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2019年2月19日
ETロボコン2019、今年のテーマは「EDGEを極めろ!」
組込みシステム技術協会とETロボコン実行委員会は14日、「ETロボコン2019」の開催発表会を行った。
今回の発表会では、大会概要や新コースの披露に加え、同大会に継続的に参加している企業によるETロボコンの魅力や人材育成の事例などが紹介されるとあって、当日は、ETロボコンに高い関心を寄せる社会人や学生が来場。熱心に耳を傾ける様子から大会へ向けての静かな闘志がうかがえた。
今年で18年目を迎えるETロボコン。全国12地区で地区大会を開催し、各地区の代表がチャンピオンシップ大会へと進出する。高校生から社会人までソフトウェア設計内容とスキルを競い合う大会で、参加者は同じ規格のロボットを使用するため、単に競技するだけではなくソフトウェアが重視されることが特徴的なコンテストだ。
2019年のテーマは「EDGEを極めろ!」。ETロボコン本部運営委員長の桜井隆氏は、「EDGE(エッジ)は、エッジコンピューティング、最先端、尖った技術などを意味しています。5年後、15年後、世界をリードするエンジニアの育成を目指し、若手や初級・中級エンジニア向けに、分析や設計モデリング開発、製品サービスの企画開発にチャレンジする機会を提供します」と大会の意義を発表した。
ETロボコンは、レゴ マインドストームの車体で決められたコースを自律走行する「デベロッパー部門」と、製品・サービスを開発し披露する「ガレッジニア部門」の2部門からなる。デベロッパー部門には初級者向けのプライマリークラスと応用学習者向けのアドバンストクラスがある。
デベロッパー部門は「競技(走行)」と「設計図(モデル図)」での勝負。設計技術を学び、仕事(学業)に生かせるようになることが目的だ。一方、ガレッジニア部門は「モノ作り(IoT)」と「パフォーマンス(ビデオ・ライブ)」での勝負。テクノロジーで新しくワクワクするモノを生み出すことで勝負する。
この日、デベロッパー部門で導入される新コースと競技方式の変更が発表された。昨年は性格の違う2種類のコース(L/R)で構成され、両コースの合計タイムで優劣を決定した。2019年は左右がほぼ反転した2つのコース(L/R)で構成。両コースのベストタイムで優劣を決定するという。
競技方式の変更についてETロボコン本部技術委員長の高橋寛之氏は、「ETロボコンは技術教育の場。参加チームのスキルも上がっていく中、年々難度が上がっていました。また、途中リタイヤで成果を得られなかったチームがこれまで少なからずいたことなどが変更に至った背景にあります」と説明。IoTなどテクノロジーの発展が加速する社会動向にあって、AIやカメラ(画像処理)といった技術の競技への導入は、それを学ぶきっかけとしては有効だが、一方でここ数年こうした開発対象の増加が参加者のプライマリークラスへの回帰として表れたという。また、従来の2種類のコースの場合、片方のコースを失敗するとそこでリタイヤ。これまでそうしたチームは全体の30%ほどを占めていたという。大会に向けて取り組んだ半年の成果が無駄にならないようにするためにも、今回の「左右反転+ベストタイム方式」を採用。ETロボコンで得られる教育効果は維持しつつ、より参加しやすい競技方式にリニューアルされる。
ガレッジニア部門は全体的にレベルが向上。昨年優勝したのはネパールのチーム。日本人以外のチームも複数参加があり国際色が豊かになったという。「自分たちが発想したものを形にして、評価される経験を得る場として引き続き活用してもらいたいです」と高橋氏。
続いて、ETロボコンに継続的に参加している企業3社が登壇。企業から見たETロボコン、その位置づけ、通常業務とコンテスト出場のための開発時間の確保や考え方、社員に対する支援など、他社にも参考になる具体的な事例の数々が紹介された。各社で取り組みの形態や方針はそれぞれだが、参加することによる社員の変化や効果には共通点が見られた。「社員が自主的に参加することでマネジメントスキルが上がった」、「参加した新入社員の表現力や気づきが違ってくる」などだ。
また、同委員会が行ったチーム管理者アンケートにおいても、「ETロボコンで学んだ成果を実感し、モノ作りへのモチベーションにつながるようにしたい」、「ETロボコンの活動を通じて実業務のモチベーションアップへつなげてほしいと期待している」などの声があるという。人材育成としてETロボコンを活用するメリットに今後ますます注目が集りそうだ。技術教育機会の場に、次代を担う若手や初級・中級エンジニアの参加、ことに企業や組織においては社員を送り出す機運がより一層高まることが期待される。
ETロボコンは、3月に全国12地区16カ所で参加者向けの説明会を実施する。競技内容や参加の流れなど詳しい情報を知りたい人や関心のある人は下記URLから参照できる。
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