2022年1月7日
コロナ禍で、若者の半数が「何もしたくなくなる、無気力な気持ち」に =日赤調べ=
日本赤十字社は6日、新型コロナの初の感染者が日本国内で確認されてから2年が経過するタイミングで、日本全国の高校生・大学生(大学院生)・保護者・教員の合計600人を対象に実施した、「新型コロナ禍と若者の将来不安に関する調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、2020年4月の緊急事態宣言から2021年9月の宣言解除までの期間に起きた若者の心の変化に関する調査では、「何もしたくなくなる、無気力」(高校生43.0%/大学生49.0%)、「孤独を感じ1人でいるのが不安」(高校生28.0%/大学生35.0%)という状態になったことが明らかになった。
また、「自分に価値を感じない、他者から必要とされない」(高校生27.0%/大学生20.0%)や、「生きていることに意味を感じない、死を考える」(高校生18.0%/大学生11.0%)など、精神的に追い込まれた若者も存在していることが分かった。
一方保護者は、これらについて相談された経験は少なく、「相談されたことに当てはまるものはない」(高校生の保護者79.0%/大学生の保護者84.0%)と回答している。
近い将来の進学や就職への不安に関して、高校生は「受験や就職活動で苦労するのでは」(42.0%)、大学生は「進学先や就職先で評価されないのでは」(31.0%)という考えを持っていることも分かった。
若者が抱く将来の社会生活に対する不安に関する調査では、「新しい人間関係を築くのが困難」(高校生30.0%/大学生33.0%)」が最も多く、次いで「対人コミュニケーションスキルが身につかない」(高校生30.0%/大学生27.0%)で、集団生活で得られる経験に関連する声が寄せられた。
不安への対処としては、「保護者と話し合った」(高校生15.8%/大学生23.5%)、「学校の教師と話し合った」(高校生15.8%/大学生11.8%)との回答だった。
現状を乗り越える動きとしては、「“何とかなる”とできるだけ楽観的に考えるようにした」(高校生24.6%/大学生30.9%)、「これも貴重な体験の1つだと学びの機会として考えるようにした」(高校生10.5%/大学生22.1%)と、年齢が高まるにつれ、少しでも前向きにとらえようとする傾向が見られた。
この調査は、 日本全国の男女600人を対象に、 2021年12月10日~12日にかけて、インターネットで実施した。男女600人の内訳は、高校生100人/大学生・大学院生100人/高校生の保護者100人/大学生・大学院生の保護者100人/高校教員100人/大学教員100人。
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