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2019年3月25日
KDDI×Kids Diary、業務提携で保育ICT事業へ参入
KDDIは20日、有望なベンチャー企業への出資を目的とした「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じて、保育園・幼稚園などのICTをサポートするサービスを提供するKids Diaryに出資、業務提携したことを発表。
今回の業務提携により、Kids Diaryが提供する電子連絡帳アプリ「Kids Diary」をはじめ、各種保育支援システムにより、子どもの日々の健康管理や出欠・遅刻の連絡、自宅や園での子どもの様子に関わる情報共有を効率的に行えるようになる。保護者と保育従事者間のコミュニケーションを円滑にすることに加え、園内の出勤システムや指導計画など一括管理を可能とし、従来の紙による自治体への申請業務や園内の情報共有、管理業務等の効率化を実現する。
KDDI ライフデザイン事業企画本部 新規事業推進部 部長 宮本美佐氏は、2児の保護者として自身が関わった保育園での経験から、手作業が多い保育士の苦労や自身も忙しい朝に連絡帳を手書きで記載した大変さがあったことなどを振り返り、「保育に関わる全ての人が少しでも楽になるといいという思いがあります。電子連絡帳、登降園管理、保育業務支援、安全・安心IoT、デジタル写真共有など、保育現場のニーズとしてICT化が強く求められています。KDDIが保有する『通信インフラ』『スマートフォン』『IoT機器』といったKDDIアセットを活用することで、保育現場のアップグレードや体験価値向上など子育て支援インフラの実現を目指し、Kids Diaryと連携して保育ICT事業へ参入します」と発表した。
一方、Kids Diary CEO スタンリー・ン・イエンハオ氏は、2児の保護者として待機児童を1年半経験。日本の保育現場での課題に着目しKids Diaryを立ち上げた。
会見では「Kids Diary」の特長が5つ紹介された。1つ目は「保育業務と保護者とのコミュニケーションの統合管理」。アプリの中で日々の記録や保護者への一斉連絡などが完結できるオールインワンのパッケージであること。2つ目に「保育現場の事務作業の効率化と負荷低減」。自治体への各種申請業務などのバックヤード作業の場面で、保育現場で入力した記録がそのまま自治体の申請フォーマットに合わせて自動で書類化などができる。
3つ目に「キーボードを必要としない直感的な画面と操作性」。入力作業でさえ手間を惜しみたい超多忙な保育現場において「Kids Diary」の操作は数タップで完了できる。同アプリは、日本デザイン振興会2017年度グッドデザイン賞を受賞しており、UI(ユーザーインターフェイス)に優れているとして高い評価を受けている。
4つ目に「保育園ごとに独自のアプリ開発と提供(IT導入支援金対象)」。園ごとに必要な機能などをカスタマイズすることが可能。5つ目に「自治体クラウドに対応する高いセキュリティ」。個人情報漏洩などに対して強固なセキュリティであること。これらの機能で保育現場の抱える課題解決を図るという。
KDDIの役割について宮本氏は、「まず『Kids Diaryを利用する施設と利用者の拡大』。KDDIは地域活性化支援などを通じて全国の自治体と強固な接点を持っています。こうした接点を活用し保育ICT領域で自治体と協定締結し、実証実験なども進めていきます。また保育園に対しても「Kids Diary」導入だけでなく、より定着する支援としてセミナー開催や端末・通信環境のサポートもしていきます」。
「次に、『Kids Diaryの活用シーンの拡大』。保育現場で培ったノウハウを、幼稚園・学童、塾・習い事などにも応用できると考えています。最後に、もう一つ進んだところで『スマート保育園プラットフォーム』の創出。保育現場にある負を解決するICTサービスを続々と創りだし、最終的には、保育園、保護者、自治体といった全方位的に保育に関わる全ての人がハッピーになるような総合プラットフォームを創り上げる構想です」と解説した。
これまでそれぞれの保育士の経験値によっていたことや暗黙だった事柄、また、紙で残していたことなども、データで蓄積することで誰でも容易に検索や閲覧ができ、園生活の経過や課題なども見える化して共有できる。こうした情報活用や利便性はまさにICTだからできること。
「育児は素敵な現場。最終的には、子どもが成長していく喜びや感動を、立場の違う人たちで共有できるICTプラットフォームを創出していきたいです」。宮本氏は改めて力を込めて語った。
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