2025年11月14日
大学入試、主流だった「一般選抜」が年々減少し、学力だけではない「総合型選抜」が4年間で1.57倍に急増 =じゅけラボ予備校調べ=
エンライクが運営する「じゅけラボ予備校」は13日、現在大学生の子どもを持つ保護者1332人を対象に実施した、「大学入試方式に関するアンケート調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、大学生の子どもが受験したことがある全ての入試方式を尋ねたところ、全体の60.4%が「一般選抜」と回答し、依然として最も多くの受験生が経験する入試方式であることが分かった。
しかし、その一方で、約4割(39.6%)の保護者は「一般選抜を受験していない」(推薦・総合型選抜のみ、その他の試験、分からない、のいずれか)と回答しており、一般選抜を経ずに大学進学を決めるケースが相当数存在することも判明。「大学受験といえば一般入試」という保護者世代の常識は、もはや絶対的なものではなくなっているようだ。
また、今回の調査で最も注目すべきは、学年別の入試方式の傾向。大学4年生以上の子どもを持つ保護者の回答では64.3%だった「一般選抜」の受験率が、大学1年生の保護者では57.3%と、7%も減少していることが判明した。
この背景には、大学入試改革による評価軸の多様化や、早期に進路を確定させたいという受験生・保護者の安定志向の高まりなどが影響していると推察され、学力試験一辺倒ではない、多様な受験機会を模索する家庭が増えていることの表れと言える。
一般選抜が減少する一方で、対照的に著しい伸びを見せたのが「総合型選抜」(旧AO入試)だ。大学4年生以上では8.9%だった受験率が、大学1年生(2025年度入試入学者)では14.0%にまで上昇しており、わずか4年間で1.57倍に急増した計算になる。
この背景には、高校における「探究学習」の必修化で、生徒が自身の興味や関心を深掘りし、それを大学入試でアピールする機会が増えたことが考えられる。また、学力だけでは測れない個性や主体性、行動力を持った学生を確保したいという大学側のニーズとも合致しており、今後さらにこの傾向は加速していくと予想される。
また、今回の保護者調査では、一般選抜以外の入試方式で受験したという回答が34.8%にのぼり、大学入試の選択肢が多様化している実態が明らかになった。この傾向は、国全体の動きとも一致しており、文科省が発表した「令和6年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況」によると、総合型選抜と学校推薦型選抜を合わせた入学者の割合は51.1%に達し、一般選抜以外の入学者が過半数を超えている。
もはや大学入試は、学力試験だけではない「複線的な時代」に突入したと言え、保護者にとって、従来の情報収集だけでは不十分で、子どもの個性や特性に合わせた最適な戦略を立てるため、より早期からの情報収集と準備が不可欠だ。
この調査は、現在、大学生の子どもを持つ全国の保護者を対象に、8月8日~9月20日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は1332人。
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