
iPad導入後に変化が現れた、子どもたちの主体性
iPadを導入した現場では、実際どのような変化が起きているのだろうか?
大きな変化を感じているという、札幌市立篠路小学校に併設された篠路児童会館 森口賀寿葉館長にお話をお伺いした。
―iPadを導入して、何が一番大きく変化しましたか?
森口氏「子どもたちの自主性と自律です。児童会館では子ども運営委員会という子どもたちが主体的に自分たちで児童会館のルールを考えたり、行事を考え実施しています。しかし、ときには、職員が主体的に取り組み、子どもたちの意見を引き出していくこともあります。」
―iPadの導入で、その状況はどのように変わりましたか?
森口氏「iPadを導入したことで、例えば児童会館のルールをプレゼンテーション形式にして新しく児童会館に来た子どもに説明したり、運営委員の子どもがiPadを使ってプロジェクターで投影しながら説明する機会ができました。
クリスマス会では、グループに分かれてケーキを作り、それぞれ出来上がったケーキをグループごとにiPadを使って紹介し合うこともありました。
投影してそれぞれのケーキの写真を披露し合い、とても盛り上がったんです!
さらにダンスの時間では、iPadで撮影した自分たちの踊っている姿を、プロジェクターへ投影しながら次にどんな踊りにするか考えることも。
子どもたちがみんなで意見を出し合って、盛り上がる笑顔や真剣な表情がとても印象的でした。
もともと行なっていたイベントや行事が、iPadを利用することで子どもたちが主体的に進めるようになったと同時に、みんなで共有しながら楽しむという時間が増えたんです。」
―英語アプリ「SWITCH ON! for TABLET」を導入して、子どもたちに変化はありましたか?
森口氏「最初はどうしていいかわからず試行錯誤でした。でも、英語で流れる楽しい映像や音楽を見せて、子どもたちが自由に歌ったり体を動かしていく中で、大人の職員では聞き取れないような単語が聞こえるようになったり、発音する子どもを見ていて、本当に子どもたちの可能性ってすごいなぁと思いました。
実は私自身も英語が苦手なんです。そんな私でも、なんとなく英語がわかっていくのが実感できるんです。それ以上に子どもの自分で見たもの、感じたことを臆せず素直に言えてしまう感覚に
『子供ってすごい!』
と感じました。」
「私たちが思っている以上に、子どもたちが主体性を持ってできることはもっとたくさんあると思います。その可能性が大きいと感じる分、これから私たち児童会館職員は、もっと子どもたちが主役の児童会館になるよう目指していきたいと思っています。」
導入に携わって(ソフトバンク コマース&サービス エデュケーションICT推進室)
札幌市子ども未来局および札幌市児童会館の方々は、当社とmpi松香フォニックスで共同開発したSWITCH ON! for TABLETのファーストユーザーさまであり、さらにはiPadの児童会館への導入コンサルティングは我々にとっても初めての取り組みでしたので、手探りなことも多々ありました。
しかし、実際導入してから約一年が経過して、私たちが想像していた以上に児童会館の職員の方々が活用いただいていたこと、子どもたちが主体的にさまざまな取り組みをしてくれていることに驚きと喜びを感じました。
私たちの教育コンサルティングという前例の無い取り組みの中では、予測できない多くのさまざまな課題があります。
一番辛いことは、せっかく予算をかけてタブレットなどのICT機器を導入したのに活用されていないこと、もっと辛いことは無理をしてでも使おうという意識が導入された教育関係者の負担になってしまうことです。
今回iPadとSWITCH ON! for TABLETを導入いただいた札幌市子ども未来局および札幌市児童会館の方々が抱えていた「どうしたら子どもたちが自主的に楽しみながら学ぶことを実現できるのか?」という難しい課題や問題に、これからも教育現場の方々と一緒に考えながら、教育ICTのプロフェッショナル集団として貢献していきたいと思います。
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