2025年11月13日
テストの点数は「開始5分」で決まる!?~成績上位の生徒ほど序盤の解答速度が速い~=スプリックス教育財団調べ=
スプリックス教育財団は12日、日本の公立中学校に通う中学2年生約100人を対象に実施した、「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子ども国際調査2025」の結果をまとめ発表した。
同調査は、基礎学力に対する意識の現状を把握するのが目的で、第4回目の今回は、CBT形式の計算テスト「TOFAS」のデータ分析の結果をまとめた。解答時間40分・問題数60問(うち最初の20問が中1で学習する内容、残り40問は今年度1学期に習った内容)のTOFASのデータを分析した。

それによると、テスト開始直後の解答速度とテストの正答率の関係について調べたところ、成績上位の生徒ほど序盤の解答速度が速いという正の相関(相関係数:R=0.764)が見て取れたが、開始5分での解答数の多さにも関わらず極端に正答率が低いデータもあった。
そこで、速さに加えて正確さも考慮したテスト開始直後5分間での正答数とテスト全体の正答率の関係を分析したところ、相関係数がR=0.837と非常に高く、テスト開始直後に速いだけでなく、「速さ」と「正確さ」を両立させている生徒ほど、テスト全体の正答率も高くなるという、より強固な関係性が確認できた。
テストの「1~20問目」は、中1の履修範囲で、受験者にとっては前学年の復習範囲。そのような前学年の復習範囲を速く正確に解く能力が、テスト全体の高い正答率の重要な土台であることを示している。

算数・数学のテストや計算テストにおいて、主観的な「自信」がテストの点数と相関があることは知られているが、では、この主観的な「自信」と、客観的なテスト序盤の「解答速度」や「正答速度」では、どちらがテストの正答率とより強く相関しているのか? これを比較検討するため、計算への自信と、テスト全体の正答率および単元別の正答率の関係を調べた。
テスト全体の平均正答率を見ると、「自信がある方が、成績が良い」という正の相関が見られた。しかし、全体の相関係数は0.384と中程度の強さで、「序盤の正答速度」との相関(R=0.837)に比べると弱かった。
単元別に見ても、相関係数は「中1復習」で0.318、「多項式」で0.326、「連立方程式」で0.368と、いずれも「序盤の正答速度」との相関には及ばない。そのため、自信そのものの成績への寄与は相対的に小さく、むしろ「テストの正答率」や「解答速度」などの客観的な計算力指標が高いほど、生徒の主観的な自信も高まりやすい、と考えられる。

最後に、テストの成績層別に、テスト中の解答パターンにどのような違いが現れるかを調べた。全受験者をテスト全体の正答率に基づき、成績上位から順にA、B、C、Dの4つの成績層に等分したところ、「成績層A」がテスト開始直後から他の層を引き離し、終始最も速いペースで解答し続けていることが分かった。
それ以外の成績層は、全体のペースが遅く、また、「成績層B・C」はテスト終盤に、解答速度を上げている様子が分かった。時間が足りずに、慌てて選択肢を選んでいることが推測される。
では、解答ペースの違いは、単元ごとでどう変化するのか?「成績層A」は、序盤の解答速度が最も速く、中盤から終盤にかけては着実にペースを落としていたが、これは簡単な問題で時間を確保し、難しい問題に時間をかける効率的なペース配分ができていることを示している。
「成績層B・C」は、A層に比べると序盤の解答速度は劣るが、同様に中盤でペースが落ちる。しかし、終盤になると解答速度が再び上昇する傾向が見られ、特に「C層」で顕著。これは終盤に差し掛かり、時間が足りず慌てて問題を解いていることを示している。
また、「成績層D」は序盤から解答速度が比較的高く、終盤にかけてさらに上昇する。これは、テスト開始初期から既に問題に深く取り組むことをやめ、終盤には完全に思考を放棄してランダムに解答している可能性が高いことを示唆している。
このように、成績上位のグループは序盤で速度を上げ、中盤以降はペースを落として慎重になる「ペース配分戦略」を取る一方で、成績下位のグループほど終盤に解答速度が急上昇する「駆け込み解答」がみられた。
この調査は、日本の公立中学校に通う中学2年生約100人を対象に、7月(1学期期末テスト後の時期)に、調査参加校の教室で、CBT形式の計算テスト「TOFAS」を行う形で実施した。同テストは、「1~20問」が中1相当の計算、「21~40問」が単項式・多項式、「41~60問」が連立方程式に関する内容。
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