2020年7月13日
Monoxerの活用で得た確かな知識をベースに探究的な学びを実現/宝仙学園小学校
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宝仙学園小学校(東京都中野区)は、「豊かな情操」と「高い学力」という理念のもと「慈悲の心」を教育の根幹に450名の児童が学ぶ1953年開校の歴史ある私立校。進学指導にも力をいれており児童全員が中学受験をする。
自己肯定感を落とさず、全ての子どもに基礎基本を徹底するために
新学習指導要領の3つの柱は、「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」である。従来型の学びと比べて、問題解決能力や論理的思考力が注目され、グループでのディスカッションやプレゼンテーション、レポートなどを重視する傾向も見られる。宝仙学園小学校 ICT教育研究部主任 吉金佳能教諭は、これら21世紀型の新しい学びは、豊かな「知識・技能」という基礎の上にこそ成り立つものだと語る。「知識の徹底」が絶対的なベースとして必要であり、それがなければアクティブ・ラーニングも内容が稀薄なものになると危惧する。しかしながら、授業で「知識・技能」ばかりを扱うわけにもいかずジレンマを抱えていたという。かつて「知識の徹底」のために行っていたのは画一的なプリントの繰り返しであった。既に習得できている児童には退屈で非効率なものであり、習得が進まない児童には苦痛で自己肯定感が落ちる要因になることもあった。吉金教諭は、児童の自己肯定感を落とさず全ての子どもに基礎基本を徹底するためICTの活用を模索する。2年余りの期間をかけ、数十社のeラーニング教材を検討し続け、Monoxer(モノグサ)にたどり着いた。
Monoxer選んだ理由、導入から1年を経ての確信
明確なビジョンと継続性、長期記憶定着のためのメソッドがMonoxer導入の決め手となり、2019年、3年生理科での活用が始まった。
導入から1年を経てその選択が正しかったことを確信し、吉金教諭は「我々教師が目指している児童の基礎・基本の徹底、その一部をテクノロジーに頼ることで、その先の豊かで深い学びが実現できる。」と力強く語る。具体的に次の点だ。
◆解いて記憶する、児童一人ひとりに合った専用問題集
Monoxerは、学習者が「解いて記憶する」問題集だ。習得させたい情報を登録すると問題が自動生成される。例えば漢字もお手本を見ながら繰り返す書取りではなく、「問題形式」だ。同一の問題が、択一・自由入力・手書き・ヒント表示など多様な難易度・形式で自動調整され出題されるのだ。児童の記憶状態、忘却速度を分析し必要な問題を適切な難易度で必要なだけ出される。児童は、問題を無理なく解き続けるだけで「憶えている」状態になる。
吉金教諭は、「一人ひとりに合う適切な難易度の問題だから、自己肯定感を落とすことなく知識の徹底を実現できる。一度記憶したものも忘却を加味して出題してくれる機能にさらなる効果があるだろう。」と期待を込める。
◆最重要ポイント、記憶状況の一元管理
児童は、学校、家庭、塾で同じような内容の学習をすることも多いという。Monoxerを活用すると、複数の学びをまたがって記憶状況を一元的に把握できる。無駄がなくなり飛躍的に効率が上がるため、さらなる学習効果が期待できる非常に重要な機能だ。
◆学習計画機能
設定した期日に合わせて、課題を記憶できるよう自動で問題が配信される機能。児童一人ひとりの記憶状態に合わせカスタマイズされる。教諭らは、コンテンツを登録したら、学習計画機能の期日設定を行い、あとは児童のモチベーション管理や個別フォローに注力しているという。
◆Web管理画面
児童の学習状況と記憶度を可視化できる管理者用の画面。実際に理科のテスト結果と児童の学習状況を照らし合わせて、教諭らが声かけを行ったことで児童のモチベーションが上がり顕著な改善が見られたこともあったという。児童の取り組みをリアルタイムに把握し、適切なタイミングでの声かけを実現している。
理科の授業、実体験と自学自習の組み合わせによる大きな成果
吉金教諭の理科の授業では、実体験をベースに、協働と探究をキーワードにした、アクティブ・ラーニングを大切にしている。理解したことを定着させ、さらに広げるためにMonoxerを活用するという。例えば、3年生理科、プランクトンの観察の授業では、実際に観察できるのは数種類だが、Monoxerではさらに多くのプランクトンに関する問題を繰り返し解き知識を広げている。授業で実際に観察をし、興味を持っているので、自学で任せていても自然と取り組めるという。
「授業での実体験」と「Monoxerによる自学自習」の組み合わせで大きな成果を上げている。テストという目標があることも大きな成功要因だという。例えばある100点満点のテストで、3年児童全体の平均が96.3点という高得点であったことからもMonoxerの効果がうかがえる。Monoxerは取り組んだ分だけ、成果が出る学習ツールなのだ。それも、短期記憶でなく、長期記憶として保持されやすい。
ただMonoxerはゲームのような面白さがあるわけではなく、例えるなら「筋トレ」のようなものだという。ゴールは知識を広げ、世界を広げること。そのために、知識を長期記憶ととして保持しようと話しているという。そのために、テストという短期的な目標設定と、、教諭の適切な声かけが、このような顕著な成果につながっている。また、みんなでがんばって知識を広げよう、良い点をとろうという集団の意識が児童に働いていることも大きい。
Monoxerはあくまでも自学自習をサポートするツールであり、それを活かす教諭らがいて成立するサービスなのだ。
「Monoxerで知識を獲得する。授業や日常の体験は、その知識を構造化することを目指している。構造化される過程は、知的な満足度が高く、高次の学びだ。そんな学びをMonoxerも使って、実現したい。」と吉金教諭は熱意を込め語る。
他教科への活用拡大
もともと2022年に予定していた全学年1人1台のiPad活用が、2020年に前倒しされたこともあり、Monoxerも3~6年生、他教科での活用計画が大きく前進した。
4月から3年生の担任となった佐藤至大教諭は、システムエンジニアの経験を活かし、Monoxerを含むICT化も担当する予定だ。「他の教員のICT化への戸惑いや反応も理解できる。紙と鉛筆による従来型の学びとのバランスなど、その想いを汲み取りながらICT化を無理なく推進していきたい。」と笑顔で抱負を語る。具体的には教員向けの研修会を通じてMonoxerの機能や狙いを丁寧に共有しつつ、自身が担任する3年生で九九や2桁の足し算引き算といった算数への活用を構想している。成果を踏まえて利用する学年や教科を無理なく拡大する計画だという。
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