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2017年6月20日

京都大学 原田研究室が多地点同時映像情報収集基礎試験に成功

京都大学大学院情報学研究科 原田博司教授および日立国際電気の加藤数衞の研究グループは19日、“モノ”のインターネット(Internet of Things: IoT)データ収集・制御用広域系Wi-RANシステム用無線機による無線多段中継伝送を使用した多地点同時映像情報収集基礎試験に成功したと発表した。これは一つの長距離無線回線を用い、見通し外通信環境においても遠隔地のみならず中継地の情報を同時に収集するもの。

従来の広域系Wi-RANシステムでは、中継接続時に1拠点あたり複数の無線機を必要とするなど、設置場所・消費電力等の観点から、超広域かつ広帯域なデータ収集システムを容易に構成する際の障壁となっていた。

また、従来の中継伝送では中継局は情報の中継、転送しか行わず、中継局自身が情報収集を行い、情報追加して、転送を行うことができなかった。さらに数kmを超える中継を無線で行う場合、双方が見通せる環境が必須であり、間に山等が存在する見通し外環境での数kmを超える中継の実現は困難だったという。

本開発では、従来2台の無線機で実現していた無線多段中継を1台の無線機で実現でき、かつ遠隔地からの情報中継だけでなく、自身が情報収集を行い、情報追加して、転送を行うことができるマルチホップ中継方式のファームウェア(物理層、MAC層)を開発し、従来のWi-RAN無線機に実装した。

この無線機は利用シーンに応じて、基地局、中継局、端末局になることができる。さらに中継接続した各無線機の通信の状態及びGPS情報位置情報を基地局で収集し、基地局において視覚的に各無線機の状態を表示する回線監視サーバの開発を行った。

そして、この無線機を使用し、京都市役所の協力のもと、遠隔地および中継地点における映像情報の収集実験を京都市内で行った。無線機同士が見通せない環境において、最大8.4kmの距離を中継接続で接続し(単区間中継距離最大6.4km)、遠隔地の車上端末局および中継局からの二拠点同時リアルタイム映像伝送に成功した。

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