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2023年3月6日

英語学習に「すらら」、やり切る達成感の醸成でGTECスコアも上昇を継続/東海大学菅生高等学校

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2018年度から当時高校1年生を対象に英語科で「すらら」の利用を開始した東海大学菅生高等学校。1年目にして英語の平均学習時間はそれまでの数倍、また同校が取り入れている英語4技能の力量を測定できるGTECにおける1年生のスコアが、2年生のスコアを上回るなど大きな成果をもたらした。それから約4年。「すらら」を継続してきたことで得られたアイディアや現在の活用法など、谷野龍太教諭(英語科主任・1学年主任)に再び話を聞いた。

「すらら」で学び直しを徹底

英語教育の充実をめざす東海大学グループ全体の方針から、かねてより基礎学力の向上を目標に、習熟度の異なる生徒たちの個別対応に向けて「すらら」の活用を開始した同校。導入当初の学習の流れは、「すらら」で「学力診断テスト」を実施し、その結果をもとに課題に取り組み、期日までに課題が終わらない生徒に対してはフォローアップ(居残り時間)を設けて、全員が確実に各々の課題を終わらせるよう指導するというものだった。

東海大学菅生高等学校 英語科主任
谷野龍太 教諭

その流れは現在も変わらず、1年生は、学習時間の増加と個々の基礎学力の向上を目的に「すらら」を活用。中学範囲の学び直しに特化して取り組んでいる。理由は、新入生の多くに中学校での学習の定着が十分ではない傾向があるためだという。各学期のはじめに「学力診断テスト」を実施し、隔週1回の授業と家庭学習で復習を実施。まずは夏休みまでに中1の復習、冬休みまでに中2の復習、年明けに中3の復習と、学び直しを徹底している。

「2年目からの運用に苦労した」と谷野教諭はこれまでを振り返る。実際に高校で習う範囲を「すらら」で実施してみると、1人でやり切ることが難しい生徒が出てきたからだ。しかし、「『すらら』の強みはアダプティブなところ。私のアイディアとしては、やはり各生徒に適した学習を提供したいと思いました」。

そこで2・3年生は、学力に応じた、よりアダプティブな学び直しを行うことを目的に、4月に中学範囲と高校範囲の判定テストをそれぞれ実施。中学範囲が一定のレベル未満の生徒は中学範囲の学び直しを、学力の高い生徒は高校範囲の学習を取り入れることとした。生徒には、中学範囲の理解が高校範囲の習熟に繋がることを伝えているという。

やり切れる適切な課題量を設定し、生徒の達成感を醸成

この取り組みの中で谷野教諭が苦心したことがあった。生徒個々に対する「課題量」だ。

「すらら」はアダプティブであるため、「学力診断テスト」の理解度によって各生徒に対する課題量が異なる。点数が低い生徒には課題(ユニット)の数が増える仕組みだ。本来であればそれにより生徒は自身の弱点を克服して学力を付けていくことができる。しかし、野球部をはじめ部活動が盛んな同校では、放課後に行うフォローアップや家庭学習の時間確保が難しい生徒も多く、課題が多いと積み残しが生じて “消化不良”を起こしてしまう。

「『すらら』のアダプティブな良さを活かしながら、学力が低い生徒には少なめに適正な量を、逆に学力の高い生徒は課題をこなせるのでもう少し負荷をかけるほうがより学力が伸びると考えました」。

生徒の学力に合わせてやり切れる適切な課題量を調整

そこで、谷野教諭は生徒の学力にあった課題を配信しつつ、課題量もコントロール。その代わり課題はしっかりと終わらせることを重視した。生徒は提示された課題を完遂できれば、評価の一つである「平常点」を100%もらえる。テストで点数があまり獲得できなかったとしても、課題の達成率を成績に反映させることで生徒の達成感を醸成しつつ、「課題を頑張れば成績が取れる」という学習の動機付けを訴求した。

この結果、課題の達成率はほぼ100%となり、谷野教諭が担当する学年では学年末に欠点が出ることがなくなったという。学校全体としても「課題をやり切る」ことは一貫しており、いずれの学年も学力の向上が数字に表れるようになった。

「年間計画」と「声掛け」で生徒のモチベーションをさらに後押し

課題の達成率が100%に近くなったもう一つの要因が「年間計画」の設定ではないかと谷野教諭は分析する。「学力診断テスト」「課題配信」「課題締切①50%」「課題締切②100%」の項目に分けて年間の日程をあらかじめ教員・生徒に向けて明示している。

教員・生徒ともに「年間計画」で流れを把握

フォローアップなど初年度は厳しくスタートしたというが、谷野教諭は前述の課題量の調整により、生徒の居残り時間の負担を減らしながら徐々に課題の実行率を上げることに成功した。「生徒との関係性も含め、何年かやってきた中でバランスが取れるようになってきました。『終わらせれば全部自分の力になるし、成績にも反映されるから』と声掛けも工夫するようにしました」。

そして、谷野教諭には固い信念もある。「やり切ることが部活動の結果にも繋がっていく気がしています。課題を残したまま甲子園や全国大会に向かうと自分に負けた部分が結果に表れるのではないかと。ですからその時だけは絶対に課題は終わらせるよう指導します」。生徒の部活動を応援したいのだという。物事に向き合う姿勢や谷野教諭の生徒へのエールが、こうした指導から垣間見られる。

GTECスコアの学年平均が着実にアップ

同校では英語4技能の力量を測定できるGTEC(ベネッセ提供)を取り入れている。もともとは東海大学グループが学園全体の能力を測ることを目的に導入したもの。ここでの結果がとても興味深い。

いずれの期生もGTECスコアが上昇

2018年度の36期生から「すらら」を開始して以来、GTECスコアの学年平均が着実に向上しているのだ。36期生の1年目はまだ1人1台端末がなく「すらら」は端末を貸し出しながらの利用だったにも関わらず、2年生を上回る成績を見せた。

37期生については3年生になると平均点が一気に100点以上伸びたことでベネッセから表彰を受けたという。38期生においても2年生に上がる時点で平均点が100点以上伸び、やはり表彰を受けた。39期生、40期生も軒並み成績アップが続いている。

2019年度からは「すらら」に加えて複数のデジタル教材を導入しており、それらも成績の伸びに拍車をかけたようだと谷野教諭は推測しているが、この結果に率直に「驚いている」と話す。

GTECスコア分布では下位層(~A1.1)がほぼいなくなり、
中上位層(A2)が増えた

学校では中間層や上位層の学力の引き上げを目標に掲げつつ、結果的に下位層の生徒がほぼいなくなり、中間層がボリュームゾーンになった。「やれば伸びるという証明ですね。ただ今まではどうやってそれをさせるかが大変でした」。フォローアップに長年困難さがあったが、「すらら」でアダプティブな対応ができるようになったこと、加えて谷野教諭によるきめ細かい課題量の調整が相まって、大きな実りとなった。

「観点別評価」でも「すらら」を活用

今年から「観点別評価」でも「すらら」を活用している。

中学範囲や高校範囲の必須の課題とは別に、「任意課題」として定期テスト範囲などの学習に「すらら」のレクチャーやドリルを配信し、「主体的に学習に取り組む態度」の観点に盛り込んでいる。その名のとおり、生徒自身が主体的に取り組む課題であり、学習指導要領で導入された新しい評価の一つとして設定している。

「すらら」導入から現在まで、「すらら」とともに基礎学力を伸ばすことを重視してきた。「これからも課題の達成率を維持していけば、生徒の学力は必ず伸びると信じています」と力を込める谷野教諭。今後は、家庭学習での「すらら」活用がいっそう進むよう、また、GTECと同様に学園のテストにも学力が反映され成績向上に繋がるよう取り組んでいきたいという。

【前回記事】「部活動に忙しい生徒たちの学習時間を確保し、GTECのスコアも向上」

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