2026年1月6日
帝国データバンク、「学習塾」の倒産が2025年は過去最多46件
帝国データバンクは4日、「学習塾」の倒産発生状況について実施した調査・分析を発表した。

それによると、「学習塾」の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、2025年に46件発生し(速報値)、前年の40件を上回って過去最多を更新した。
倒産した学習塾のうち、約9割が資本金1000万円未満の小規模経営だった一方、地域で一定のシェアを持っていた中堅塾の倒産もみられた。少子化によるパイの縮小に加え、講師人材の確保難、物価高騰に伴う「教育費の選別」といった急激な環境変化に直面し、旧来型のビジネスモデルを維持してきた中小塾の退場が相次いだ。
2025年の学習塾経営は、特に中小塾ほど物価高と授業料の値上げ難に苦しんだ。最低賃金の大幅な引き上げに加え、効率性を重視する「タイパ」志向の大学生が、予習や授業外業務負担の大きい塾講師を敬遠する動きが目立ち、講師を確保するための求人費や人件費が高騰した。
さらに、都市部ではテナント料の上昇、全国的な電気代高騰が固定費を押し上げ、収益を圧迫した。生徒募集の面でも、従来の折込チラシによる募集から、SNS運用やリスティング広告などデジタル化への移行が必須となり、生徒1人を獲得するための費用も「数年前の2倍まで跳ね上がった」という声も聞かれ、「看板を掲げれば生徒が集まる」ビジネスモデルが通用しづらくなっている。

こうしたなか、中学・高校受験を中心としたアッパー層をターゲットにする大手塾は、強固なブランド力を背景に、高額な季節講習やオプション講座の追加、さらにはAI教材のシステム利用料やアプリ手数料などでコスト増を吸収し、大幅な増益となった企業もみられた。
他方、地域密着型の補習塾や中堅の個別指導塾は、物価高に苦しむ一般家庭の「習い事の選別」の対象となって生徒数が減少し、授業料の値上げも難しく、売上高は維持できても利益が出ない「赤字の常態化」に直面している。2024年度の業績を見ると、売上50億円以上の大手塾では減益を含め9割超が黒字を確保した一方、売上5億円未満の中小塾では約4割が赤字となるなど、利益面の二極化が進んだ。
足元では、生徒のメンタルケアやモチベーション管理といった、システム化された大手では対応しきれない「超・個別最適化」を武器に生き残りを図る小規模塾も散見される。
ただ、膨大な入試データとICT投資で攻勢を強める大手塾が、安価な「AI自立学習コース」を新設して中堅校を狙う層や補習層の取り込みを図っており、「難関校は大手、補習は地元」という従来の棲み分けが崩壊しつつある。適性検査をはじめ学科試験以外の入試も広がり、「学力向上」だけでは生き残ることが極めて難しい状態で、独自の付加価値を見出せない塾の淘汰が2026年にかけてさらに加速すると予想される。
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