2020年12月25日
17~19歳男女の38.1%が「日本のデジタル化は遅れている」と回答 =日本財団調べ=
日本財団は24日、「デジタル化」をテーマに、全国の17歳~19歳男女1000人を対象に実施した32回目の「18歳意識調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、「日本のデジタル化は遅れていると思うか」との質問に、38.1%が「遅れている」と回答。「遅れていない」は31.2%で、「分からない」も30.7%あった。
デジタル化が遅れていると思う理由の多くは、「教育現場でのデジタル化の遅れ」についてだった。
主に、コロナ禍による休校の際にオンライン授業の対応ができていなかった点が指摘され、「コロナ禍で教育現場はオンラインに対応せざるを得なくなったが、それが十分にできなかったから」「非常事態宣言の時、公立校はオンライン授業に対応出来なかった」など、オンライン授業導入の遅れや学校ごとの対応の差が挙がった。
一方、遅れていると思わない理由としては、「進んでいるように感じるから」「もっと遅れてる国もあるし、全体で見たら進んでると思う」など、進んでいると思うという意見や、「世界各国と比較して特に遅れている印象は受けなかったから」など、他の国と比較して遅れてはいないという意見が挙がった。
デジタル化の活用を進めてほしいものは、1位が「オンライン授業」35.9で、以下、「給付金の入金など迅速な支援」24.8%、「行政の手続き関連」23.5%などが続いた。
国を挙げてデジタル化を進めることに関しては、65.5%が「必要だ」と回答。「不要だ」は5.8%だけだった。
デジタル化を進めることが必要な理由については、「国力の維持・向上」52.8%、「行政サービスの迅速化・簡素化」52.4%、「国際社会に追いつく」41.2%が多かった。
行政手続きのデジタル化が遅れている理由に関しては、「書面や対面主義など根強い慣習」34.1%、「ITに対する苦手意識」31.8%、「対応できる人材の不足」23.1%などが挙げられた。
デジタル庁の創設でデジタル化が進むと期待するか、との質問では、39.1%が「期待する」と回答したが、「期待できない」も20.0%あった。
デジタル庁に期待する理由は、「デジタル化が専門的な視点から進むと思う」「専門家達があつまるなら進むと思う」といった専門性への期待が多かった。
一方、期待できない理由としては、「デジタル化する割には役員が高齢である印象。若くてデジタル化に強い人材を入れるべき」など年齢への指摘などが挙げられた。
デジタル化を進めるために必要なことは、「学校教育におけるICT教育の推進」25.6%、「国が率先してデジタル化を進める」25.6%。
「日常的にパソコンを使用しているか」との質問には56.7%が「はい」と回答したが、「日常的にスマホやタブレットを使用しているか」には、91.2%もが「はい」と回答。
「プログラミングに関心があるか」の質問では、34.9%が「はい」と回答。また、学校や家でプログラミング言語を学んでいる人は全体の18.8%だった。
自身にデジタル化に必要な知識が「身についている」は23.5%で、「身についていない」は51.2%だった。
日常的にパソコンを使用している層では、「思う(=身についている)」が30.3%と、パソコンを使用していない層に比べて高いことが分かった。
デジタル化社会における教育で必要と考えるものに関しては、「プログラミング言語やITリテラシーの学習」と「学校のICT環境を整備」がともに42.7%で1位だった。
この調査は、全国の17~19歳男女1000人を対象に、11月13日~17日にかけて、インターネットで実施。ただし、印刷業・出版業/マスコミ・メディア関連/情報提供サービス・調査業/広告業関係者は調査対象から除外した。
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