2013年6月24日
青山小学校/デジタル教材を活用した公開授業と研究報告会が盛況
東京都港区立青山小学校は21日、デジタル教科書・教材を活用した公開授業と研究報告会を開催した。テーマは、「生きてはたらく活用する力を育む教育課程の創造」。
参加者は約200名で、教室と報告会場の体育館はほぼ満席の盛況となった。内訳は、企業関係者と教育関係者が7対3の割合。教育関係者の中では、教育委員会関係者と教員が半々だった。
青山小学校では、2012年度からデジタル教科書・教材協議会・実証研究校として活動。 9月からは、基本の定着を目指した個別学習支援システム「インタラクティブスタディ」も導入してきた。今回はその実証発表の場として、「実社会につながる活用力育成」に向けた取り組みを紹介するもの。
6年生(国語)の公開授業は、「町のよさを伝えるパンフレットをつくろう」という単元で、「パンフレットを見せ合い、評価・改善する」のが学習内容。
タブレットPCで編集した箱根のよさを伝えた作品を、児童が電子黒板で発表。改善点についてブレーンストーミングを行い、意見交換した。その後、グループごとに1 人1台のタブレットPCを使い、お互いの作品について改善点を伝え合い、編集したりした。
3年生(算数)では、「インタラクティブスタディ」を使ったわり算の授業が公開された。ノートPCを1人1台持ち、わり算の基本をシステムを用いて個々に学び、問題を解いていく。個々の児童の学習状況が教師のPCで把握できるので、教師は個別指導を行える。問題の意味がわからない時などは、グループ内でお互いに教え合って学習を進めていた。
研究報告会では、研究主任の髙野裕久教諭から、中教審の第2期教育振興基本計画に関連した「生きる力の確実な育成」を目指し、日常の学習の中でICTの活用に取り組んできたことが報告された。また、2012年9月から信州大学の東原義訓教授の指導で「インタラクティブスタディ」を導入しており、教師側の活用効果についても紹介。髙野教諭は「ICTのツールを活用しながら、子どもたちに学ぶことの大切さを伝えていきたい」と話した。
公開授業を見学した東原義訓教授は、授業について講評し、「児童の教え合う姿に感心した。正解のない問題に挑戦し協働して問題を解決していく、それが『21世紀に求められる力』だ。それを身に着ける道具として、デジタル教材などICTを活用していってほしい。教育には『教師の指導力』と『コンピュータ』の両方が必要だと思う」と結んだ。
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