2025年7月8日
小学生の半数が「大人になったら選挙に行くと思う」と回答=ベネッセ調べ=
ベネッセは7日、今月20日に投開票が行われる参院選を前に、同社の通信教育講座「進研ゼミ 小学講座」が、全国の小3~6男女6560人を対象に実施した「選挙に関する意識調査」の結果をまとめ発表した。

それによると、「7月に選挙があることを知っているか?」と聞いたところ、「知っている」と答えた小学生は51.2%だった。一方で、約4割(39.8%)が「知らない」と回答し、「分からない」9%と合わせるとほぼ半数に。小学生にとって、選挙はまだあまり話題にならないものであることが伺える。

だが、「18歳になったら選挙に行くか?」と尋ねたところ、「行くと思う」27.8%、「たぶん行くと思う」23.8%と前向きな回答が5割を超えた。「分からない」「考えていない」という声も28.5%と多い一方で、多くの子どもたちが「選挙に行くこと」に前向きな気持ちを持っていることが分かった。

また、「おうちの人と選挙の話をしたことがあるか?」との質問には、「よく話をする」6.9%、「たまに話をする」26.2%にとどまり、「話をしない」「ほとんど話をしない」が合わせて63.2%になった。家庭で政治や選挙について話す機会が限られている現状が明らかになった。

「もし自分が総理大臣になったら?」と尋ねたところ、「戦争をなくす」「平和な世界にしたい」など、戦争や平和実現に関連する自由回答が約4割で最も多かった。次いで、「物価を下げる」「教育を無償に」など、生活や経済を良くしたいという声も多く寄せられた。
なかには、「学校の先生をAIにしてほしい」「推しのグッズを無料配付」など、自由な発想やデジタル社会を反映した声も目立った。「同性結婚を可能にしたい」など多様性を反映した意見も見られ、社会課題に対して具体的な考えをもつ子どもたちの姿も伺えた。

また、「総理大臣に求める人物像」について聞いたところ、「優しい人」「嘘をつかない人」「みんなのことを考えてくれる人」という自由回答が上位を占め、子どもたちは「頼れる人格」に重きを置いていることが分かった。

一方、「総理大臣になってほしい人」を聞いたところ、「ドラえもん」が堂々の1位で、そのほかにも名探偵コナンや鬼滅の刃の「炭治郎」や「アンパンマン」など、やさしさと正義感をもったキャラクターが多数登場した。Snow ManやMrs. GREEN APPLEなど「推し」の名前もランクインしており、子どもたちがリーダーに求める資質として身近さや信頼感を重視していることが伺える。

また、「自分で法律をつくれるとしたら?」との質問には、「いじめをなくす」「ゴミ拾いの義務化」「戦争禁止」など、具体的な社会課題に向き合う自由回答が多く寄せられた。一方で、「毎日パフェOK」「授業は全部ゲームで」など、ユニークな案も。法律の意義や影響について慎重に考える意見もあり、子どもたちの多様な視点が表れている。

最後に、「日本の社会課題の中で、1つだけよくできるとしたら?」と聞いたところ、最も関心が高かったのは「地球温暖化や環境の問題」で、次いで「戦争の不安」、「いじめ」など、子どもたち自身が感じる不安や違和感に関わるものが挙げられた。「貧困」や「少子化」などの社会構造に関心を寄せる声もあり、社会課題を自分の生活に引き寄せて捉える姿が見られた。
この調査は、全国の小学3~6年生の男女で、「進研ゼミ 小学講座」の利用者を対象に、6月27~29日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は6560人(女子4324人、男子1677人、性別無回答・その他559人)。
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