2017年6月19日
クラーク記念国際高等学校、ICT教育導入で大きな手応え
クラーク記念国際高等学校、ICT教育導入で大きな手応え
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IT時代に通用するグローバル人材を育成するため、2020年に予定されている高大接続改革。大学入試におけるセンター試験の廃止、新たな大学入試制度の導入、21世紀型能力(思考力・判断力・表現力)の育成など、これまでとはまったく違った観点での教育が始まろうとしている。
学ぶ側だけでなく、教える教師側も対応を迫られている。教師が一方的に教えるのではなく、生徒の主体性を重視する「アクティブ・ラーニング」という学習スタイルの採用が進んでいるのだ。
なかでもいち早く取り組みをスタートさせているのがクラーク記念国際高等学校。2015年9月には全国各拠点の教員が主体となって「キャリア教育推進プロジェクト」を発足させ、Evernote Business を活用したeポートフォリオなど、ICTツールの導入による先進的な授業を実践している。
発足から2年を迎えようとしている同プロジェクトの成果とその取り組みについて、クラーク記念国際高等学校大阪梅田キャンパスの阿部賢太副キャンパス長と牛込絋太教諭に話を聞いた。
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2020年から始まる新たな教育プログラムで重視されるのは、21世紀型能力と呼ばれるスキルの育成だ。特に「思考力、判断力、表現力、主体性、協働性、多様性」という6つの能力を育成するため、クラーク記念国際高等学校では 2 年前からICT教育の導入に着手した。
ベースとなるツールは Evernote Business だ。全国 14 拠点の教職員・生徒を対象に、授業の導入やeポートフォリオなどに活用されている。
授業ではまず先生が課題を出す。ここでの課題とはすぐに答えが出るものではなく、たとえば「地域を活性化するために何をすべきか?」といった思考力を養う問いかけである。これに対して生徒たちはグループワークを行い、考えつく答えを付箋に書き出す。そしてそれらをschoolTakt という学習管理システムを用いてスクリーンに投影し、全員の前で発表する。最終的には、活動や成果を可視化するため Evernote Business に保存。Evernote Business と schoolTakt の連携が、思考、共有、発表、振り返りといった一連の学習の流れを強力にサポートしている。
もう一つのICT活用が、eポートフォリオ。生徒自身が日々の学習や活動の記録をつけ、先生や他の生徒と共有するためのものだが、ここで活用されているのも Evernote Business だ。
eポートフォリオに記録する内容は幅広い。先生・生徒間では連絡事項やオープンキャンパスなど進路に関する情報、毎日の小テストの結果をはじめとした学習と活動の記録が共有され、記録として蓄積されていく。これにより日々の学びが可視化され、担任や生徒自身が成長を実感できるようになったという。
ユニークなのは、海外語学研修中の生徒が学習・生活の状況を Evernote Business に記録することで、担任や保護者が生徒の様子をリアルタイムに把握できるようになったこと。毎年450名を超える生徒が留学するなど、国際教育に力を入れているクラーク記念国際高等学校ならではの成果といえる。
ノートには「主体性」「表現力」など、その活動で身についたと感じるスキルの名前をタグ付けするのがポイントだ。学習と活動のレポートノートはキャンパス内の全生徒が閲覧できるため、「自分にはこのスキルが足りないな」と思ったら、そのスキルタグで絞り込めば他の生徒のポートフォリオをヒントにできるのだ。
eポートフォリオノートには、先生も積極的にコメントを残すようにしているという。もっとも、それは「正しい」や「間違っている」というものではなく、「次のステップを考えさせる」「(生徒が)考え方を膨らませる」「視点を変えさせる」といった気づきを生徒にフィードバックできるようなコメントだ。
このコメントを踏まえて、生徒は次のポートフォリオをノートで共有する。それにまた先生がコメントする……といった具合に学びを加速させていくのだ。
約2年の取り組みを通じて、教員たちも手応えを感じている。一つは、経験や学びが記録され可視化できたこと。特に受験を控えた高3ともなると、3年間で何を学んできたのかを振り返る必要があるが、Evernote Business にきちんと記録しておけば、曖昧に記憶をたどる必要がなくなるというわけだ。
生徒の行動も変化してきた。Evernote Business を使い始めた頃は「行動してから、経験したことを記録していく」という意識だったのが、次第に「情報を記録したいから行動する」ようになったという。
さらに今では「まわりの人に自分の経験を伝えたい、もっと知ってほしい」という意識が生まれるようになり、オープンキャンパスや学校行事に積極的に参加する生徒も増えてきた。
Evernote Business を導入したことで、様々な副次的効果も生まれている。たとえば、これまで生徒からの質問には学校で直接会うまで回答できなかったが、Evernote Business を活用することで学校にいない間も回答することができる。
この部分を効率化することで生まれた時間は、生徒ともっと深い話をするなどの1対1のコミュニケーションにあてられるのだ。
また、教員の意識も変わった。「大事な情報はすべて Evernote Business に入っている」のが当たり前になったことで、メールでの連絡がほとんどなくなったほか、関心のある情報を自ら取りに行くことも楽にできるようになったという。
ペーパーレス化も進んだ。会議資料などは Evernote Business に入れておけば会議直前まで変更できるし印刷する必要もないのだ。そして、会議の内容はリアルタイムで Evernote Business に蓄積される。
なお、クラーク記念国際高等学校とエバーノートは、「教育現場の ICT ツール活用事例」をテーマとしたセミナーを 7 月 22 日(土)に大阪で開催する。ICT ツールの導入や効果に悩む教職員向けに、Evernote Business 導入の効果や活用法を、デモを交えて紹介する。
セミナー概要
開催日:2017年7月22日 (土)
時 間:14:00〜16:30(開場:13:30)
会 場:クラーク記念国際高等学校 梅田キャンパス 地図
参加費:無料(事前申込制)
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