2025年1月16日
受験の新しい選択肢、学習に取り組む力を問う「すらら入試」で入学者数増を実現 /水戸女子高等学校
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少子化に伴い学校の入学者数の減少傾向が全国的にみられる。入学希望者を増やし入学者を確保する戦略は、近年の学校運営の課題の一つと言える。そうした中、水戸女子高等学校では、デジタル教材「すらら」を活用した入試を2023年度に導入した。新たな挑戦で学校改革を実行した同校の取り組みを紹介する。
日常的に「すらら」を活用
水戸女子高等学校では2020年度から「すらら」の本格運用を開始している。導入時から全学年が数学で「すらら」を活用。授業で学習した内容を課題配信したり、「すらら」で予習した後に授業に臨んでもらう反転学習をしたりと、同校のコースのレベルに合わせてさまざまに運用している。他教科においても随時使用しており、日頃から同校の教育に「すらら」活用は欠かせない。
入試にも「すらら」を活用できないか
水戸女子高等学校のICT教育研究委員会委員長であり、入試広報部では生徒募集などにも携わる西内豊人教諭(公民科・1年生副担任 )は、同校の生徒の学力レベルに「すらら」はとても合っていると話す。
入試の動向については、「本校の場合、受験者数は多少減ってきてはいたものの単願者の割合が多く、それもあってしばらく入学者数はある程度維持できていました。しかし、その単願者の数が減ってきて、本校とすれば死活問題になってくるところであり課題でした」と話す。
以前、「すらら」導入時に参加したことのあるセミナーで、「すらら」を活用した入試を行っている他校の事例を知り印象に残っていたという。また、当時、入試の問題作成に携わっていた西内教諭は、教員にかかるその負担も感じていた。入学すれば生徒は「すらら」を使うことになる。そうであれば同校も入試で「すらら」を上手く活用できるのではないか?
当初は、可能であれば一般入試全体で「すらら」を活用できないかと思いを巡らせたというが、ネットワーク環境面などの懸念もあり、全体ではなくても何か一つの方法論として「すらら」を入試に取り入れてみようと方向転換し、原案を作り始めていったという。
紆余曲折を経て「すらら入試」誕生
2021年夏頃から半年ほどかけて、すららネット担当者と定期的にオンラインミーティングを重ねながら、受験者層のイメージが近かった前述の他校の実践例をベースに、同校の現状やあり方などを踏まえながら「すらら入試」の原案作りを進めた。単願者を対象に、国語・数学・英語の3教科で行う案としたが、時期尚早として一度頓挫してしまう。
それから1年が経過。その頃には同校でも入学希望者の顕著な減少がみられるようになっていた。危機感がつのる中、「すらら」導入時に西内教諭とセミナーに同行していた若手教諭が、2023年5月の会議で「すらら入試」を取り上げたところ、「とりあえずやってみよう」と採用が決定。同年6月に「すらら入試」を公表する運びとなった。
急展開でのスタート。当時、概要を理解していたのは西内教諭と一部の教員のみであり、周囲の教員には「すらら入試とは何か?」から説明を始めたという。
学習に取り組む力を問う「すらら入試」
水戸女子高の「すらら入試」は、「課題パート」と「試験」の2段階で構成されている。
基本となるのが「課題パート」。入試日の「試験」以前に、国語・数学・英語で各10時間・計30時間の課題を「すらら」で設定。受験者には、これを6分割し、3教科で5時間程度のブロックとして配信する。課題にあるドリルの正誤結果は関係なく、あくまでも当該課題に取り組んでいることが重要であり、後の「試験」のカギとなる。「課題パート」は指定された日にちまでに終わらせることが必須で、完了できなければ合格することはできない。
その後、一般入試日に「試験」を実施。「すらら」を活用し、「すらら」上の「テスト機能」で出題が行われる。通常の一般入試であれば、中学校で学習した全範囲に備える必要があるが、同校の「すらら入試」での「試験」は、前述の30時間分の「課題パート」から問題がピックアップされ出題される。
類似問題や学習したそのままが出題されることもあり得る。つまり、「課題パート」にしっかりと取り組んでさえいれば解答はほぼ可能。試験時間は3教科合わせて50分間の1回のみ。一般入試と比較すると、試験範囲が絞られ、時間も大幅に縮小された内容に設計されている。
受験生・保護者、中学校にも丁寧に説明
6月に「すらら入試」が決定したため、受験生や保護者への説明も急ピッチとなった。7月末〜8月上旬にかけての学校見学会で「すらら入試」のブースを用意し、訪れた親子に説明した。西内教諭は当初それほど多くの関心は集まらないかと想像したというが、「これならば取り組めそう」と興味を持った親子は多く、予想以上に良い感触を得たという。
地域周辺の中学校への説明も行った。「すらら」を導入している学校も一部あったが、「すらら」そのものを一から説明しなければならない学校も多く、理解してもらうまでに時間がかかった。10校以上、何回も丁寧な説明を重ねていったと西内教諭は振り返る。
想定外の反響、入学者数が増加
長年、同校で教鞭を執る西内教諭は、真面目でコツコツ取り組み、基礎をしっかり学べば理解力がある生徒が多いと話す。「地道な生徒が本校の水に合っているように思います。学校の勉強スタイルや雰囲気は説明会だけではわかりづらさもあると思いますが、『すらら入試』を導入部分として、入学後の見通しがつけやすくなり、退学者の減少も図れるのではないかと考えました」。また、「女子生徒の爆発力には目を見張るものがある」とも話す。理解できる喜び、勉強の楽しさが学力に繋がる。その向上心を引き出すきっかけを提供していきたいという。
初年度(2024年度入学)の「すらら入試」受験者は数名程度かと期待があまり持てなかったというが、結果は21名のエントリー。想定外の反響だったという。その後、うち8名が学校推薦を受けたことで推薦入試に変更したが、実質21名全員が入学まで辿り着いた。
2025年度も受験者は同程度のエントリーがあり、その大多数が「すらら入試」での受験を希望しているという。興味深いことに、「水戸女子高の〇〇コースに入りたい」と本人の強い希望から、合格を確実に狙える「すらら入試」をあえて選択する受験生も現れてきた。これもまた想定外。「こういう考え方もあるのだなと勉強になりました」と西内教諭は話す。中学校からも、同校に合っている入試だと評価を得られ、好意的に受け止めてもらえるようになってきたという。
受験の新しい選択肢に
「すらら入試」は決して入試のためだけに導入したものではないと西内教諭は強調する。この入試を「『点』ではなく『線』にしたかった」と語る。「課題パート」は、同校に入学後スムーズに「すらら」活用をして学んでいけるためのいわば導線。受験生たちにこの効果をいかに届けられるか、そこを苦慮しながら作り上げたものが同校の「すらら入試」であり、根底には西内教諭の生徒への思いが込められている。
新たな入試で大きな一歩を踏み出した同校。西内教諭は同校ならではの「すらら入試」のメリットはもちろん、学校そのものの魅力をより伝えられるよう今後もブラッシュアップしたいと抱負を語る。受験の新しい選択肢、入試の新定番として「すらら入試」に注目が集まりそうだ。
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