2018年6月27日
中央区立阪本小、ICTを活用した授業デザイン 3教科を公開
東京都中央区立阪本小学校は22日、東京都公立小中学校ICT教育環境整備支援事業の一環として、「学びの質的改善につながる指導法の工夫 ~ICTの活用を通して~」と題した公開授業を実施した。
この日、公開されたのは、3年生「音楽」、5年生「国語」、6年生「社会」の3教科。いずれの教室も見学者であふれ、教室に入りきらず廊下から授業風景を見る人の姿も多かった。
3年生「音楽」の授業は、「拍のながれにのってリズムをかんじとろう」。
音楽室に入ると、教室前方に集まった子どもたちが、大型モニターに映し出される動画や音符を組みかえる方法などの説明を先生から受けていた。その後、子どもたちはグループごとに割り振られた1台のタブレットの前に移動し、早速、「まとまりのあるリズムをつくる」という課題に取り組みはじめた。
タブレットに表示された音符の画像を指先でドラッグする子どもたち。音符を1つずつ並べ、楽譜ができたらデータを保存する。次に、その楽譜をグループのみんなで見ながら、実際に手拍子を打ってリズムを確認してみる。そこへ先生が登場。タブレットを覗き込み音符の配置などいくつかアドバイスをすると、子どもたちはそれを参考にもう一度並べ方の再考をはじめた。
3年生だが操作に戸惑う様子はない。積極的で、笑顔からは意欲だけでなく余裕さえ感じる。リズムを体感しつつ、自分の考えを表現したり、他の人の考えを受け入れたり、タブレットの操作を通じて児童同士の対話が活発だ。そして、まとまりのあるリズムをつくることで、音楽の仕組みは「反復(繰り返し)」や「変化」だと学ぶ。
5年生「国語」の授業は、「季節の言葉2 夏の夜」。
「をかし」の意味など前時のおさらいを経て、本時では「をかし」を入れた作文をする。まずは自分で考え、その後にグループで討論、一番夏らしいものを選んで発表する。タブレットをタッチペンで操作して文章を入れ替えたり、キーボードから外してグループの仲間と見せ合ったり、作業に応じてタブレット操作を自在に使い分けていた。
6年生「社会」の授業は「今も受けつがれる室町文化」。
こちらも1人1台のタブレットを使用。室町文化の「特長」と「なぜ現在も親しまれているのか」について、グループで話し合って、クラスで共有し、個人でまとめていく。タブレットにキーボードを装着しノートPCのように操作して考えをまとめていく。強調したい文字を、斜体、下線、太字で装飾したり、サイズを大きくしたりと、「見せる工夫」にも余念がない。
公開授業後の指導講評・講演には、東京学芸大学 自然科学系 技術・情報科学講座 情報科学分野の北澤武 准教授が登壇。
北澤准教授は、「音楽の授業は、創作でもあり、また個で考え、仲間の考えを取り入れて作り上げていくという内容。表現活動の中で、リズムのまとまりに子どもたちが気づいていた。それをうまく先生が支援した授業。何よりも、決められた4小節の中で、四分音符や八分音符、休符など限られたいくつかの記号を組み合わせ作っていく、これはまさにプログラミング的思考につながるような活動で、私自身も勉強させていただきました」と授業展開を振り返った。
また、国語と社会の授業は、「いずれも共通するところがあり、大切なのは『個の考え』をまずしっかり持ったうえで、『グループで議論』をはじめていた展開が多くの教員の方の参考になったのではないでしょうか。そしてICTならではのデジタルポートフォリオを使えば、前時の学習をコンピュータで蓄積しておき、それを次の時間で振り返ることができます。また、他者の多様な考えをリアルタイムで見合ってコメントも書き合えるということ。ツールの特長をうまく活かした展開だった」と授業デザインを評価した。
また、本事業を通したICT環境での教育的効果検証として、「タブレットを活用して『主体的・対話的で深い学び』をめざした授業デザインをしていくと、子どもたちは『必要な情報を見つけたい』『他者との関わり(対話・協働学習)』に関する意識が高まることがわかりました。また、学年を問わず、公的自己意識(他者を気にする)、賞賛獲得欲求、拒否回避欲求(他者からネガティブなことを言われたくない)が高い児童もポジティブになる可能性があることがわかりました。つまり、タブレットを介した「対話」で「主体性」を高めるということ。どのような学習者特性であっても、タブレットを使うことで他者に自分の意見を言いやすいといったモチベーションが高まることで、次もまた調べて発表しよう、また他者に伝えようという気持ちになれる。「対話」から「主体的」な方向に導いていける意味でICT活用は重要です」と分析した。
この日の公開授業で示されたポイントの1つが、いかに「対話」を促すか。そこに着目した授業展開とすることで児童から「主体性」が生まれ、さらに自分のはじめの考えとあとの考えを比較検討するといった「深い学び」にもつないでいくことができると言えそうだ。
教科の本質を大切にしながら、ICTならではの効果的な機能を取り入れることで、学びの質を上げていく。授業の組み立てや指導法のヒントが多く散りばめられた公開授業だったのではないだろうか。
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