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2023年3月17日

共通テスト、国語・数学の点数に「学力以外の資質・能力」が影響 =IGS分析=

Institution for a Global Society(IGS)は16日、都内私立高校3年生 33人を対象に、大学入学共通テストと、高校3年間の従来の学力以外の資質・能力(思考力・表現力・判断力など)の関係を分析した結果をまとめ公表した。

それによると、共通テストの国語・数学の点数に、「学力以外の資質・能力」が影響していることが判明。

特に、国語は高校1年生・2年生時点での「決断力」の高さ、数学ⅠAは高校3年生時点の「柔軟性」の高さが、共通テストの高得点に影響していた。

分析結果の概要

■国語:「決断力」が高得点の鍵

共通テストを受ける約3年前(高校1年生時点)に「決断力」が高い生徒、約2年前(高校2年生時点)に「決断力」が高い生徒は、国語が高得点だったことが分かった。

重回帰分析で、国語の点数は、高校1年生時点で測定した資質・能力「決断力」「表現力」の他者評価スコアにより、決定係数(予測精度)が0.388だった。

また、高校2年生時点で測定した「自己効力」「決断力」により、決定係数が0.371となり、国語の高得点には「決断力」の影響が大きいといえる。

決定係数から、国語の点数の約39%、約37%が、これらの資質・能力で説明できることが分かる。決定係数が1に近づくほど予測精度は高くなるが、人的データを用いた予測では、比較的高い決定係数であるといえる。

■数学ⅠA:2年連続で「柔軟性」が高得点の鍵

共通テストを受ける約1年前(高校3年生1学期時点)に「柔軟性」が高い生徒は、数学ⅠAが高得点だったことが分かった。

重回帰分析により、数学の点数は、高校3年生1学期時点で測定した資質・能力「柔軟性」「地球市民」の他者評価スコアにより、決定係数は0.618と比較的高い数値になった。数学の点数の約62%が、これらの資質・能力で説明でき、予測精度が比較的高い結果といえる。

また昨年、別の学校(都内私立中高一貫校)で同様の分析を行ったところ、「柔軟性」が最も数学ⅠAの高得点への影響が大きいことが判明しており、数学ⅠAでは「柔軟性」が求められていることが分かる。

この分析調査は、従来の学力育成と探究型学習の双方に力を入れる、都内私立高校3年生 33人を対象に実施。同社の評価ツール「Ai GROW」で、同じ生徒の「学力以外の資質・能力」を3年間定期的に測定した。

生徒が資質・能力を相互評価し、評価の甘辛や忖度などの不要な偏りをAIが補正したスコアと、3年次の共通テストの自己採点の点数(数ⅠA 27人、国語 31人)を対象データとして使用。

共通テストの成績予測の可能性を探るため、高校3年間の「学力以外の資質・能力」と、共通テストの点数の相関分析を実施。従属変数を共通テストの点数、説明変数を「学力以外の資質・能力」15項目で検討した。

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