2017年11月13日
室蘭工業大、学術論文誌「IET Communications」の最優秀論文賞を受賞
室蘭工業大学は10日、「しくみ情報系領域」の董冕雄(とうめんゆう)准教授及び太田 香(かおる)助教の研究チームの国際共著論文が、世界最大級の工学技術団体「The Institution of Engineering and Technology (IET:英国工学技術学会) 」の学術論文誌「IET Communications」における2017年の最優秀論文賞を受賞したと発表した。
IETは、英国と世界中において、工学や技術に携わる者を対象とした英国に本拠地を置く国際的な学術団体であり、現在世界150カ国に16万8000名以上の会員を有している。
今回の賞は、毎年、過去2年間で発表・掲載された世界中の論文の中から最も優れた業績を表彰するものであり、今回の受賞は2015年と2016年の2年間で同誌に掲載された合計584本の論文から唯一の1本として選ばれたもの。日本の大学の研究チームでこの賞を受賞するのは極めて異例のことであり、同大が確認できた範囲では他に例を見ない優れた業績だという。
受賞した論文は、基地局を介さずに端末同士で直接通信を行うD2D通信に関して、国際共同研究の成果をまとめたもの。D2D通信は、災害時の非常通信や既存の携帯回線の通信混雑を回避する手段として実現が大変期待されているが、電波干渉を回避するための周波数帯割当など多くの技術的な課題が挙げられる。本論文では、携帯端末のバッテリー利用効率に着目し、端末側の省エネと通信サービス品質の向上を両立する技術の開発に成功。今後は、D2D通信実現のために、基盤技術の研究にとどまらず、実機実験などの実装を視野にいれた共同研究を推進する予定だ。
なお、当該研究チームは、この論文以外にもコンピュータサイエンス分野における被引用が、世界の上位1%にランキング(ClarivateAnalytics社DB Web of Science調べ)される高被引用文献を数多く発表しており、その業績は国際的に高く注目されているという。
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