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2013年2月20日

新たな学びを創造する教育支援システム/SSP

タブレット学習システム「STUDYNET」

iPadをはじめとしたタブレット型コンピュータが急速に市場を拡大し、日常生活でもビジネスシーンでも活躍の場を増やしている。教育現場においても、学習端末一人1台の実現に向け、その活用法に注目が集まっている。

30年近く前から教育支援システムの開発に取り組んできたシャープシステムプロダクト株式会社(以下、SSP)では、いまこそ永年の経験を生かすときと、タブレット学習システム「STUDYNET」をリリースした。

SSP教育ICT担当・永谷幸久チーフに、開発経緯などを聞いた。

ようやく環境が整ってきた

SSPが現在も販売している学校向け教育支援システム『スタディシリーズ』の開発をはじめたのは、1984年。中山和彦筑波大学教授(当時)との共同開発がスタートだ。

中山教授たち研究者が開発した独自のシステムを、既製品のコンピュータやシステムを使って実現するのが開発の大きな課題だった。

「スタディシリーズは1984年の開発開始以来脈々と今日まで、常に子どもたちの学力向上を図るための教育理論に基づいたシステムとして、研究を重ね、進化をつづけてきました。現在では国内の小中学校を中心に累計約8,000校に導入されています。

STUDYNET実はその当時から、スタディシリーズは一人1台の環境でのコンピュータ活用を提唱してきました。21世紀になってようやくその環境が整ってきたという感じです。そういう意味では、今まさにスタディシリーズをはじめとした弊社のシステムの真価が発揮できると考えています」。(永谷チーフ談)

研究者をはじめ現場の教師や学校関係者、そして機器開発メーカーなど多くの人々の数十年に亘る努力がいまの日本のICT活用教育の基盤をつくってきた。

子ども目線の教育システムを

実践研究がはじめられた当初、教育現場でのコンピュータ活用に対して保護者や教育関係者から否定的な意見も多かったという。人間の教師にかわってコンピュータが子どもたちに授業をするという、間違ったイメージがあったためだ。

だが、継続的な実践研究や成果の積み重ねによって、コンピュータの活用が教育の新たな成果を生み出す可能性のあることが理解されていった。

コンピュータをはじめとしたICT機器の教育現場での活用について、永谷チーフは、機器活用の仕組みが大切だと語る。

「教育現場において大切なのは子どもたちがどう学ぶか、どうしたら学力が向上するかということ。そのためには、しっかりとした教育理論に裏打ちされたノウハウを持った教育支援システムが不可欠です。先生方がわかりやすい授業を行えるような授業支援も必要ですが、それだけではなく、子どもたちが主体的に学習に取り組むことを支援するための学習システムが重要だと思います。

今回リリースした『タブレット学習システム スタディネット(STUDYNET)』は、これまで同様大学の先生方と共同研究する形で、教育活用ノウハウを踏まえ、電子黒板やタブレット端末などのICT機器を有効に活用して、子ども達の目線で新たな学習スタイルを創造できる仕組みの一つだと考えています」。

ICT活用教育というと、ICT機器の性能や機能に関心が向きがちだが、重要なのはそれらのツールを仕組みとして使ってどのような学びの場を創造するか、学力向上にどう結びつけるかということである。

STUDYNETが創る新たな学び

SSPが発売しているタブレット学習システム「STUDYNET」は、様々な機能がパッケージングされ、それぞれが有機的に連携可能なオールインワンの学習支援システムだ。

例えば、児童・生徒が多様な考え方に触れ、互いに教えあい、学びあうような「協働学習」のシーンでは、エクスチェンジボード機能やテキストマーキング機能が役立つ。学習者一人ひとりの考えをクラス全体で共有したり、比較して考えたりすることで、新たな気づきや考えの深化を促す。また、教師自身で問題を作成して配信できる、反復練習・小テスト機能を使えば、学習者個々の達成状況が自己評価でき、クラスの理解状況も把握できるので、「一斉授業」の場面であっても個々に応じた指導が可能となり、「個別学習」用にも活用できる。

STUDYNET-02

タブレット学習システム「STUDYNET」

機器の構成としては、タブレット学習システム「STUDYNET」と電子黒板「タッチディスプレイBIG PAD」、それに接続する教師用PC、無線ルータと必要台数分の学習端末。学習端末はシャープ製の「JL-T100」のほか、iPadやWindowsタブレット端末に対応している。1クラス40台まで利用できる。

JL-T100_

シャープ製タブレット JL-T100_

SSPの今後の取り組みについて永谷チーフは、「シャープはメーカーとしても電卓からはじまり、ワープロ、コンピュータ、ポケコン、ZAURUS、電子辞書のようなモバイル機器、そして液晶テレビAQUOSなど、教育現場でも活用頂ける多くの機器を販売してきました。現在では、そうした機器開発ノウハウを踏まえた電子黒板(BIG PAD)や手書き学習端末を提供しています。さらに書籍端末GALAPAGOSの発売を機に、電子書籍配信事業もスタートさせており、ICT機器や教育システム、教育クラウドなど、これからの教育事業に必要なアイテムをトータルに提供できる企業の一つであると自負しています」と、その意気込みを語った。

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文部科学省では、「21世紀にふさわしい学びの環境」は「協働学習」「個別学習」「一斉学習」のICTを活用した構築だとしている。

タブレット端末の進化で、一人1台の実現に大きく前進した現在、「21世紀にふさわしい学びの環境」の実現に向けて、ICT教育はいま重要な時期を迎えている。

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