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2017年8月9日

ソニー、ブロックチェーン技術による教育データの管理システムを開発

ソニーとソニー・グローバルエデュケーションは9日、ブロックチェーン技術(*1)を教育分野に応用した「学習到達・活動記録をオープンかつ安全に相互利用する技術」を利用して、複数の教育機関のデータを一元的に管理し、信頼性のある学習データやデジタル成績証明書等の登録・参照が可能なシステムを開発したと発表した。

新開発のシステムは、改ざんが困難な形で事実情報を登録する機能と、登録情報へのアクセスコントロール機能を有し、権限付与した第三者へ信頼性の高い情報開示を可能にするもの。

ソニー・グローバルエデュケーションは、この新しいシステムの上で、複数の教育機関がデータを活用できる新たな教育・学習サービス基盤を構築していく。このシステムは、米国 IBM 社が提供する IBM Cloud および Linux Foundation が提唱する Hyperledger プロジェクトの一つであるブロックチェーンのフレームワーク、Hyperledger Fabric 1.0 を活用する IBM Blockchain に実装され、「1.教育データの利用権限を認証・制御する機能」と、「2.それらを操作するための教育機関向けのアプリケーションプログラミングインタフェース」を兼ね備えている。

現在、ICTシステムを運用している教育機関においては、児童・生徒の学籍・出欠・成績管理や、教師の授業計画管理からなる「校務系システム」と、学習コンテンツ全体、児童・生徒の学習記録・結果などからなる「学習系システム」による管理運営がなされている。

新開発のシステムを利用することで、教職員が利用する「校務系システム」と児童・生徒が利用する「学習系システム」の提供事業者が異なる場合でも、従来から蓄積されてきたデータをそのままに、安全に統合・連携し、利便性の高いサービスを構築できるようになるという。

一方、新システムによるサービスで、利用者(教育機関・教師と、児童・生徒・保護者)は、教育機関が発行した複数の成績データや学習・行動記録をもとに、デジタル成績証明書を別の評価機関に安全に提供できるようになる。また、複数の成績データや学習・行動記録を、ある評価機関が人工知能(AI)で解析して、教育機関の授業計画・運営の改善案・プログラムを提供することなども考えられる。

なお新開発したシステムは汎用性が高く、教育分野以外にも、IoT 分野における機器制御やデータ管理、物流分野におけるバリューチェーン内の契約管理、デジタルコンテンツ分野における権利情報・配信記録管理、シェアリングエコノミー分野における所有権・利用権管理、あるいは仮想通貨分野における通貨・ポイント管理や身分証明全般など、幅広い活用が期待されている。

AI などの技術革新により、教育における学習と評価の形態が多様化していくものと展望されています。教育データの重要性はさらに高まり、個人においても、教育機関においても、教育効果を高めるための、あらゆる分析・活用方法が模索されている状況がある。

従来は、提供機関が異なるサービスの間では、データを相互に有効活用するのは困難だった。今後の来たる社会において、オープンかつ安全な形で教育データを扱える本システムの特長により、従来は実現が困難であった複数の教育サービスが連動する柔軟性の高いサービス提供が可能になると考えられる。ソニー・グローバルエデュケーションは、今後、様々な教育機関と連携しながら仕様設計を進め、2018 年のサービス展開を目指すという。

*1:ブロックチェーン技術とは、世界中に点在するノード(通信ネットワーク上に存在する端末や交換機)に同一の記録を同期させる分散型ネットワーク技術のこと。相互に信頼関係のない不特定多数の参加者間で、プログラムや情報の破壊、改ざんが困難なネットワークを作り、自由に権利や価値を移転する目的に適している。

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