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2022年3月3日

授業の効率化にAI型教材Qubenaを活用、生まれた時間でSTEAM学習を実現/世田谷区教育委員会

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2021年4月から区内の全小中学校(小学3年生~中学3年生)でAI型教材「Qubena(キュビナ) 小中5教科」を導入している東京都世田谷区。区立深沢中学校では、Qubenaの活用で個別最適な学びを図りながら、授業時間の短縮を全校目標とし、創出した時間を活用してSTEAM学習による「探究的な学び」を実現した。Qubena導入から「探究的な学び」実現までの背景を、世田谷区教育委員会 教育指導課 高橋 恵一 指導主事、世田谷区立深沢中学校 佐野 晴子 校長、深沢 享史 主任教諭(数学科)、佐藤 哲 主任教諭(社会科)に話を聞いた。

世田谷区立深沢中学校

個別最適化された学びにQubenaを導入

世田谷区教育委員会 教育指導課
高橋 恵一 指導主事

世田谷区には小学校61校と中学校29校があり、児童・生徒は約5万人を数える。教育方針に「せたがや11+(イレブンプラス)」を掲げ、キャリア・未来デザイン教育を中心に11の取り組みを推進。高橋指導主事は、その中で「『探究的な学び・社会と積極的に関わる学び』と『個別最適化された学び』を目標に設定し、ICT活用を進めている」と説明する。世田谷区が導入したAI型教材Qubena(COMPASS提供)は、児童・生徒一人ひとりに個別最適化した問題をAIが自動出題するアダプティブラーニング教材。小学1年生~中学3年生の主要5教科における学習指導要領単元をカバーしている。

導入後は、教員向け研修会など行って取り組みを重ねている。世田谷区のホームページには教育ICT『新たな学びへ』と題し、区内のICTインフルエンサーと呼ばれるICTを得意とする教員25名を中心に作成した教員向けの動画を公開。その中に、Qubenaを活用した個別最適化された学びについての動画もある。区内の小中学校の教員に参考にしてもらいながら、Qubenaの活用を進めているという。

「Qubenaを通して目指す生徒の姿」を全教職員で共有

深沢中学校は生徒数407名、12学級の中規模校。世田谷区におけるQubena活用モデル校でもある同校では、生徒間の学力差に対するきめ細かい個別の対応が最大課題と捉え、それを起点にQubenaを活用した取り組みに臨んでいる。

世田谷区立深沢中学校 佐野 晴子 校長

Qubena活用のねらいや想いは、生徒にも教員にもメリットがあり、プラスになること。佐野校長は3つのねらいを説明する。1つ目に、個別最適な学びの実現。Qubenaは生徒一人ひとりの特性や学習進度などに応じた学習が提供できる。解答した内容や採点状況がダイレクトに教員に伝わるため、個別支援と学級における傾向の把握ができ、時間のロスなく即時に指導に入れるという。

2つ目に、「探究的な学び」の時間の確保。Qubenaは知識・技能習得の観点に特化したツール。同校ではその効率化によって得られる時間を年間約35時間と試算した。そこで得た時間を思考力・判断力・表現力を深める「探究的な学び」に充てる目標を全校で設定した。

3つ目に、教員の「働き方改革」の推進。試行錯誤しているが、授業の事前事後の作業時間は飛躍的に削減でき、働き方改革に繋げられると考えているという。

学校全体としては、5教科の主任会での校内研修を重ね、ICT支援員やCOMPASSのサポートも受けながら、教員にとって使いやすい方法を作り上げていったという。しかし、新たな授業スタイルの浸透に、教員のモチベーションを保つことは容易でなかった。そこで、ねらいの2つ目に挙げたように、Qubena活用で得られた時間を使った「探究的な学び」の実施を全校目標に、そのテーマとしてSDGsを据え、「Qubenaを通して目指す生徒の姿」を全教職員で共有。そして、2021年12月にSTEAM学習を実施することを設定したという。

教科でのQubena活用とその成果

世田谷区立深沢中学校
深沢 享史 主任教諭・数学科

数学科の深沢主任教諭と社会科の佐藤主任教諭は、それぞれの教科での主なQubena活用とその成果を語る。数学では単元のねらいに応じて授業内での活用タイミングやQubenaの機能を使い分け、知識定着の効率化に加え、生徒同士の学び合いにも活用した。その成果として、指導書の計画では19時間の「一次関数」を14時間で終えることができ、5時間の短縮を実現。社会科では、基本用語や基礎知識の定着を主な目的としてQubenaを活用。これまで教員の経験や勘に頼るしかなかった授業中の生徒の理解度がリアルタイムで可視化されることで効果的な復習・補習ができるようになったという。

世田谷区立深沢中学校
佐藤 哲 主任教諭・社会科

こうした活用を通して、生徒の学びに向かう姿勢にも変化が生じた。Qubenaの説明やヒント機能を使って粘り強く意欲的に学ぶ姿が見られるという。また、学習履歴の可視化で生徒自身が学習管理をでき、教員にとっても指導の個別化を図ることができるため、個別最適な学びに繋がっているという。さらに、プリント作成など業務時間の削減ができたことで、業務改善や指導時間の確保も生み出せた。

教科でのQubena活用は、生徒にも教員にも多面的なメリットをもたらしながら、授業の効率化を促進。「探究的な学び」の実現を果たすための時間の確保に繋げていった。

創出した時間で「探究的な学び」を実現、STEAM学習で思考力・判断力・表現力を培う

12月を迎え、当初の計画どおり、「教科等横断の探究的な学び」としてSDGsを取り上げたSTEAM学習がついに実現した。

SDGsに関する書籍の著者を講師に招いての全校生徒を対象にした講演会を皮切りに、振り返り活動、調べ学習に取り組んだ。生徒自身が興味関心のあるSDGsのテーマを選択し、オンライン図書館「STEAMライブラリー」を使いながら5日間にわたる調べ学習を実施。授業支援システムのロイロノート・スクールを活用しながらレポート作成までを進めたという。

「探究的な学び」に取り組む生徒

調べ学習の後には発表会を行った。今年1月から、1・2年生の全クラスにおいて、まずは学級、次に学年と段階を踏んで発表の場を広げ、お互いの内容を共有する活動へと進んだ。佐野校長は、「『探究的な学び』での取り組みや発表は、思考力・判断力・表現力の部分。これらの能力が高まり、成果としてよく表れたクラス発表でした」と手応えを語る。

以降は、学年で行った発表を2月末に予定している学芸発表会の展示ブースに映像として展示。一人ひとりの発表内容はQRコードなど作成し生徒や保護者も鑑賞できるようにする計画。最終的には、3月上旬に学芸発表会における発表で成果をまとめる流れだという。

結果として教科にも良い影響を与えた「探究的な学び」

STEAM学習を通して「探究的な学び」に取り組んだことで、生徒にも教員にも新たに変容が生まれた。この経験が各教科でも反映され、調べ学習やグループ活動、発表などを取り入れることが以前に比べて圧倒的に増えたという。

1年生でも手慣れた様子でiPadを活用して情報収集、プレゼンもこなすなど生徒の成長が窺えると語る佐野校長。継続的に授業観察を行う中で、生徒が遂げた変化に驚きを感じるという。たとえば「1年生の1学期の理科では、内気で発表がなかなかできない生徒と流暢にできる生徒など個人差が見られましたが、3学期には、『その資料はどこから見つけてきたのか?』といった対話が行き交うようにもなり、個人の学びに加え、協働的な学びの力も付いてきました。全体的に学ぶ力が向上してきており、教員からは『1年生の間に豊かな表現力を身に付けることができ、卒業までどこまで伸びるか楽しみ』との声も上がっています」と語る。

Qubenaを活用した授業の様子

一方で、教科横断的な取り組みに、5教科の各教員が共通理解をいかに図るかが大きな課題だったと深沢教諭は振り返る。教科主任の教員を中心に指導計画を細かく練り、全教職員に説明を重ねながら進めていったという。また、調べ学習では躓く生徒も一定数見受けられ、さまざまな教科の教員が立ち会うことから、どのように適切なサポート体制を整えていくかが新たな課題として見えてきたようだ。

引き続きQubenaの力も得ながら、知識・技能の効率化と個別最適な学びを提供したいという佐野校長。ただし、効率化ばかりではない。「きめ細かな学びの対応にもQubenaは有効だとわかっています。放課後支援や課題でも活用していきます。また、2022年度は年度当初からSTEAM教育や探究的な深い学びを計画的に取り組んでいくことが本校の次なるステップと考えています」。生徒の個性を生かしながら、社会性を育む教育を充実することが求められている中、これまで以上に多様性を尊重し、ICTを活用しながらさまざまな教育活動を実践していきたいという。

無理なく巧みに。好循環を生み出すバランスの取れた学びの実践が、これからも次々と実りそうだ。

□ 本記事の内容を発表した講演会のレポートページ

□ 事例共有会ほか、COMPASS開催のイベント情報

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