2018年5月11日
千葉大、柏市での「脱いじめ傍観者教育」とアプリ「STOPit」の実施報告
千葉大学は10日、柏市で実施した「脱いじめ傍観者教育」と相談アプリ「STOPit」の活用取り組みの結果を発表した。
同校の教育学部藤川研究室は、2017年度から柏市教育委員会、敬愛大学国際学部阿部研究室、企業教育研究会およびストップイットジャパンとともに、「考え、議論する道徳」としても活用できる「脱いじめ傍観者教育」の授業開発と実践と匿名報告相談アプリ「STOPit」活用の取り組みを実施。その結果をまとめた。
柏市教育委員会はこれまでも精力的にいじめ防止対策に取り組んできたが、今回さらなる取り組みとして、傍観者の視点に立ち、ネットいじめを許容しない集団の雰囲気を醸成するための授業「私たちの選択肢」と、匿名報告・相談アプリ「STOPit」の導入を決定した。
その結果、「私たちの選択肢」は多くの生徒にとって雰囲気を変えるために行動しようと考えるきっかけになったという。また、「STOPit」の相談件数も電話やメールの約9倍を記録。全体の約35%がいじめ相談だった。
「私たちの選択肢」は、昨年5月22日に授業開始。以後、7月14日までに順次20校で実施。対象は柏市内の中学20校の全1年生で、授業回数99回、受講生徒数は3237人。
また、「STOPit」の対象可能生徒数は柏市内全中学生9825人で、登録者は486人。アプリの使用方法を説明した用紙を生徒全員に配布して周知した。
昨年5月~7月には、柏市立内公立中学校1年生18校分生徒2885人を対象にした「脱いじめ傍観者教育アンケート」を実施。敬愛大学国際学部・阿部学准教授が、その結果を分析した。
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