2015年7月31日
Asuka Academy/学習ビッグデータ分析、教材アクセスやページめくりのログも活用
Asuka Academyは29日、教育現場や企業等の教育に携わる関係者を対象としたセミナー「学習ビッグデータ分析(LA:Learning Analytics)最前線-グローバルな最新情報と学習理論からの考察-」を東京・千代田区の明治大学で開催した。
学習データの国際標準化、ビッグデータによる学習解析、研究学会の状況や学習理論からみた活用意義などについての報告と考察を行う催し。
はじめに、Asuka Academy理事、日本eラーニング学会副会長、ICT CONNECT 21技術標準化WG座長等を務める上智大学田村恭久教授が、「Learning Analytics(LA)の概況と最新動向の紹介」をテーマに講演した。
LA(学習ビッグデータ分析)は、ICTを活用してビッグデータとしての学習履歴を分析・解析・活用するというもの。タブレットや電子教科書、LMSやMOOCといったかたちで教育環境でのICT利活用が進むなか、学習データの利用に注目が集まってきている。
田村教授は、LAには“Data Collection(データ収集)”、“Data Store/Filtering(保存・蓄積・選別)”、“Analytics(分析)”、“Output/Feedback(出力・フィードバック)”の4つのプロセスがあると説明する。小中高校の学習では、こうした情報を、教育方法を判断する際などのエビデンスとして活用することができるという。また、学習履歴データ自体も、時代を経るごとに細粒化し、これまではテスト回答やレポート記述、成績表や履修履歴が主だったが、2000年を境に、教材アクセスやページめくり、関連資料の閲覧、カメラ映像や音声・位置情報などの細かい情報までログがとれるようになってきている。さらにウェラブル機器の普及により、今後は心拍や血圧、発汗や視線といったバイタルデータまで学習履歴データとして利用される見込みだという。
また、ISO/IEC JTC1/SC36の中で6月に発足したLAに関するワーキンググループや、学習分析学会、e-Learning Award ForumにおけるLA Hackathonについて等、LAに関する最新動向なども紹介した。
次に、放送大学山田恒夫教授が、「ビッグデータによる学習解析研究の意義-学習理論・教材開発論の観点から」と題して、これまでの学習理論の系譜やMOOCと学習分析等について語った。
オンラインコース、大規模性、公開性という3つの特徴があるMOOCは、学習プラットフォームやコンテンツ素材の質はもちろん、学習過程に応じて最適なコンテンツを再構成することも不可欠な要素だという。学習者個々の状況に応じてどのようなコンテンツを提供すると効果的なのか、有効な分析(Analytics)を行うには、有効な測定(Metrics)が必要になると述べた。
最後に、Asuka Academy福原美三理事長が登壇。MOOCプラットフォーム「edX」の記者会見を例に挙げ、MOOCを始める理由として、すべての学習者のデータが収集・活用され、学習者がどういう学習するか、どのようにスキルを身につけるかといったデータがICTによって解析されることで、大学教育を良くすることにつながるという強いメッセージがあった、と紹介した。そういう点で日本の教育機関におけるLAの推進は、学習者はもちろん社会全体にとって望ましいことだと総括した。
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Asuka Academy
asuka-info@asuka-academy.com
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