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2019年9月18日
Classi、800名の先生たちが集い「教育のICT活用と効果」について考える
14日、東京・港区のベルサール六本木をはじめ全国15会場でClassiによる「入試改革・新課程を見据えた学校とICTのあり方を考える会」が開催され、550校800名の中学・高等学校教職員、教育委員会など自治体職員が集まった。会場以外にも勤務先の学校から200名以上のオンライン参加があった。
第1部の冒頭、Classiの山本悠 東日本エリアマネージャーは、「先生たちの5年後を想像してみてください。普及しているデバイスや家庭のICT環境も変化し、生徒たちは個人秘書の機能をデバイスで持ち歩くといった未来を予想できるかもしれません。」と会場の教諭らに語りかけた。変化する新しい時代はグローバル化、少子高齢化、AIの進展など社会環境が変わる、そこに生きる人も変わる、その人を育てる「教育」も変わらなければならない。入試改革や新課程への対応の中でICT教育は「①学習の質:個別最適化」「②探究学習:連携・協働・共有」「③ポートフォリオ:履歴化・可視化」に加えて学校業務の効率化も期待されていると説いた。
続いて「第2部」ではClassiを活用している学校を代表し、3校の教諭が講師として登壇して効果的なICTの活用方法についてそれぞれの視点で語った。
三田国際学園中学校・高等学校 田中 潤 教頭は、「これからの学校デザインとICT活用について」というテーマで講演。中学1年の数学の授業で動画を活用している例を紹介した。宿題はClassiの動画配信を使い反転学習として活用。朝学習は、生徒個々のレベルに応じた動画へ置き換えた。その結果、授業は疑問点の解決が中心となり、時間の削減につながった。生徒たちは、この時間で次年度の新入生のために、数学の問題を解説するプレゼン動画を制作している。成果をClassiで共有することで自己の振り返りや相互評価もできるようになり、インプットだけでなくアウトプットも学べるようになったという。学校デザインは、学校の存在意義といえるビジョンだ。「発想の自由人」を育てるというビジョンがあり、このビジョンをかなえるためのツールとしてICTを活用している。ICT化そのものを目的にしてはならないと田中教頭は、強調した。
続く講演は、秋田県立能代高等学校 吉田 英亮 進路指導主事による「振り返る・繋がる・高めあう探究学習 ~New Will Project~」。
能代高等学校では、地域の人口減や少子高齢化によって定員割れの状態が続き、学力差の広がりといった課題が存在していた。また、職業にフォーカスしたキャリア教育は、主導者の異動などで縮小形骸化している状態にあった。そこで、「課題解決や学問への取り組み」を重視し持続可能な「探究活動」を吉田教諭が中心となり新たにスタートした。1年生は、「Agri」「Green」「Life」「Tourism」「Health」という地域に密着した5領域のグループ探究を行っている。大学職員や行政職員の講話や指導を経て探究課題を設定し、夏休みにフィールドワークも行う。振り返りとポートフォリオの整理、発表やアンケートでClassiを活用している。特に大学など外部アドバイザーからの指導に、「校内グループ」が有効だという。最も近い大学でも50Km以上離れているためリモートで指導できるメリットが、外部アドバイザーと生徒の双方に大きい。地方の公立高校こそ、目的の達成のためにICTを活用すべきであると吉田教諭は熱意を込めて語った。
3つ目の事例は、大阪府立交野高等学校の塚本 翼 進路指導主事が「おとなしい生徒の意欲を引き出す学習・進路指導 with Classi」と題し、生徒の基礎学力とモチベーションを向上させるツールとしての具体的な活用法を紹介した。毎週金曜16時に、国数英のWebテストを配信し週明けに徹底フォローすることで全体の学力底上げをはかっている。クラブで忙しい意欲的な生徒に夏季Web講習「100題突破」を実施、上位層の学力向上も実現した。スマホで自作している数学の解説動画は、定期テスト前に200名以上が視聴するなど生徒の学習のきっかけ作りに貢献しているという。
塚本教諭は、子どもが伸びることは全ての教師の喜びであり、そのためのアイデア実現ツールとしてClassiの汎用性を最大限に活用している。「少しずつやってみる」ではなく「アイデアが湧いた機能は全てやる」というように徹底活用し効果を最大化していると語った。
3時間以上に及ぶ会の間、熱心に講演に耳を傾け、ときおり「なるほど」とうなずくなど、教育のICT活用と効果について、出席者それぞれが真剣な姿勢で考え、取り組んでいる様子だった。
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