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2013年12月18日

ベネッセ/「Ed Tech新しい学びのシンポジウム」を開催

ベネッセコーポレーション(ベネッセ)は、「Ed Tech新しい学びのシンポジウム」を16日に東京・目黒の目黒雅叙園で開催した。

Ed Tech新しい学びのシンポジウム

EdTech(エドテック)とは、“教育”と“テクノロジー”を掛けあわせた造語で、タブレット端末やクラウドなどを活用した新しい学習方法のことを示す。

グローバル教育研究室 中垣眞紀主任研究員

シンポジウムは、EdTechで学びの環境や成長の機会などが広がるなか、“未来からの留学生”である子どもの学びや成長を考えるもので、会場には新しい教育に関心を持つ企業・団体関係者らが参加した。

はじめに、デジタル戦略推進部 森安康雄部長が挨拶に立ち、専門家や異業種、スタートアップ企業とのコラボレーションの中で“新しい学び”を創っていきたい、とシンポジウムの意義を語った。

子どもたちの利用状況(ログイン率)

第1部では、ベネッセ教育総合研究所グローバル教育研究室 中垣眞紀主任研究員が、「タブレット学習の可能性の広がり」をテーマに、小6大規模実証実験(「進研ゼミ」タブレット実験版)の報告を行った。

実証実験は、タブレットでの学習+やる気付け演出・機能が、子どもたちの学習にどのような影響を与えるのかを検証する目的で行われた。やる気付け機能には、「問題に正解するとコインがもらえる」「コインはストアでアバターや壁紙に交換できる」「友達がどこまで進んでいるか学習の様子が見える“タイムライン”」「がんばっているなと思う友達を応援する“ガンバボタン”」などがあり、そうした機能のあるなしごとに、いくつかのグループに分けて検証を進めたという。

Quipperの渡辺雅之代表

子どもたちの利用状況(ログイン率)を5週間にわたり調べたところ、シンプル機能の学習グループにくらべ、ゲーム機能付きはログイン率の減少が緩やかになることが分かった。また問題解答数も、ゲーム機能付きのほうが利用のパーセンテージが高い結果となった。

これらの結果を踏まえ中垣主任研究員は、「ゲーミフィケーションとモチベーションの関係や学習効果について今後も検証を続けたい」と述べた。

また、研究パートナーであるQuipperの渡辺雅之代表が、コンテンツ制作などとともにログの収集と解析など実証実験で果たした役割などについて解説。サービス内に、多面的KPIを200設置してログをとるなどの施策を行い、デジタル教材のあるべき方向性について議論してきたという。

実証実験に参加することで学びがあったと謝意を述べるとともに、「学習者それぞれに“ピッタリ”くる教材を作ることは容易ではないが、質の高いコンテンツがまずある上に、モチベーションを持たせる装置などの工夫や、さまざまなプレイヤーが作り手として関われるプラットフォームが必要と感じた」と語った。

「ブクフレ」

第2部では、中学生事業部 小野祐輝部長が、「進研ゼミ中学講座」で、中学1年生講座の受講生を対象としたタブレット(Challenge Tablet)を提供し自宅で塾体験(ライブ授業)できる取り組みについて紹介した。

また、16日にリリースした「ブクフレ」などについて、デジタル戦略推進部デジタルビジネス開発セクション 高橋淳セクションリーダーが解説を行った。

「ブクフレ」は、無料のiPad用アプリ「ブクフレ本」で利用できる、小学校高学年から中学生を対象とした電子書籍ストア。「親子モード」を用意し、保護者が子どもに表示する本を選ぶことができるほか、子どもが購入したい本のリクエストを、保護者が確認・承認した上で書籍を購入できるなど、子どもたちが安心安全な環境で読書できる環境を整えたという。

同時に、利用者が読んだ本の感想をサイト上に記載できる、読書に関するSNSサービス「ブクフレWeb」も提供を開始した。

3部でのパネルディスカッションには、作家あさのあつこ氏と白鴎大学教育学部部長 赤堀侃司教授らとともに、ベネッセホールディングス 福島保代表取締役社長が参加。福島社長は、新しい学びの方向性のひとつとして、理科実験、英語教室、プログラミングなどのニーズが多く、そうした分野へも力を入れていきたいと語った。

ベネッセは、さまざまなプレイヤーとのコラボレーションを図る“新しい学びのシンポジウム”を、第2回、第3回と今後も続けていくという。

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