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2021年2月22日

児童1人1台のiPadで『お助けネットクラウド』による実践的な情報モラルの授業 /宝仙学園小学校

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教育ネットが提供する『お助けネットクラウド』は情報モラル学習に特化した小中学生向けのクラウドサービス。1月22日、宝仙学園小学校(東京都中野区)4年生の教室で児童1人1台のiPadで、『お助けネットクラウド』を活用した実践的な情報モラルの授業が行われた。

宝仙学園小学校4年生、情報モラルの授業の様子

 

 

 

 

 

 

 

児童に自分ごととして捉えさせ、意見を引き出すアニメーション動画

「冬休みに、自分の気になる記事や情報を貼って自分の意見をまとめるというレポートの宿題があったよね。とても面白いものがあったよ。」と教師が児童らに語りかけ授業が始まった。「レポートの宿題を本や新聞で調べた人はいますか。」と尋ねると数名の手が挙がった。「雑誌の人はいますか。」には1人も手が挙らず、「インターネット」と児童らが口々に言い出した。教師の「インターネットを使った人。」との問いかけに多くの手が挙がる。

『お助けネットクラウド』のアニメーション動画「いろいろな調べ方」を視聴する様子

すかさず教師は「それでは、これからインターネットを使って勉強をする時の『色々な調べ方』について学習していきます。」と語り、『お助けネットクラウド』のアニメーション動画「いろいろな調べ方」の視聴が始まった。

動画は、主人公の子どもが、世界の国旗の調べ学習で存在しない国旗を検索してしまうという1分程度のものだ。

動画を見終えると、児童からは「そんな国旗ないよ。」など間違いを指摘する声が活発に飛び交う。教師は「一生懸命調べたけれど何がいけなかったのかな。」と尋ねて一人ひとりの声を整理して板書していく。
「他のサイトや本でも調べた方が良かった。」
「誰かに聞いた方が良かった。」

『お助けネットクラウド』は、一方的に視聴するだけでなく、児童が自ら考え参加できる授業を支援することをコンセプトとしているという。児童に身近なテーマ、わかりやすいシンプルな動画は、自分ごととして捉えられ意見を引き出す役割を果たしていた。

インターネットは本当のことばかりではない:自分ごとと捉えさせる教諭の工夫

動画を使って児童の意見を引き出した教師は、「インターネットは便利で調べるのが楽だけれど、本当のことばかりではない。調べることは簡単だが全部を信じてはいけません。」と強調した。

そしてプロジェクターには「トイレットペーパー買い占め騒動」と書かれたスライドを投影し、児童にも身近でわかりやすい例をあげる。偽の情報がインターネットで拡散されてしまったことが1つの原因であることを指摘し「拡散」の問題点にも触れた。

続いてプロジェクターに山手線の路線図を投影し、「これは、『山手線』『路線図』と先生がインターネットで入力して出てきた結果です。うそや偽ではないよね。でも何か間違っていませんか。」と問いかけた。しばらくすると「あれ、これ高輪ゲートウェイがないじゃん。」と一人の児童の大きな声が響き、賞賛をこめた感嘆の声と拍手が起こった。そして「そうか、うそではないけど古いものだね。」と児童らが自ら考えて発言しあう。

『お助けネットクラウド』に加えて、子どもたちの日常生活に近いインパクトのある例を複数あげた教師の工夫によって、児童はいっそう問題を『自分たちにとって身近なこと』と捉えられていた。

iPadを使って自分の頭で考えたことをまとめる

「インターネットはとても便利で良いけれど、でも気をつけなければならないことがありました。嘘であったり、情報が古かったりすることもあります。
さて、『こんなふうに使うといいよ』『こんな点に気をつけたらいいよ』ということを自分の頭で考えてロイロノートにまとめましょう。」と教師が提起すると、児童は1人1台のiPadで取り組み始めた。

児童が自分の考えをまとめている様子

しばらくすると教師が手元のiPadで児童たちの書き込んだリポートを確認し、次々と読み上げる。気になる意見には詳細の説明を求めると様々な意見が出てくる。

「1つだけでなくいくつかのサイトで調べてみる。」
「YouTubeで好みのコンテンツを探す時のように、できるだけ細かい条件を入れるとよい。」
「大きいサイトを選ぶ、公式などのキーワードを使う。」
「そのまま信じない。本も使って調べる。」
「一つだけでなく複数見る、簡単に信じない。」

そして出てきた意見を教師がまとめることで児童の気づきを強く印象付けていた。一方的に教えられるのではなく、児童は自らの頭で考え、整理して発言やリポートをアウトプットしている。

情報を鵜呑みにせずに自分で精査することの重要性

「授業を受けた児童は、とても素直だ。素直であるがゆえに相手の言葉をそのまま信じること、疑わずに行動することがしばしばあるだろう。高学年になると調べ学習も増える。だから、この機会に『情報を鵜呑みにせずに自分で精査をして利用すること』の大切さを考えてほしいと思った。ネット利用における情報モラルとしてだけでなく、学習面、生活面すべてに活かしてほしい。」と授業に込めた想いを授業を実施した五嶋仁美先生は語った。

お助けネットクラウドのクイズで総仕上げ

授業の最後に、児童はiPadを使って「いろいろな調べ方」動画に付属する復習クイズや「情報モラルクイズ」初級に挑戦した。児童たちはそれぞれ真剣な様子でクイズに取り組んでいた。合格点をとってガッツポーズをする児童も見られた。授業の中で自ら考え学んだことをクイズで楽しみながら、あらためて確認し総仕上げをしている様子であった。

他学年での利用方法の紹介

 

 

 

 

 

宝仙学園小学校では、他の学年でもお助けネットクラウドを利用した授業が行われた。

3年生では、各自でお助けネットクラウドを事前に視聴し、気付いたこと・学んだことをまとめる課題に取り組んだ。児童の発表内容を元に情報モラルが必要な理由、ICT機器を使う時の注意点をクラス全員で共有していた。「自発的に学ぶには素晴らしいコンテンツだったと思います。」と授業を行った教師は語った。

2年生では、ゲームの利用時間について考える授業が行われ、最後にネット妖怪(ネットトラブルを妖怪にみたてたもの)の「ユメゴゴチーノ」を倒すための見方になる妖怪を考え、お助けネットクラウド上に投稿を行った。

「もっと妖怪を考えて、投稿してもいいですか?」そんな声が児童からあがった。学校内だけでなく、いつでもどこでも利用できるクラウドサービスであるお助けネットクラウドは子供達が情報モラルを自ら学ぶための手助けとなるだろう。

児童が味方になるネット妖怪を考えている様子

 

 

 

 

 

 

 

 

児童が考えた味方のネット妖怪

『お助けネットクラウド』には、「説明アニメーション」「セキュリティ」「ネット妖怪」「ネット標語」「相談する(Q&A)」「いろんな権利」といった様々な情報モラルに関するコンテンツが用意されている。いずれも児童生徒が見て考えて実際に触って学べるものばかりだ。宝仙学園小学校の授業のように教師の裁量で実践的に組み合わせて授業を構成することができる。

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