2014年12月26日
桜丘中学・高等学校/「まず使ってみよう」から始めたiPad 活用の効果
東京北区の桜丘中学・高等学校は、学校公開「桜丘ICTオープンスクール」を19日に開催した。
中学・高校の教職員や教育委員会の職員、企業担当者が多数参加し、模擬授業をはじめHRやクラブ活動での実践報告などを見学した。
同校では、iPadを中学1年生と高校1年生に今年の5月から、専任教職員には2013年5月から導入している。今回の学校公開は、iPadを使ってどのような学習や活動を行っているかという点について具体事例を様々なかたちで紹介する催しとなった。
英語の公開授業(中学)では、Jason Robins教諭がiPadを活用した“現在進行形”の授業を行った。フラッシュカード「Quizlet」や、学生と教職員とのインタラクティブなやり取りができる情報共有・学習支援ツール「CYBER CAMPUS」、電子書籍アプリケーション「ibook」などを使った授業内容で、教員からの英語の質問に対して生徒たちは次々と回答していく。
また、数学の授業(高校)の授業は、三角形の2辺の長さと1角の角度が分かっている場合にその他の長さと角度を答えるというもの。デジタル教科書に載っている設問に対して、ロイロノート・スクールを使って解を導きだしていく。
この問題は余弦定理、正弦定理、三角比などの公式を使って解くものだが、解の導き方にはいくつかのパターンがあるため、そのプロセスも重要となる。授業では、生徒1人ひとりの解き方をホワイトボードに映し出し、それぞれを比較しながら検討を進めるものとなった。
またクラブ実践では、少林寺拳法部がゴルフ用アプリ「Swing Checker」を使った技の2画面比較を、サッカー部がKeyNoteをなど使用したミーティング事例を、華道部がCYBER CAMPUSの学習コミュニティを利用した情報交換例をそれぞれに紹介。こうしたクラブ活動においても、生徒たちはiPadを“便利な道具”として自在に使っている。
さらに募集・入試支援でもiPadを活用。来校者のデータ一覧管理や入試の際の進行支援などを行い、効果を上げているという。
授業公開後に行われた全体会は、会場からの質問に対して教職員や生徒たちが、iPadを使うようになってどのような点が変わったかなど、具体的な点を答える形式で行われた。
家での勉強の仕方が変わったかという質問に対してある生徒は、CYBER CAMPUSを使った予習やibookでの復習ができるようになったことが大きな変化だと答えた。また、手書きノートアプリ「Note Anytime」や「Evernote」などを利用して、空き時間の活用ができるようになったと別の生徒が述べるなど、これまでの学習の延長にある部分で、明らかな進展があることが分かった。
本校で“すごいこと”はしていない、と品田副校長は語る。「新しいツールは、新しいことにしか使えないわけではない」という考え方で、「まず使ってみよう」というところから始めたという言葉の通り、iPad活用によって日常的な活動を少し便利に、そして効果のある使い方を進めている、という点が印象に残る実践報告となった。
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