2018年6月29日
大学入試改革、「新入試世代」の認知度は50%以下 河合塾調べ
河合塾は28日、大学受験を予定している現中学1年生~高校2年生の男女500組、同一の親子を対象に行った「2020年度大学入試改革に関する意識調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、「2020年度に大学入試改革により入試が変わる(センター試験廃止など)ことを知っているか?」との質問に、「知っている」と回答した親は59.2%なのに対し、当事者である子どもは49%と、全体の半分以下しか認知していなかった。
ただし、旧帝大志望者の親子は70%以上が大学入試改革を「知っている」と回答。また、医学部志望の親子も比較的数値が高いことから、難易度の高い大学を志望する親子ほど認知度が高いことがわかった。
「大学入試や高校・大学進学について、情報収集はしているか?」には、全体では親の53.8%、子どもの56.8%が「情報収集をしていない」と回答。
特に子どもに関しては高校生になってから情報収集をし始める傾向にあるが、2020年度の大学入試改革を初めて迎える現高校1年生でさえも「積極的に情報収集をしている」のは約半数程度だった。
しかし、旧帝大志望者は「積極的に情報収集をしている」親が34.5%、子どもが37.7%で、同様の行動をとる親子の割合が16%程度ということも踏まえると、かなり高い割合。やはり難易度の高い大学を志望する親子ほど情報収集にも力を入れていることがわかったという。
具体的な情報収集の手段としては、特に「塾や予備校の説明会」や「学校の説明会」を利用する親子が多く、Webよりも実際の現場や人を通した情報が信頼されている。
次に、全体の70%以上の親子が大学入試改革に「不安」を感じると回答。具体的な不安要素に関しては、「入試に対して十分な情報収集・対策が出来ているか」や「漠然とした不安」などが上位に上がった。
それ以外に親子で共通した不安要素としては「英語」。「英語について不安を感じる理由は何か?」との質問には、「学校の授業と入試問題のギャップ」(親子ともに47%)や、「英検やTOEICなど外部試験の必要性」(親40.4%、子ども35%)という回答が多かった。
大学入試改革に向けて親が教育現場に期待することの第1位は「スピーキングを含む英語力の強化」(67.0%)。入試改革後の英語試験では「読む」「聞く」に加えて、「話す」「書く」という能力が求められるが、その中でも特に「話す」力について学ぶ必要性を感じており、その部分のサポートを教育現場に求めていることもわかった。
また、「学校以外でも英語の勉強をする必要性がある」と感じている親子も70%以上いた。学習の負担が増える英語に関しては、学校以外の外部機関に強くサポートを求めている。
「2020年度に大学入試が変わることで、志望高校や志望大学の選択に影響するか?」との質問には、親52%、子ども50.8%が「影響する」と回答。実に2人に1人が志望校への影響を感じていた。
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