2021年3月1日
3keys、「24時間子供SOSダイヤル」の実態調査結果を公表
3keys(スリーキーズ)は、同団体が運営している10代向けの相談・支援サービス検索サイト「Mex」(ミークス)の中で、年間の相談件数が約4万件と特に利用が多い「24時間子供SOSダイヤル」について全国実態調査を行い、その結果の一部を速報値として、2月26日に公表した。
それによると、同ダイヤルが広報される際に、子どもの対象学年などについては詳細な記載はないが、今回の調査結果から、担当する教育委員会などによって対象にばらつきがあることが分かった。
義務教育下の小中学生(在学中)については、96%から「対応している」と回答があった一方で、小中学生でも不登校の場合については、小学生で94%、中学生で92%が「対応している」と回答するにとどまった。
高校生の対応状況については、在学中の場合でも92%が「対応している」と回答。高校生でも不登校の場合は91%、高校中退の場合は74%と、更に低い対応状況だった。
また、特別支援学校などに在学している子どもの場合は、高校生よりも高い94%から「対応している」と回答。
一方で、特別支援学校などの不登校の場合は91%、中途退学の場合は74%と高校生の不登校および中退と同様の傾向だった。
小学生未満への対応については53%、大学生に対しても一部の教育委員会などは相談に対応しているとの回答があった。いずれにも未回答とした教育委員会などは4%だった。
また同ダイヤルは、「子供たちが全国どこからでも、夜間・休日を含めて、いつでもいじめやその他のSOSをより簡単に相談することができる」をコンセプトとしているが、対象エリアに在住もしくは在学している子どもすべてを相談の対象としている教育委員会などは47.2%と半数未満。
対象エリア内での在学者または在住者のどちらかのみを対象としている教育委員会などが43.4%もあった。
同ダイヤルは、いじめだけでなく、子どものSOSであればあらゆる対応ができるダイヤルとされているが、今回の調査の結果、多くの自治体で、幅広い問題に対応している状況は把握できたが、各教育委員会などによって対応できる範囲に微妙な違いが見受けられた。
特に、いじめについては、学校内のいじめには対応しているが、学校外のいじめには対応していなかったり、妊娠にまつわる相談や、性的マイノリティや、鬱などの心身の不調、犯罪被害・非行には対応していない教育委員会などがあるといった状況が判明した。
同ダイヤルの接続率についての調査も実施したが、ほとんどの教育委員会などでは接続率についての調査を行っていなかった。
同ダイヤルは、24時間いつでも電話がつながることや、悩みの種類に寄らず相談できるなど、子どもたちにとって使いやすいコンセプトになっているが、今回の調査結果から、こうしたコンセプトにまだ実態が追い付いていない部分が多いことが分かった。
この調査は、2020年11月19日~2021年1月15日の約2カ月間にわたり、全国の都道府県及び政令指定都市の教育委員会と、同ダイヤル窓口への郵送配布・郵送またはWebアンケートでの回収という形で実施した。
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