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2022年7月11日

AI型教材Qubena活用で「一歩先の“個別最適な学び”」へ4校の実践レポート/Qubena Action 2022 報告Ⅰ

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COMPASSは5月28日、“個別最適な学び”について考える教育関係者向けのオンラインイベント「Qubena-Action 2022」を開催した。レポート第1弾の今回は、GIGAスクール構想で整備されたICT環境を活用し、Qubena(キュビナ)導入で学びの変革をめざす4つの自治体の代表が登壇して事例を発表したトークセッションを紹介する。それぞれの教育現場のそれぞれの課題解決に、AI型教材Qubenaの活用で取り組むリアルな声を聞く。
トークセッションのテーマは「Qubena導入後の学校現場の苦労とその乗り越え方」。

登壇者:
東京都世田谷区立深沢中学校 佐野晴子 校長
宮崎県宮崎市立青島小学校 黒木修志 校長/種子田かおり 教諭
福島県大熊町立学び舎ゆめの森義務教育学校 増子啓信 副校長
北海道利尻富士町立鴛泊中学校 林英樹 教諭

司会:木川俊哉 株式会社COMPASS 未来教育ユニット ユニット長

Qubena活用で捻出した時間でSTEAM教育を実現・世田谷区立深沢中学校

-木川俊哉(株式会社COMPASS)
世田谷区立深沢中学校では、Qubenaの活用で個別最適な学びを図りながら、授業時間の短縮を全校目標として、2021年2学期に国語・数学・理科・社会・英語の5教科でそれぞれ2時間ずつ時間を捻出し、その時間でSTEAM教育を実践しました。私も授業を拝見しましたが、ユニークな発想をする生徒さんや取り組みがあって素晴らしい活動だったと思います。学校全体を巻き込んだ活動をどのように行っていったのでしょうか。


-佐野晴子 校長(世田谷区立深沢中学校)

世田谷区では区を挙げてQubenaに取り組むと言うことで、本校でも5教科すべての活用に取り組んでいます。まず各5教科の教科主任を中心に取り組みを始めましたが、中学校は教科担任制ということもあり、5教科以外の先生たちも巻き込んで全校あげて取り組む姿勢を持っていかないといけません。当初はQubena利用の進め方を校内研修の中心に据えていましたが、それだけでは学校全体の動きにならず、学校全体で取り組むという共有の目的意識を築くというところが一番苦労しました。COMPASSの協力も仰ぎながら「探究的な学び週間」というのを2学期に行うというところで研究主任や教務主任の意見が一致し、ようやく一体感を持って取り組めたと思います。
実際に授業でQubenaを使っていく5教科の先生たちは必死だったと思います。それぞれ教科の特性があるし一人ひとりの先生たちのICTを授業に取り込む意欲にも差があります。そうした中で「進める」ということでは先生方が同じ気持ちだったと思いますが、難しいところがとても多かったと思います。Qubena活用で生み出した時間で行ったSDGsの授業では、教務主任が計算した予定時間内で終わらないくらい子どもたちがどんどんのめり込んでいったという実態もありました。

Qubenaを活用した「自由進度学習」で個別最適化された学びを・宮崎市立青島小学校

-木川
宮崎市立青島小学校では、個に応じた学びを提供すべく自由進度学習を取り入れています。例えば小学校5年生の分数の授業計画9時間のうち、6時間を自由進度学習に変更。自由進度学習ではどのように自分に合った方法で学んで行くかというのを子どもたち自身が選びます。その一つとしてQubenaが取り入れられていますが、写真にあるように活発な学習が行われているのが印象的です。このような形になるまでどのような試行錯誤があったのでしょうか。


-黒木修志 校長 (宮崎市立青島小学校)

一番の課題は先生方の意識改革でした。
1つ目は、GIGAスクール構想で1人1台端末が入ったり、Qubenaが入ったりして大きく環境が変わる中での、先生たちのICTに対する抵抗感の払拭です。解決策として、先生のICTスキル向上から、授業でどう使うかへ段階的に校内研修を進めました。抵抗感がかなり大きかったので、これまでの学びにICT、タブレット、インターネットを使える良さを少し加えるというところから始めました。
2つ目は「自由進度学習」へのQubenaの活用です。Qubenaの良さをまず理解する。AIが子どもたちの理解を把握して問題を提供するという良さを活用する。そこで実施したのが「自由進度学習」になります。子どもたちの個別な学びが生かせるように、Qubena+ドリル+教科書などいろいろ使って試行錯誤しながら研究に取り組みました。

先生たちがティーチングからコーチングに変わらなければいけない。一斉授業だけという発想を変えていかなければならないという課題を踏まえつつ、取り組んできました。

-木川
熱い想いを持った校長からバトンを渡されたとき種子田先生はどうでしたか。

-種子田かおり 教諭 (宮崎市立青島小学校)
去年私は5年生を担当していて、夏休みが明けた頃から授業の改善をしようと考えていました。Qubenaの活用というきっかけと同時に、今までのオーソドックスな一斉授業の学習スタイルの中で、多様な子どもがいて個人差も大きくて授業改善の必要性を感じていました。ICTの導入と授業改善の両方から始まったのが「自由進度学習」でした。最初は習熟度別に分けて、学習がある程度進められる子どもたち、学力がある程度ある子どもたちだけを集めて、その中で自由進度的な学習を進めました。1単元やってみたところ、とても反応が良くって「先生、この学習楽しい」という反応が返ってきて、単元テストも良かったので、思い切って一クラス全員集めてやりはじめました。いろいろ試行錯誤しました。グループ活動どうしようかなあとか、どうやって教材を選ばせようかなあとか、日々子どもたちの反応を見ながら少しずつ形にしていったような感じです。子どもの反応がダイレクトに伝わってきたのが私のモチベーションに繋がってきたかなと思います。
「自由進度学習」でQubenaを使っている割合は、その時間、その単元にもよりますが、1単元のなかで1回は必ずQubenaを使っている感じです。ずーっとQubenaだけという子もいませんし、ずーっとワークだけという子もいません。

一斉の「めあて」を無くし子どもたち自身が「めあて」をたてる・大熊町立学び舎ゆめの森

-木川
大熊町立学び舎ゆめの森義務教育学校では、ICTツールを活用して「見たことや感じたことを形に出来るデザイン力」というのを教育の柱にして、一人ひとりが目的を持って学んでいける取り組みをしています。指導者が与える「めあて」を無くして、子どもたち自身が「めあて」をたてて、Qubenaを含む様々な学習ツールを使って自分のペースで学んで行います。一斉の「めあて」をなくす取り組みについて伺います。


-増子啓信 副校長 (大熊町立学び舎ゆめの森義務教育学校)

学び舎ゆめの森でのQubena導入当初ですが、最初の取り組みとして授業の「めあて」にQubenaを当てはめた取り組みを行ってみました。しかし、子どもたちが主体的に学ぶという姿が見られませんでした。本時の「めあて」に縛られてしまうという大きな課題でした。そこで、授業の導入時にある一斉の「めあて」を無くすということから始めました。そこから学びが変化していったわけですが、すぐにうまくいったわけでは無くそこに至る先生たちの意識改革が必要でした。今でも覚えていますが「私何やったらいいですか」といった先生のことばが残っています。当時は教科書もやらなければならない。プリントも全部やらなければならない、そしてQubenaもやらなければならない。それでは大変だと言うことでQubenaだけやってみようと言うことになったときに、「私何やればいいですか」というのが出てきたんです。まさに教員の役割ですね。Qubenaを取り入れることでどういう風に変わっていくのか、授業者の立ち位置を先生方とも話をしながら進めてきたというのが導入の経緯です。Qubenaを導入したらドップリ浸かってみようというところ、課題が出てきたらその都度調整しながらクリアをしてきたというところで、現在に至っています。

「知識・技能」はQubenaを使って主体的に学び評価に活かす・利尻富士町立鴛泊中学校

-木川
利尻富士町立鴛泊中学校では、Qubenaの学習データを評価に反映させるなど、独自の取り組みにチャレンジしています。子どもたちはQubenaの学習ログとテストの結果を見比べながら分析して、こうしたら成績がよくなるなと見つけ、自分で見つけるからこそ主体的な学習に取り組んでいるということです。特に活用が進んでいる理科と社会では、先生から課題を課しているいるわけではなく10カ月で平均5000問解いているということです。Qubenaを活用した評価について伺います。


-林英樹 教諭 (利尻富士町立鴛泊中学校)

利尻富士町では、へき地であっても都市部と同じ教育環境を整えようということで、教育委員会もGIGAスクール構想に早期から取り組み、今では生徒は文房具の一つとして端末を使いこなしています。そうした中で紙のワークも廃止しようということでQubenaを導入しました。1年間取り組んでみて、これまで多くの時間を掛けていた基礎・基本の定着、「知識・技能」の部分はQubenaで十分補えると分かったので、授業では「表現・思考」のところを主に、楽しくて分かる授業をどうするかというところに取り組んでいます。その支えになっているのがQubenaの機能にある習熟度判定です。「A」が付くと頑張ったなと励みにもなるし、最初は「C」や「D」でも自分で課題をやると「B」や「A」になっていく。そういった主体的な学びを「知識・技能」の評価に反映するよということを、年度の初めに生徒たちに提示した上で評価に入れています。平均5000問の中には、提示した課題の他、小学校の高学年の学びからやりたいと生徒自ら学年を遡って解いている問題も含まれています。
Qubenaのデータを評価に使うというのは抵抗もあると思いますが、少なくともQubenaの学習ログは客観的なデータとして子どもたちの頑張りだったり、取り組み時間や成果を根拠あるデータとして評価に活用出来ると本校では考えています。

-木川
みなさんありがとうございました。

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Qubena Action 2022 報告Ⅱ(苫野一徳氏×神野元基氏トークセッション)はこちら
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当日の様子、また各校の取り組みの詳細はCOMPASSのイベントアーカイブページやICT教育ニュースの記事でも紹介されていますので是非参考にしてください。

関連URL

Qubena活用ナビサイト イベントアーカイブ

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