2025年10月21日
「読書をしない」子どもは10年前と比べて1.5倍に増加=ベネッセ教育総合研究所調べ=
ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク・ベネッセ教育総合研究所は20日、東京大学と共同で実施している「子どもの生活と学びに関する親子調査」を中心とした調査結果から、子どもたちの読書行動の実態やスマホの利用との関係、語彙力・読解力との関係に関連するデータをまとめて公表した。

それによると、1日の中で読書を「しない」(0分)という回答が52.7%(2024年)と半数を超え、10年前の2015年と比べて読書を「しない」層が1.5倍に増加した。

いずれの学校段階でも読書時間は減少傾向にあり、特に小4生以上で減り幅が大きく、1日あたりの読書時間は2015年から24年にかけて小4~6生は6.3分、中学生は5.9分、高校生は4.9分減少した。

いずれの学校段階でもスマホ時間は増加しており、2015年から24年にかけて1日あたりのスマホ使用時間は小4~6生で22.4分、中学生で51.9分、高校生で42.5分増加した。

小4~6生と中学生では、スマホ時間が長い子どもほど読書時間が短い傾向が見られる。

また、2022年に小4だった子どもを小6まで追跡してスマホ時間が読書時間に与える影響をみたところ、小4のスマホ時間が長いと小6の読書時間が短くなることが分かった。


小3、小6、中3生は読書時間が長い子どもほど、語彙力の得点が高い傾向が見られた。また、中3生、高3生ともに、読書時間「5~15分」「30分」の層の子どもの読解力の得点が高かった。

保護者の影響については、読書を「しない」(0分)比率は「自分の能力を高めるための勉強をすることがある」と答えた保護者の子どもでは48.9%だったのに対して、「ない」と答えた保護者の子どもでは56.0%だった。

また、読書を「しない」(0分)比率は、家庭教育の中で「本や新聞を読むこと」の大切さを「伝えている」と答えた保護者の子どもでは44.0%だったのに対して、「伝えていない」と答えた保護者の子どもでは67.9%だった。
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