2021年8月31日
22年卒内々定辞退者数が「昨年より増えた」と回答した企業は約2.5倍に=学情調べ=
学情は27日、企業の採用担当者を対象に、採用活動に関するインターネットアンケートを実施し、結果を公表した。今回は、「内々定辞退・選考辞退」に関して調査を実施した。
内々定辞退者数が「昨年より増えた」と回答した企業は、34.4%に上った。2021年卒採用(同13.8%)の2.5倍となっており、内定辞退者数が増加傾向にあることが分かる。2021年卒の採用活動では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、急遽採用活動を中止する企業や、予定よりも採用人数を減らす企業もあった。選考に参加できる機会が減っていたため、内々定を得た企業の内々定を承諾し、就職活動を終えた学生が多かったと推察される。
企業の採用予定人数に占める内々定出し数の割合が変化している可能性もあるという。2020年卒までの「超売り手市場」では、辞退を見越して採用予定人数の1.5倍~2.0倍の内々定を出す企業も多い傾向だった。2021年卒採用では、採用数自体は変更しなかった企業も、景気の先行きが不透明だったため、採用予定人数を上回る内々定出しを控える企業が多く、1人あたりの内々定獲得数が減少していたことも、2021年卒採用での辞退者数減少に影響していたという。2022年卒学生は、他の就活生や企業への影響を考慮し、「複数の内々定を保有することに抵抗がある」と感じる学生が多い傾向。2021年6月に実施したアンケートでは、約4割が「抵抗がある」と回答。
内々定獲得者の平均内々定数は、2021年6月時点で2社を超え、2.15社に。内々定を獲得している学生は、平均で2社以上の企業から進路を決めることができる状況だということが分かる。
選考辞退者数は「昨年より増えた」と回答した企業は、35.1%となっており、2021年卒採用よりも20.7ポイント増加。「昨年より減った」の回答は、2021年卒採用時よりも13.0ポイント減少。前述の内々定辞退だけでなく、選考段階での辞退も増加していることが分かる。
2021年卒の採用活動では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、急遽採用活動を中止する企業も相次いだ。選考を中断する企業も一定数あったことから、学生は「選考の案内があった企業」の選考を辞退せずに参加していたという。2022年卒学生は、「1社1社の企業研究を丁寧に行う傾向」があり、セミナー参加後に選考に参加しなかったと回答した学生が約9割に上る。選考参加企業を絞りこんでいることも、選考中の辞退者の増加につながっていると推察される。
この調査は、7月6日~7月30日にかけて、全国の企業採用担当者を対象にWeb上でのアンケートを実施。有効回答数は、667人。
比較対象の調査は、2020年7月10日~2020年7月20日にかけて全国の企業採用担当者を対象にWeb上でのアンケートを実施。有効回答数は、1141人。
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