2015年4月2日
文科省/約70%の大学が情報システムをクラウド化 「学術情報基盤実態調査」
文部科学省は、国公私立大学の図書館や、コンピュータ・ネットワーク環境の現状を明らかにした、2014年度「学術情報基盤実態調査」の結果を、3月31日発表した。
2014年度は、国公私立大学779校を対象に調査を実施。調査結果を「コンピュータ及びネットワーク編」「大学図書館編」の2つにまとめた。
「コンピュータ及びネットワーク編」によると、学内LANのある774大学のうち、通信速度1Gbps以上の回線を整備している大学は670校(86.5%)であり、そのうち10Gbps以上の回線を整備している大学は186校(24.0%)となっている。また、ネットワークを使った遠隔教育は、全大学の36.1%にあたる281大学が実施している。
セキュリティポリシーは、国立大学では全校で策定されていたが、大学全体では540校(69.3%)という策定状況になった。また、学内認証基盤を構築して、複数の学内システムの統一的な利便性・安全性を高めている大学は599大学(76.9%)だった。
情報システムをクラウド化している大学は、71.2%にあたる555校で、15.9%にあたる124大学が運用を検討している。
また、クラウド化の効果として「管理・運用等にかかるコストの軽減」を挙げる場合が最も多い(420大学)。一方、クラウド化していない理由には「セキュリティ面・信頼性への不安」が最も多く挙げられた。
そのほかに、講義のデジタルアーカイブは、24.3%にあたる189大学が整備していた。
「大学図書館編」によると、教育研究成果を無償で公開する「機関リポジトリ」を持つ大学は、373大学(全大学の47.9%)。前年度より100校以上増加。
学生の主体的な学びを促すアクティブ・ラーニング・スペースは、338大学(全大学の43.4%)が設置。3年間で約2.5倍増。
図書館資料費の総額は、約706億円。前年度比1.4%(約10億円)増加し、そのうち、電子ジャーナル経費については、約246億円。前年度比8.1%(約18億円)増となった。
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