2024年3月1日
ベネッセ×東大、「子どもの生活と学びに関する親子調査2023」の結果を速報
ベネッセは2月29日、子どもの「幸せ実感」にかかわる要因を多角的に分析する、東京大学との共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査2015~2023」(第1~9回)の結果速報を公表した。
同社の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」と同大社会科学研究所は、2014年に「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクトを立ち上げ、同一の親子(小1~高3生の約2万組)を対象に、2015年以降9年間繰り返して複数の調査を実施して、12学年の親子の意識・行動の変化を明らかにしてきた。
今回の分析では、子どもの「幸せ実感」に関連する要因を多角的に検討。それによると、今と将来の幸せについては、「まあそう思う」が5割と多数を占め、「とてもそう思う」は3割だった。一方で、「あまり+まったくそう思わない」と回答した子どもも約2割いた。
また、居住する自治体の人口規模と子どもの「幸せ実感」との間には関連がみられなかったが、家庭の経済状況(世帯収入)との関連をみたところ、高収入世帯の子どもの方が「幸せ高群」が多い傾向があった。だが、その差は小さく、重回帰分析の結果では世帯収入の効果はみられなかった。
同様に、保護者の教育年数(学歴)も子どもの「幸せ実感」とは関連がなかった。教育的な働きかけが多い保護者は収入や学歴が高い傾向があり差が現れるが、それ自体は子どもの「幸せ実感」に直接の関連はないようだ。
「幸せ高群」の保護者の子どもは、5割が「幸せ高群」で、保護者が「幸せ低群」だと、「幸せ高群」の子どもは2割にとどまることが分かった。
同じ親子を3年おきに6年間追跡して分析すると、保護者の幸せ実感が3年後の子どもの「幸せ実感」に影響するだけでなく、子どもの「幸せ実感」が3年後の保護者の幸せ実感にも影響していた。保護者が幸せだと子どもは幸せを感じ、子どもが幸せだと保護者も幸せに感じるようになる。
また、「勉強の面白さを教えてくれる」を肯定する子ども(肯定群)は「幸せ高群」が41.3%であるのに対して、否定する子ども(否定群)は31.7%と約10ポイント低い結果になった。同様に、寄り添うような働きかけを受けている子どもは、受けていない子どもに比べて幸せ実感が高い傾向がみられた。
一方、「授業が楽しい」を肯定する子ども(肯定群)は「幸せ高群」が43.2%であるのに対して、否定する子ども(否定群)は20.4%と20ポイント以上の差があった。同様に、「尊敬できる先生がいる」「自分の学校が好きだ」を肯定する子どもは、否定する子どもに比べて幸せ実感が高いことが分かった。
「友だちと一緒にいるのが楽しい」を肯定する子ども(肯定群)は「幸せ高群」が37.1%であるのに対して、否定する子ども(否定群)は17.4%と20ポイント近い差があった。一方で、「友だちとの関係に疲れる」を肯定する子どもは、「幸せ高群」の出現率が低い結果になっている。
「勉強が好き」を肯定する子ども(肯定群)も「幸せ高群」が47.4%であるのに対して、否定する子ども(否定群)は27.4%と20ポイントの開きがあった。一方で、「勉強しようという気持ちがわかない」といったネガティブな意識をもつ子どもは、「幸せ高群」の出現率が低いことが分かった。
「自分に自信がある」を肯定する子ども(肯定群)は「幸せ高群」が50.6%だが、否定する子ども(否定群)は21.4%と約29ポイントの開きがあった。同様に、粘りづよさ、挑戦心などに関する質問でも、肯定群の子どもの方が幸せ実感が高い傾向がみられた。
この調査は、全国の小学1年~高校3年生の子どもとその保護者(小1~3生は保護者のみ回答)約2万組を対象に、2015年は郵送調査とWEB調査の併用で、2016~20年は郵送調査、2021年は郵送調査とWEB調査の併用、2022~23年はWEB調査で実施した。調査時期は 各年7~9月。
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