2023年1月25日
転職先選び、個人8割・企業7割が「リスキリング制度の充実が影響を与える」と回答 =doda調べ=
パーソルキャリアは24日、同社の転職サービス「doda」(デューダ)が、転職を検討している又は興味があってリスキリング(学び直し)を知っている全国のビジネスパーソン200人と、リスキリングを認知している企業の人事担当者200人の計400人を対象に実施した、「リスキリングに関するビジネスパーソンと企業とのギャップ」に関する調査の結果をまとめ発表した。
それによると、個人(ビジネスパーソン)の9割近く(89.5%)が、「リスキリングを実践、または実践予定」と回答。一方現状、社内でリスキリングが推奨できていると回答した企業(人事担当者)は4割(38.0%)に留まったが、今後推奨予定の企業を含めると8割以上(82.5%)になった。
個人に対してリスキリングに取り組んでいるかを尋ねたところ、「取り組んでいる」60.0%、または「今後取り組む予定」29.5%と回答した人が合計89.5%にも上り、改めてリスキリングへの関心の高まりが分かる結果となった。
一方、企業に対して現状の社内でのリスキリング推奨状況を聞いたところ、「取り組んでいる」と回答したのは38.0%に留まった。
なお、個人の「取り組んでいる」の回答内訳をみると、「現在自発的に個人で取り組んでいる」40.0%、「現在勤務先の指示/推奨で取り組んでいる」20.0%となり、個人の学びたい意向と企業の体制整備にズレがあることがうかがえる。
しかし、今後リスキリングを推奨していく予定の企業は約半数(44.5%)に上り、取り組んでいる企業と合算すると8割以上(82.5%)になるため、今後企業の制度整備が整うことでよりリスキリングを行いやすい環境が生まれていくと推測される。
また、リスキリングに取り組んでいる個人と、リスキリングの推奨に取り組んでいる企業それぞれにその理由を聞いたところ、共に最も多かったのは「スキル向上」だった。
2位以下は異なる結果となり、特に個人では2位が「転職活動を見越した自身の市場価値向上のため」36.7%で、リスキリングを業務効率を上げる方法だけではなく、「転職を優位に進めるための方法」の1つとしても捉えていることが推測できる。
同じくリスキリングに取り組んでいる個人と、リスキリング推奨に取り組んでいる企業に、リスキリングの課題を聞いたところ、「時間の捻出」(個人37.5%、企業36.8%)や「モチベーション維持」(個人30.0%、企業42.1%)が上位に挙がった。また、個人の1位に挙がった「費用の捻出が難しい」38.3%は、企業では5位に留まり、ギャップがみられた。
次いで上位に挙がった「社内制度の未整備」(個人24.2%、企業30.3%)や、個人の「自分が取り組むべきことが何か分からない」「スキルを習得する方法が見つからない」(ともに22.5%)という回答からは、リスキリングへの機運は高まっているものの準備や制度が整っていない状況が推測できる。
転職活動を行う上で、リスキリング制度の充実具合で企業への志望度合いがどう変化するかを尋ねたところ、個人では8割以上(81.0%)が「志望度合いが上がる」と回答し、企業も約7割(69.0%)が転職希望者の「志望度合いが上がると思う」と回答。
改めてリスキリングへの関心の高まりが分かるとともに、転職先選定にまで影響を与えていることが見て取れる結果となった。
また、個人にはリスキリングで学びたいこと、企業には学ばせたいことを尋ねたところ、個人は「語学関連」17.5%が最も多かったのに対し、企業は「思考プロセス関連」22.5%と異なる結果になった。
それぞれの内訳を見ると、個人は「語学関連」17.5%、「思考プロセス関連」16.5%、「マネジメントスキル関連」12.5%と汎用性の高いビジネス力が並ぶ一方、後続には第4・5位に「IT・DX・AI関連」11.0%、「プログラミング関連」10.0%が並びテクノロジー活用力への関心の高さが表れた。
一方、企業の回答は「思考プロセス関連」22.5%、「マネジメントスキル関連」18.5%、「IT・DX・AI関連」15.0%と続いた。業種を問わず進んでいるDX化から、これまでになかった新しい仕事が生まれるなど産業構造が大きく変化していることを受けて、価値創造し続けるために必要なスキルが上位に並んだと推察される。
この調査は、「個人向け調査」では転職を検討している、または興味がありリスキリングを知っている全国の20~30代男女会社員を対象に、また「企業向け調査」は全国のリスキリングを知っている20代~60代男女中途採用・人事担当者を対象に、それぞれ2022年12月10日~14日にかけて、インターネットで実施した。有効回答数は、両調査とも200人。
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