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2023年12月21日

シャープ、東北大学と共同で自動搬送ロボットの多台数同時制御に関する研究を開始

シャープは19日、東北大学と共同で、量子アニーリングを応用した自動搬送ロボットの多台数同時制御に関する研究を開始したことを発表した。

物流倉庫における千台規模の自動搬送ロボットの最適経路を瞬時に計算可能な高速計算機の開発に取り組むのが目標。

物流業界では、ECの拡大や「2024年問題」による人手不足などの課題があり、多台数の自動搬送ロボットを活用した省人化・効率化へのニーズが急速に高まっている。そこで両者は、物流倉庫における大幅な生産性向上を目指す技術の共同開発に合意した。

量子アニーリングは膨大な組み合わせパターンから最適解を高速で導き出す技術。同研究・開発では、この技術を応用し、千台規模の自動搬送ロボットの最適経路を瞬時に計算する高速計算機の開発を目指す。具体的には、シミュレーテッド量子アニーリング(SQA)技術を用いて、汎用コンピュータによる通常の処理と比べて数百から数千倍の速度での計算を可能にする。

この計算機を使用すれば、取り扱う商品が多量・多品種化し、倉庫内のロボットオペレーションが複雑化する中、大規模倉庫における自動搬送ロボットの多台数同時制御が可能となる。さらに、ピッキングの順序や商品配置、倉庫全体のレイアウト設計などにも応用することで、倉庫運営効率の大幅な向上に貢献するのが狙い。

2024年度中に試作機を用いた実証実験を行い、2025年度中の実用化を目指す。

シャープは、自動搬送ロボットを20年以上開発。集中制御システム「AOS(AGV Operating System)」により、最大500台までの自動搬送ロボットの同時制御を実現している。東北大学は量子コンピュータ分野における有数の研究・教育機関。

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