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2025年4月21日
加速キッチン、中高生を対象とした素粒子探究活動の普及啓発で科学技術賞を受賞
加速キッチンは17日、「中高生を対象とした素粒子探究活動の普及啓発」に関する取り組みが認められ、代表の田中香津生氏が令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞(理解増進部門)」を受賞したことを発表した。
福島原発事故の後、放射線・素粒子計測への関心は高まっているが、中高生が素粒子計測を行う機会はほとんどない。その背景として、中高生が自由に活用できる素粒子検出器が不足していることや、検出器があっても中高生による素粒子探究に必要なノウハウや知見が十分に共有されていないことが挙げられる。
同活動では、「加速キッチン」のコミュニティを立ち上げ、組み立て可能な検出器を、海外10カ国以上を含む国内外の中高生に累計300台以上配付。さらに、Discordによる放射線探究オンラインネットワークを構築した。この中で中高生は大学生メンターの探究サポートを受けつつ、自宅にいながら独創的な素粒子計測に取り組むことができる。
例えば、富士山に登頂しての宇宙線観測、気温と宇宙線の関係に関する調査などが中高生によって行われた。また、このコミュニティの中で海外の中高生との共同測定も多く生まれた。女子学院高等学校・N高等学校のグループはアメリカの高校生グループと共同して、2024年5月に生じた太陽フレア減少による宇宙線の変動を捉えた。
さらに、組み立て可能な検出器を活かして、自作の検出器開発も多く行われている。豊島岡女子学園の高校生はアクリルブロックを組み合わせることで手乗りサイズのチェレンコフ検出器を製作するなどした。
加速キッチンではこれまで中高生にとって本の中の世界だった素粒子を誰でも「探究できる世界」にすることを目指している。さらに多くの中高生にこのような機会を広げるため、様々な研究機関と連携した幅広い探究機会をつくれるようこれからも活動を行っていくという。
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