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2017年8月3日

~先生に読んでほしい~中学高校でプログラミング教育が必要な理由

日本人はとかく理系・文系だとか分けたがる。「プログラミング」なんて聞くと、もう「それって、理科系の人のスキルだよね」などと決めつける。昭和に生まれ育ち、学んできた人の多くが陥るステレオタイプだ。21世紀の現在、「プログラミング」はすべての子どもたちが身につけるべき必須スキルになるんですよ。

20世紀の学校では教えてもらえなかったこと

20世紀の中頃、戦後生まれの我々の世代にとって最大のメディアといえばテレビだった。毎日毎日何時間もテレビを観て情報を得たり、笑ったり、泣いたり、学んだりした。家族が集まる居間の中心にテレビがあり、家族揃ってテレビを観ていた。テレビが家族同然というよりは、「おテレビ様」状態だった。

Photo by pixta

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それほど重要かつ万能なテレビについて、学校で何か教えてもらったことはあるだろうか。NHKの教育番組を観て感想を話し合う、という授業はあったが、どう思いだしてみても理科の時間に「テレビが映るまで」とか、社会や道徳で「テレビを観る心構え」などという授業は無かったように思う。テレビについて何も教えてもらわなかったのだ。それはなぜか、必要が無かったからである。

20世紀の教育で求めていたのは、テレビを作る工場で真面目に組立作業をする労働者やテレビを買ったり、テレビCMを観て商品を購入する消費者だったから。誰もが皆、テレビの仕組みや放送モラルを知る必要がなかったのだ。私はかつて、テレビ局関連の技術・制作会社で20年間ほど社員研修を担当していたが、テレビカメラ~ビデオ収録機~放送局設備~放送用電波~受信アンテナ~テレビ受像機というテレビ放送の流れがどういう仕組みになっているのか、説明出来るのは何百人もいる社員の中でたった一人だけだった。テレビ放送に係わるほとんどの人がそんなこと知らなくても困らないのだ。

インターネットでは次々に犯罪者が生まれている

さて、現代社会でメディアの中心と言ったら、それは「インターネット」。デバイスは、テレビではなくスマートフォンやタブレット、PC。いわゆるデジタルのICT機器である。コンテンツはWebサイト、ゲームやアプリ、動画やSNSなど盛りだくさん。学習に使えるのは勿論だが、娯楽や教養、犯罪にまで利用されてしまう。それこそ万能のメディアである。

テレビとインターネットの最大の違いは、誰でも手軽に自由に情報発信ができることだ。テレビは、国から免許をもらった会社(テレビ局)が技術やモラルの教育を受けた間違いを起こさない人々を使って制作・放送する。極々限られた人たちの情報発信メディアだ。一方インターネットは、ネットに繋がる環境さえあれば世界中の何処からでも誰でも情報を発信することができる。

インターネット初期には、掲示板やチャットなどのコミュニティサイトで「荒し」や「炎上」が繰り返されたものだが、マニアが集まる限られた場所での内輪もめ程度の微笑ましいものでもあった。しかし今や、LINEやTwitter、Facebookは億単位のユーザーが登録されていて、気軽にアップしたメッセージや写真・動画がいわゆる「拡散」によってとんでもない速さで拡がり、それをまたテレビが取り上げるということで火に油を注ぎ「大炎上」となってしまうこともある。

Photo by pixta

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さらに個人に対する誹謗中傷や個人情報の暴露、ネット詐欺などの犯罪行為、不道徳な写真をネットにアップして業務妨害や脅迫罪に問われるという「バカかお前は」と言いたくなるような呆れる行為まで、ネットではとんでもないことが次々に起きている。

20世紀の教育では、テレビの仕組みやモラルを学ぶ必要がなかったけれど、21世紀の教育ではインターネットやデジタルデバイスのことをちゃんと学ぶ必要がありませんか。ということ。

中学・技術、高校・情報の授業が変わる

昨年6月発表された、「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」の「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」では、三つの柱((1)何を理解しているか、何ができるか(知識・技能)、(2)理解していること、できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力)、(3)どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性等))で整理することに留意し、「プログラミング教育とは、子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、発達の段階に即して、資質・能力を育成するものであると考えられる」としている。

そして、【知識・技能】について下記のように示している。
(小学校)身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
(中学校)社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにすること。
(高等学校)コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決にコンピュータを活用できるようにすること。

さらに、「具体的には、中学校技術・家庭科技術分野の“情報に関する技術”において、計測・制御に関するプログラミングだけではなく、コンテンツに関するプログラミングを指導内容に盛り込むことによって、プログラミングに関する内容を倍増させること、高等学校情報科に共通必履修科目を新設し、全ての高校生がプログラミングを問題解決に活用することを学べるようにすることが検討されている。」と。今後の方向性を示している。

Photo by pixta

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「全ての高校生がプログラミングを問題解決に活用することを学べるようにする」時代がやってくるのだ。因みに現在、プログラミングを問題解決に活用することを学ぶ「情報の科学」は選択必履修科目であり、その履修率は高校生の約2割にとどまるのだという。

Photo by pixta

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プログラミング教育に関する方向性は、今年公示された「次期学習指導要領」にも反映されているので、小中学校段階でのプログラミングへの取り組みは指針に沿った方向に進むことだろう。もちろん、今後公示される高校の「次期学習指導要領」でも、具体的なプログラミング教育への指針が示されるだろう。

その時、「プログラミングって何?」「どうしてやらなきゃいけないの?」「誰がやるの?」などと言わないで欲しい。あなた方がやるんです。国や自治体のサポートは充分とは言えないだろうが、学校や一人ひとりの教師が地域と連携しながら、不可能を可能に近づけて欲しい。子どもたちの未来のために、自らも成長するのが教師の矜持なのだから。

そして、IT人材を必要としている企業には、もっともっと直接プログラミング教育を応援して欲しい。CSRや節税対策ではなく、未来の企業運営への投資として。ICT教育ニュースがサポートします。

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