2023年12月21日
教科の苦手意識、文系・理系ともに「小中学生で大きく形成」=スタディプラス調べ=
スタディプラスは20日、同社のStudyplusトレンド研究所が、全国の高校生・浪人生・大学1~2年生の合計5150人を対象に実施した、「文理選択と学部・学問の系統についての調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、「文系or理系に進むことを決めた理由」を尋ねたところ、「系統への苦手意識」を理由に文理選択した生徒は、文系が理系を20%以上も上回った。回答理由をジャンル付けすると、文系は「理系の勉強が苦手」37.4%が最多で、理系の「文系の勉強が苦手」10.6%を20%以上、上回る結果となった。
「最も苦手・嫌いな教科」と「その教科が苦手・嫌いになったのはいつからか」を聞いたところ、英語・国語・社会・数学は約7割が小中学生時点で苦手を自覚。英語は特に中学生で自覚する傾向が見られた。
英語、理系科目は、高校1年生で苦手を自覚する割合も高く、理科は4割以上、数学は2割以上が高校生になってから苦手を自覚していたことが分かった。
また、「最も苦手・嫌いな教科」と「その教科が苦手・嫌いになった理由」を聞いたところ、英語・国語は「難しい・できないから」との回答が目立ち、英語・社会は「暗記が苦手」、国語は「答えが曖昧」の回答率が高かった。
理系科目は、文系科目以上に「難しい・できないから」の回答率が高く、半数近い割合。数学は「計算が苦手」も多く見られた。
数学・理科における頻出ワードに着目すると、「数学」が苦手・嫌いな理由については、小中学生の頃から、「計算」に躓き苦手になってしまったエピソードが多く見られたほか、
「計算できない」「理解できない」結果、苦手意識が増していく傾向が見られた。
一方、「理科」が苦手・嫌いな理由については、高校入学後に細分化した「化学」で暗記できない、理解できない、という意見が見られたほか、高校入学後に細分化した「物理」で、思考するのが難しい、公式を覚えるのも活用するのも難しい、という意見が目立った。
反対に、「最も得意・好きな教科」と「その教科が得意・好きになったのはいつからか」を聞いたところ、7~8割が「小中学生の間に」得意・好きを自覚。理系科目は、「高校1年生」で得意・好きを自覚する割合が比較的高く、理科は「高校に入ってから」3割が好き・得意になったと回答。
また、「最も得意・好きな教科」と「その教科が得意・好きになった理由」を聞いたところ、文系科目では、英語は「習い事・塾の影響」、社会は「教師や授業の影響」、国語は「読書が好き」といった回答が特徴的だった。
理系科目は、「楽しい・面白い」回答割合が文系科目よりも高く、数学は「答えが明確」、理科は「教師や授業の影響」といった回答が特徴的。
高校生になってから「数学」が得意・好きな理由を尋ねたところ、学校や塾の教師の指導で教科への理解が増したことや、「分かりやすさだけではない楽しさを覚えた」という回答が多く見られた。
また、苦手・嫌いとは対極で、高校生に入ってから「解ける」実感を持てた生徒は数学を得意・好きになる傾向があり、そのきっかけが授業ではなく「自発的な学習」という回答も見られた。
高校生になってから「理科」が得意・好きな理由については、学校の教師、予備校の講師、スタディサプリの講師など、様々な授業をきっかけに好きになる傾向が見られたほか、数学同様に「解ける」楽しみも一定数あるものの、学ぶこと自体の面白さが好みに繋がっていることも分かった。
「進学予定の(実際に進学した)学部・学問の系統を決めた理由」を聞いたところ、理系の学部・学問系統の結果に着目すると、工学・理工学系、理学(物理・数学・化学等)系、農・生命・環境系は「学びたいこと・興味・関心」が最多。医学系、看護系、薬学系は「夢や目標・就きたい職業」が最多という結果が得られた。
理系の学部・学問系統への進学理由については、工学・理工学系、農・生命・環境系で、「興味」というワードが頻出しており、そのきっかけはバラエティ豊かだった。
また、理学(物理・数学・化学等)系は「数学」、農・生命・環境系は「生物」というワードが頻出しており、医学系、看護系、薬学系、医療技術・リハビリ系では回答内に職業名とそのきっかけが多く含まれていた。
この調査は、学習管理アプリ「Studyplus」の全国のユーザー(高校生・浪人生・大学1~2年生)を対象に、11月10日〜13日にかけて、オンラインで実施。有効回答数は5150人(文系2391人、理系2644人、その他115人)。回答者の学年は、高1生1278人、高2生1433人、高3生1887人、浪人生213人、大1生252人、大2生87人。
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