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2020年1月7日

ステップアップ導入と学年を巻き込む運用で「すらら」学習を定着/文京学院女子中高

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文京学院大学女子中学校高等学校(東京都文京区)は、中学1年から高校1年まで、数学と英語の教科で「すらら」を活用。導入を上手くすすめるポイントは何か。同校の担当者にインタビューした。

生徒間の学力差の解消をめざして「すらら」を導入

文京学院大学女子中学校高等学校は、創立95年を迎えた伝統ある私立の女子中高一貫校だ。「女性の自立」を教育目標に掲げ、社会貢献できる人材育成をめざす。英語教育や科学探究プログラムなどに力をいれるとともに、「ス-パーサイエンスハイスクール(SSH)」、「スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト」にも認定されるなど、充実した教育を実践している。

同校では、2016年度から「すらら」の導入準備に着手し、2017年度から活用を本格始動させた。導入の経緯について同校の一貫部副教頭・教務部長 松本卓哉教諭は「中学と高校の両方で、生徒間の学力差が深刻化していました。紙のプリントを用いて補習を行っていましたが、教員の負担も大きく、ICTを用いた教材でアダプティブに学べる学習環境を作りたいと考えていました」と語る。すでに教育現場ではICTの活用が広がっており、同校も学習手段として積極的にICTを取り入れていこうというのだ。

文京学院大学女子中学校高等学校 一貫部副教頭・教務部長 松本卓哉 教諭

デジタルの個別学習教材として、同校が「すらら」に決めたのは成績中間層から下位層の生徒に対して有効なツールだと判断したからだ。松本教諭は「ICTを活用した個別学習教材は、成績上位者よりも中間層から下位層の生徒にとって良い教材はどれかという視点で選びました。その中で、すららはレクチャーが最も優れていて、双方向型の教材であったことが決め手になりました」と語る。

一方で同校は、すららの導入が決まったものの、本格実施まで1年間の準備期間を設けた。初年度は数学の一教科のみが導入予定であった が、すららがどのような教材なのか、どのように時間割に組み込めばいいか、導入後に十分な活用ができるよう教師たちが教材研究する時間を確保したのだ。また同校では当時、1人1台のタブレット環境ではなかったため、学習の進め方についても検討が必要だった。松本教諭は「すららの担当の方は、数学教師の授業のやり方を聞きながら、一緒になって活用方法を考えてくださいました。それに対して、私たちもどのような準備が必要なのかが分かり、良いスタートを切ることができました」と語る。

ステップアップと学年全体を巻き込んた取り組み

文京学院女子中高におけるすららの活用で注目したい点は2つだ。ひとつは、すらら導入時に「慣れる」「使える」「発展する」のステップアップで進めたこと。もうひとつは、教科担当だけでなく、学年全体の教員を巻き込んで取り組みをスタートしたことだ。

すららを活用した授業風景

最初のステップアップについては、教師や生徒たちがすららを活用した学習に慣れるよう、授業内で使う時間を設けた。コンピュータ教室を利用して、週に1回、必ず数学の授業内で使うようにした。その後、生徒や教師も慣れてくると今度は、活用範囲を長期休暇や家庭での宿題に拡大。自宅のコンピュータを利用して学習に取り組むスタイルに移行した。念のため、コンピュータ教室も朝と放課後を開放し、生徒たちがいつでも自習できる環境も用意したという。

こうした取り組みの一方で、文京学院女子中高では数学の教師だけが、すららの運用に関わるのではなく、学年全体で進める体制づくりにも力を入れた。松本教諭は「すららを導入した中1から高1まで、各学年で中心となる教師を決め、宿題を忘れた生徒の居残りは学年で見るなど、他の教科の教師も関わるようにしました」と語る。数学という一教科の取り組みで終わらせず、学校全体としてICTを活用した個別学習にどう向き合うか、その体制づくりにこだわったというのだ。

すららを活用した授業風景

ほかにも、文京学院女子中高では学校広報にすららを活用。具体的には、中学生向けのオープンスクールですららの英語教材「チャレンジイングリッシュ」を活用し、地域の小学校4・5・6年生を対象に約2カ月間の英検教室を開催した。同校では春休みと夏休みの2回で実施し、多くの子供たちに学校へ足を運んでもらう機会を作ることができたという。松本教諭は「こうした広報活動を通して、この学校へ入ったらすららで学習するという認識を保護者に持ってもらうことができました」と語る。加えて、学校広報ですららを使用するためには、校内での活用もできていることが重要であるため、教師たちの利用も促進することができた。

「宿題」や「反転授業」にも利用して1人1台環境に備える

現在、文京学院女子中高では、中学1年から高校1年まで、数学と英語の教科ですららを活用している。

たとえば数学については、当初は授業内で復習として利用していたが、生徒たちが慣れてきたタイミングで、宿題の利用に切り替えた。宿題の内容は、授業で学んだ内容をすららで復習するという具合だが、生徒たちは全体としてすららだけで月間平均5時間の学習時間を確保できるようになった。

松本教諭はこの結果について「数学だけで月5時間といえば少ないように聞こえますが、授業の復習として利用しているので、1日10分で数学の復習が済んでいると捉えています。そのため、他の宿題をあわせて出すことが可能です。すららだけに頼るのではなく、すららも教材の一つ、というとらえ方です」と語る。

一方で高校1年生については、すららを活用した反転授業も一部のクラスで実施している。単元ごとにすららで予習課題を与え、自分のペースで学習。授業では教科書レベルの問題で理解度をチェックし、その後、難しめの問題をグループで考えて解き合うという具合だ。結果として、普段の授業よりも難易度の高い問題に取り組めているという。松本教諭は「すららのレクチャーを見てきているので、生徒たちは授業に対しても主体的になってきたと思います。ペアーワークやグループワークを行うので、生徒たちが授業に参加できる場面も増えました」と語る。

来年度から文京学院女子中高では、iPadによる1人1台を実施する。すでに、すららでICTの活用を進めているため、現場ではiPadを使う、使わないの議論はなく、スムーズに導入を進めることができた。松本教諭は「今後は1人1台環境を活かして、もっと積極的にすららを使用していきたい。生徒たちには、すららで自分の苦手を見つけていくような学習をしてほしいと考えています」と語ってくれた。教師に言われた課題だけをやりこなすのではなく、すららを活用して、自分の学習をどのように進めていくか、自学のマインドも育てていきたいというのだ。

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