2017年10月10日
松田校長の提案「英語70時間は怖くない」EnglishCentral使ってBL
東京都小金井市立前原小学校の松田孝校長は、3月に「次期学習指導要領」が公示されてからの小学校関係者の反応について嘆いていた。
「小学校の関係者は皆、英語70時間と道徳教科化に戦々恐々としていて、“情報活用能力”に見向きもしない。今回の学習指導要領改訂の肝は“アクティブ・ラーニング”と“情報活用能力”です。“情報活用能力”で言えば、“ICTの活用”そして“プログラミング”です。なのに、ほとんどの校長は感心を持っていない。このままじゃ、大変なことになるよ」と語る。
では、ここ数年「ICT活用教育」や「プログラミング」に取り組んできた松田校長の前原小学校では、「英語」対応は大丈夫なのだろうかと思っていたら、イベントの案内が来た。そのタイトルが、ブレンデッド・ラーニングの衝撃「英語70時間なんか怖くない!~英語のシャワーを浴び、英語のマシンガンを放とう~」だという。「やるなぁ松田校長」ということで、早速出かけてみることにした。
授業公開されたのは、石井康友教諭の5年2組の英語活動の授業。本時のミッションンは「授業で学んだ英語を使って、どんな人ともコミュニケーション(会話)ができる!」だ。EnglishCentral(イングリッシュ・セントラル)を使って、日常会話でよく使うセンテンスの発音を学習。その後、同級生や公開授業参加者に話しかける(活動)~リフレクションという流れ。
まずは、EnglishCentralを使ったスピーキングで発音のレッスン。
□What is your name?
□How are you today?
□Do you like ______?
□What is your favorite _______?
などを、動画のお手本を真似て発音してみる。
はじめに、石井先生が挑戦。
「What is your favorite color?」と、タブレットのEnglishCentralに向かって読み上げる。するとEnglishCentralが、そのスピーキングに対して採点を行う。結果は、「55点」。これまでの授業では、100点を獲得した児童も数名いるらしいが、高得点を獲得するのは、そう容易くはないようである。
そして、レッスンスタート。子どもたちは一斉にPC画面に向かって話し始める。30人近い子どもたちが一斉に話しはじめると、教室は喧噪に包まれた。これはまさに、「~英語のシャワーを浴び、英語のマシンガンを放とう~」である。
今回、松田校長がキーワードに掲げたのが、「ブレンデッド・ラーニングの衝撃」。
ブレンデッド・ラーニング(Blended Learning=BL)とは、ICTを活用したeラーニングと従来型の集合学習を併用する学習方法のこと。学習者個々の習熟度に合わせて進行できるeラーニングの利点と、学習意欲の維持や学習者間のコミュニケーションが活用できる集合学習の利点を取り入れたものだ。
このブレンデット・ラーニングを実現させたのが、1万4000本以上の動画で“楽しみながら身につく英語”を掲げる「EnglishCentral」だ。
EnglishCentralの松村弘典社長は他のサービスとの一番の違いについて、「英語学習サービスの多くは、“ネイティブ英語を学ぼう”とか“資格試験で高得点を取ろう”といった高い目標を掲げていると思います。EnglishCentralのゴールは“世界中の人々とコミュニケーションしよう”です。美しい英語を話そうでも、正しい英語を学ぼうでもありません。世界の共通言語である英語で、世界中何処へ行ってもコミュニケーションできるサバイバル能力を身につけてもらえることを目指しています」と、目指すゴールが違うと語る。
たしかに世界中で話されている英語だが、ネイティブ(母国語)として英語を話すのは一部だろう。多くの人々は第二言語として使っている。英語という外国語を第一言語のレベルまで正確にマスターすることではなく、第二言語としての英語学習、それを目指すのがEnglishCentralということだろう。
これまでの日本の英語学習について松村社長は「読み・書き・文法中心の日本の英語教育では、決定的に“スピーキング”が不足しています。その原因は、スピーキング指導の難しさにあります。どうするか。それはテクノロジーの利用、ICTの活用です。英語が話せない先生でも、子どもたちに英語を聞かせ、話させることができます。英語学習の可能性が飛躍的に拡大します」と、eラーニング活用によるブレンデット・ラーニングの有効性を語る。
EnglishCentralの学びの仕組みは、「見る」「学ぶ」「話す」の3段階。「見る」では、様々な分野やシチュエーションの動画から選んで学習することが出来る。興味のある動画を選び、何度も繰り返し見ることで海外使われている英語を体験できる。
「学ぶ」では、動画に出てきた単語を、穴埋めクイズ形式で学習できる。ゲーム感覚でできるので子どもたちも楽しみながら学ぶことが出来る。そして、ここで学んだ結果は「学習記録」として保存され、その記録から学習者個々の単語学習状況に応じてクイズを出題する「復習機能」も備えている。
「話す」では、動画の登場人物になったつもりで英語の台詞を復唱する。それをAI的な音声認識システムが判定し、リアルタイムに採点して聞き取りにくかった箇所や苦手な発音を繰り返しフィードバックしてくれる。人間相手だと恥ずかしがってしますものだが、相手がタブレットだから子どもたちも何度でも失敗しまたチャレンジができる。
また、「話す」で蓄積されたデータから、苦手な発音を「赤・黄・緑」で色分けして表示してくれるので、改善の結果も見られるし、気をつけて話すことも出来る。
EnglishCentralは、「見る」「学ぶ」「話す」のオンライン学習の他に、「GoLive!」というマンツーマン英会話レッスンも用意されていて、生のコミュニケーションを経験することも出来る。
EnglishCentralは、2009年に一般向けユーザーを対象にリリースされたサービスだが、学校教育でも導入が進んでいる。大学では既に200校、数万人以上が利用しており、2016年には桐原書店をパートナーに、高校の副教材開発を手掛けている。また、2018年4月からは、「Classiプラットフォーム」に参画。「Classi」導入校の77万人の有料会員が「Classi」のプラットフォーム上で、新たに追加IDなどを取得することなく「EnglishCentral」を利用することができ、その学習履歴を教師がサービス上で簡単に確認できるようになるという。
小学校5~6年生向けの副教材開発は、現在進行中であり、前原小学校では昨年からその実証研究を進めているのだ。
さて、教室の子どもたちは自学の時間が終了し、仲間5人との会話の時間がスタート。
「5人中で必ず大人2人と会話すること」と石井先生から指示が出されると、取材記者は思わず緊張する。読み・書き・文法の教育しか受けてこなかったので、とにかく話しかけられるのは苦手なのだ。
「How are you today?」の対応は、「I’m fine thank you. and you?」しか知らないのだから、必死で写真撮影をして、子どもに声を掛けられないように逃げ回ってしまった。子どもたちは臆すること無く話しかけ、証明のサインをもらっていた。
今回の試みについて松田校長は、「2020年からの大学入試改革では、英語は4技能が求められることになっている。民間の試験を利用するという話もあり、そうなればCBT(Computer Based Testing:コンピューターを利用したテスト)が導入されるかもしれない。EnglishCentralを利用した取り組みでは、英語4技能だけでなく、必要に応じてタイピングをしたり、ネットを活用したりして情報端末を使いこなしたり、ブレンデット・ラーニングの実践でアクティブ・ラーニングに慣れたりという効果まで期待できる。英語の授業は昨年年間35時間でスタートし今年度は50時間、来年度は70時間にする計画だ」と、実現に向けて「英語70時間は怖くない」と胸を張った。
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