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2022年1月1日

2022年 新春所感 GIGAスクール端末を活用した「新しい学びの実現」へ


あけましておめでとうございます。

ICT教育ニュースは1月15日で創刊10年目を迎えます。これもひとえに、読者のみなさま、スポンサーのみなさま、そして情報提供頂く企業・団体のみなさまのお陰と感謝申し上げます。

私は、CM、ビデオ、イベント、テレビニュース、出版、Webと情報伝達の世界で40数年生きてきましたが、常に心に刻んできたのは「変化に敏感であれ。変化に寛容であれ」ということです。たとえ努力してひとつの形に到達したとしても、成功を収めたとしても、満足して立ち止まることなく常に変化(時代の変化、環境の変化、自分の変化)を求め、変化を受け入れる。変化は進歩である、変化は成長である、という考えからです。

ICT教育ニュースの事業企画案の表紙に「~ランドセルのなくなる日~」というサブタイトルが付いていました。ICTを活用した学びが進めば、ランドセルは必要なくなる、という主旨です。あれから10年。ランドセルは大きく、重く、豪華になりました。なくなる気配は一向にありません。私の孫も来春小学生です。今年の春にはもうランドセル選びを始めなくてはなりません。「ランドセルはやめて布リュックにしよう」と切り出す勇気はありません。「なぜ?」と問われたときに「ランドセルがなくなる日を目指しているから」では、とても説得できるエビデンスではないからです。教科増で教科書や副教材は増えているし、その上タブレットやノートPCがプラスになっています。学校に教科書や教材を置いて帰る「置き勉」は、文部科学省がOKなのにNGの学校が多いということです。

デジタル教科書やデジタル教材、クラウドにオンラインの活用で紙の教材が減ってランドセルが必要ない、という世界は今のところ見えてきません。ICTを活用した21世紀の新しい学びの変化に「気付いていない人」や変化を「受け入れない人」がいるからです。

3年計画だったGIGAスクール構想が新型コロナウイルス感染症の影響から前倒しして1年で実現したことで、大きな歯車を力強く回せば沢山の小さな歯車も回ることが分かりました。国が旗振りして予算を付ければ1人1台+Wi-Fi環境は実現するということです。ただしこれは「モノ」の配付だから可能になったもの。「学びの実施」となるとそう簡単にはいきません。

だからこそ、大きな歯車から沢山の小さな歯車(現場の授業)まで同じ方向に向かって回ろうとしなければなりません。大きな歯車だけが回ろうとしても、他の歯車(自治体、教育委員会、学校長、教職員、保護者)が噛み合わなければ小さな歯車は回りません。また、小さな歯車が自ら回ろうとしなければ力を発揮することが出来ません。

日本全国の学校で、ICTを活用して同じ授業が行われることを目指すのではありません。
日本全国の学校で、ICTを活用して「一人ひとり個別最適化された学びを実現」する授業をして欲しいのです。授業のやり方、内容は全く異なっていいのです。子どもたちの個性や適性が尊重され、可能性を引き出す学びを実現して欲しいのです。

20世紀に日本で教育を受けたほとんどすべての大人たちが、自分たちが受けた授業と全く異なる授業が行われ、新しい学びで能力を伸ばして行かないと、子どもたちが生き抜いていけない未来が既に始まっているのです。

どこかの誰かだけのせいでICTを活用した学びが進まないのではなく、様々な歯車が少しずつ噛み合わなかったり、自ら積極的に回ろうとしないのが、目指す速さで変化が進展しない原因です。ICT教育ニュースが「新しい学びの実現」に向け、歯車の間を埋めるグリースだったり、歯車の回転を後押しする力になることを願って、新春所感とさせていただきます。(編集長:山口時雄)

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