2016年9月6日
総務省、先導的教育システム実証事業のまとめに向けて会合
総務省は5日、「先導的教育システム実証事業評価委員会(第8回会合)」を開催した。
はじめに、「平成28年度 最先端情報通信技術を活用した教育クラウドプラットフォームに関する実証」の実施報告が行われた。
実証参加校は、実証校12校、検証協力校が68校、ドリームスクール実証校11校、合わせて91校が教育クラウドを使用している。検証協力校には海外の学校(日本人学校、日本語学校など)も含まれており、今年度新たに10カ国20校を加えて25校になった。
イギリス・ドイツ・オランダなどのヨーロッパをはじめ、トルコ・エジプト・ネパール・ベトナム・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・アメリカ合衆国・ペルーなど世界5大陸を網羅。インターネットとクラウドを活用した学びが、距離も時間も国境も超えて共有できることの可能性を示した。
コンテンツでは今年度、ニューコース学習システム(学研アイ・シー・ティー)、アルフラーニング(D2Cソリューションズ)、習熟度マップ・ペガサス学習システム(アスデザイン/ペガサス)、Creatubbles(Creatubbles)の4つが追加。クリッパ!(NHKエデュケーショナル)の学習動画クリップが拡充された。
本年度からの取り組みとして、フルクラウド環境(情報端末に個別のアプリケーションを導入しない)で、従来型の環境と同等の授業・学習の実践を行い、今後の教育クラウドプラットフォームの普及事例を送出する「フルクラウドモデル校」8校も選定された。
事業成果のとりまとめ方針の検討では、「誰に向かって何を発信するのか、誰にとってどんなメリットがあるのか、明確にすべきだ」、「実証成果の発表事例は、地域名や研究名ではなく、身近なタイトルにして欲しい」、「学びにおける明確な成果はあったか」、「技術標準仕様など作成できるのか」、「学習データはクラウドで大丈夫か」など多くの懸念や意見が出された。
最後に、委員長の東京工業大学 清水康敬名誉教授が,「クラウドにあがったコンテンツをいかに学びに活用するか、いかに通信やICTを活用するかが事業のテーマではあるが、利用すればたまっていく学習データの“安全・安心”をどうするかは課題として残る」と語り、会合を締めくくった。
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