2021年10月11日
関西大学、コロナ禍の学びの実態を把握するため第3弾となる学生アンケートを実施
関西大学は7日、コロナ禍の学生の実態把握や教育改善等を目的として、昨年度に引き続き第3弾となる学生アンケート調査を実施したと発表した。同調査は、在学する学部生2万7千736人に対して、インターネットによる無記名方式で実施したもの。調査期間は7月5日~30日で有効回答は5千591件で回収率は20.2%だった。
同大学は、2021年度の授業方針は原則対面としてスタート。その後、緊急事態宣言に伴う要請により4月19日から6月20日は遠隔授業にシフトし、6月21日(宣言解除後)からは対面授業を再開した。秋学期については、9月21日から10月11日までは原則遠隔、10月12日からは原則対面の方針を予定している。
授業の「満足度」や「理解度」についての設問では、両項目ともに前回比約14pt増となった。さらに、「対面授業で困っていること」の設問では、「一方的な講義が多い」と答えた学生が約15%(前回調査より22.7pt減)となり、授業運営の課題でもあった「双方向性の確保」に関して、大幅な改善傾向がみられた。その他、「質問がしにくい」や「先生の指示が分かりにくい」といった設問も前回から2~3pt減となり、全体的な満足度向上につながったものと推察される。また一方で、「学習意欲や学習効果を高める上で効果的な方法」を質問したところ、学生が最も効果的と考えるものは「教員からのフィードバック」であることが示された。
遠隔授業における「満足度」、「理解度」は、オンデマンド型がいずれも高く、依然として自分のペースで学習できる利便性をメリットに考える学生が多いことが見受けられる。一方、2020年度春の第1弾調査において、約80%の学生がストレスと感じていた「課題の多さ」については、前回が51.8%、今回が48.2%と減少傾向にあり、遠隔授業への慣れやハイブリッド教育による対面・遠隔の科目バランスが影響しているものと考えられる。今後は大学DXの推進とともに、オンデマンドの良さと対面の良さを 組み合わせた教育の展開も期待される。
クラブやサークルなどの課外活動団体への所属率を調査したところ、コロナ禍前の約60%から10pt近く落とし、50.1%となった。その要因として、2020、21年については例年規模の新歓行事が開催できなかったこと、また普段から活動制限があることなどが学生の選択に消極的に働いたと推測される。
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