2022年12月28日
個別最適な「すらら」で数学の学力下位層の底上げに成功/広陵高等学校
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高校野球の強豪として名高い広島県にある広陵高等学校は、これからの社会で必要とされる力を身につけるため、ICTへの対応力やグローバルな感覚を身につける教育を積極的に取り入れている。特にICT教育を推進するために、現在は1人1台端末を持ち、アカウントを取得している。出された課題のやり取り、資料の共有・伝達など無駄なく行う。学習においてもAIを活用したICT教材「すらら」を2013年に導入し、2017年から本格的に利用し続け、中学の学び直しから大学入試対策までの学習範囲を自分のペースで勉強できるよう取り組んでいる。
「すらら」の活用を含めて数学の学力底上げに注力してきた中、2021年より始めた四則演算からの学び直しで効果的な成果を上げた。竹中かおる教諭(数学科)と、教務部 部長 の田中弘明教諭(英語科)に取り組みと今後の展望について話を聞いた。
コロナ以降、生徒の学習課題の解決に向け「すらら」活用に向け教員が本腰
1学年400~500名の広陵高等学校は、特別進学コースと総合進学コースがある。総合進学コースでは、数学と英語が苦手な生徒が多くいることが課題となっていた。2013年から「すらら」を導入していたが、Wi-Fi環境やパソコンルームだけでの端末利用など、ICT活用の環境は完全ではなかった。
数学の苦手克服には、「数学マラソンテスト」という独自のテストで60点取れるまで徹底的に行う学習法を行っていた。数学担当の竹中教諭は「年々生徒たちの数学の習熟度が下がってきている印象がありました。紙のテストを行っていても、その場しのぎ的な取り組みで、根本的な理解をさせるにはどうしたらいいのか模索していました」と振り返る。「通常の一斉授業では、数学が苦手な生徒は質問すらしてきません。わからないところが分からないのでしょう」(竹中教諭)
また、数学の苦手な生徒に対するサポートとして、試験週間中「数学寺子屋」という補習授業を行っていた。「仲良しの友達同士で参加すると、仲間同士で教え合ったりして、前向きに取り組む様子も見られるようになりました」と竹中教諭は手ごたえを感じていた。
一方で、数学が苦手な生徒たちが年々増える印象の中で竹中教諭たちは、数学が苦手な生徒たちを見ていると、どうやら四則演算ができないのではないか、ということに気が付いたという。「数学が苦手な生徒の中には、小学校の分数計算の段階で止まっている生徒も意外といました。一斉授業ではその生徒にかかりっきりになって教えることもできません。課題や小テストなど紙のプリントの学習をしていましたが、答えを丸写しして提出していただけだったようです」。
この様な課題に対し、すららネットの担当者からの提案や、1人1台の端末やWi-FiなどICT環境も整ったこともあり、「すらら」を活用して成果が出ていた。その成果を受け、2021年からは、さらなる数学の学力の底上げに向け、新たな挑戦をすることになった。
四則演算まで戻って学び直すの必要性に真摯に向き合う
『すらら』だからできた、教師の手間をかけない学び直し
生徒一人ひとりが小学生の算数のどこからつまずいているのか、詳しく正確に分析するために『すらら』を活用することにした。「もともとの導入の理由は、中学性の時の学び直しのために導入しました。生徒も使いこなせなければ先生たちも手間に感じていたのか反対意見もあり活用が進んでいませんでした。」と竹中教諭は語る。
それを竹中教諭を中心に、個別に先生たちに声がけをして活用に向けた働きかけを地道に行うことを続けてきたいという。
「『すらら』での課題を出した後、それぞれの進捗をチェックします。期限ギリギリに出す生徒、地道に取り組んでいる生徒それぞれに、進捗に合わせた声がけができるようになります。教科担当の先生だけではなく、担任の先生にも協力してもらい、いろいろな先生が声がけしてくれることで、生徒たちは前向きに取り組めていると感じています」。
生徒たちを行動に移すコツもつかむ一方で、竹中教諭自身も『すらら』の特徴をつかみ、数学の学力の底上げにつながる成果を出すまでになった。
「『すらら』は小テスト機能が充実していて、テストを出す教師側の業務も軽減できます。生徒一人ひとりの弱点課題を『すらら』はテストで自動的に出題してくれます。授業ではフォローしきれないところを『すらら』がフォローしてくれます。模試の結果でもいわゆる下位層の底上げには一定の成果が見られるようになりました。このような成果を受けてより先生たちも協力的になり、『すらら』の活用やそのほかの教科の学習にも波及していくなど、好循環の兆しを感じています」と竹中教諭は語る。
『すらら』活用への手ごたえを感じている竹中教諭は「現在は出された課題に取り組むことに留まっていますが、今後は生徒自らが主体的に課題以外にも取り組めるようになるよう、教師側も工夫していきたいと思います」と抱負を語る。
『すらら』活用を教科主導からより全体へ。新たな課題にも取り組みを
教務部 部長 ICT教育推進委員長の田中教諭(英語科)は、『すらら』担当の教諭を教科に1人、学年に1人担当をつけ、教科主導型の活用を進めてきた中心人物だ。これまで教科独自の『すらら』の活用や指導の仕方のノウハウの蓄積を目指してきた。「今後は、中学の学び直しから受験まで対応できるように活用していきたいと考えています。生徒が自主的に計画、見直しして学習をする、『すらら』の中でPDCAをまわして自己学習調整力を養うサポートができるようにしたいと思います」と『すらら』への期待を語る。
さらに、GIGAスクールにより小中学校でも1人1台の端末が行き渡り通常授業で端末を使うようになってきた状況を受け、「これから入学してくる生徒は、端末での学習支援ツールを活用した学習をすでに経験してきています。『すらら』を活用した学習に加え『すらら』を独自に活用する広陵高等学校オリジナルのプログラムを構築する必要があると感じています」と新たな課題への取り組みを語る。
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