2023年5月18日
AIなどテクノロジーが普及しても変わらない仕事の上位は? =LinkedIn調べ=
リンクトイン・ジャパンは16日、創業20周年を記念し、この 20年間で日本のプロフェッショナルの間で仕事観がどのように変化したか、また今後20年間に予想される変化について、日本国内の 18歳から 65歳の就労者約 1000人を対象に実施した意識調査の結果を発表した。

それによると、これからの20年間において、AI等のテクノロジーの進化や普及によって自身の仕事に影響があるかを聞いたところ、「影響は受けない(32.9%)」が最も多く、「仕事が削減される(31.7%)」「新しい仕事や職種が創出される(23.3%)」「生産性が向上する(22.3%)」と続いた。

これからの20年間で変わらないであろう仕事のトップ3は、1位「人脈を活かす仕事(40.9%)」、2位「コミュニケーション能力が必要な仕事(39.6%)」、3位「創造性を必要とする仕事(29.1%)」となり、必要とされるスキルのトップ3は、1位「コミュニケーションスキル(49.8%)」、2位「リーダーシップ・人材マネジメントスキル(26.1%)」、3位「問題解決力(23.7%)」となった。

次に、ビジネスパーソンとして今、身につけたいスキルの調査では、1位「コミュニケーションスキル(35.3%)」、2位「問題解決力(21.4%)」、「思考力(ロジカルシンキングなど)(21.4%)」とった。

また、40代から60代に「20年前に身につけたいと思っていたスキル」については、1位「コミュニケーションスキル(30.6%)」、2位「問題解決力(21.2%)」、3位「外国語の語学スキル(20.4%)」だった。
現在も 20年前も身につけたいスキルの 1位は「コミュニケーションスキル」だった。20年後においても最も必要なスキルとして挙げられていることから、「コミュニケーションスキル」がいかに重要視されているかがわかる。

次に、回答者の78.4%が、20年前と比べて日本の企業カルチャーに変化を感じていることがわかった。感じている変化 のットップ3は、1位「長時間労働が当たり前だという価値観が薄れてきた(45.8%)」、2位「ワークライフバランスを重視されるようになった(40.4%)」、3位「休暇を取ることが柔軟になった(39.0%)」となり、特に生活への変化を感じている様子。

また、企業カルチャーに変化を感じている人に、「仕事に対する価値観を含めた企業カルチャーの変化は、自身の勤め先のビジネスにどのような影響を与えていると思うか」と質問したところ、83.5%が「ポジティブな影響を与えている」と回答した。

次に、全年代に現在のライフワークの優先順位を聞いたところ、全体では 1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4 位「スキルアップ」となった。一方、40代から60代に20年前の優先順位を聞いたところ、すべての年代で 1位は「仕事」という結果となった。
特に、現在の20代は 1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」であるのに対し、20年前の20代(現在の40代)は 1位「仕事」、2位「趣味」、3位「家庭」、4位「スキルアップ」となっており、時代の変化によって仕事と家庭の優先順位が逆転していることがわかった。

月の残業時間については、20年前が平均24.3時間に対し、現在は平均13.3時間と11時間ほど短くなっていることが判明した。

次に、女性が管理職に就いている企業に勤めている人は 51.7%だった。

一方で管理職における女性の比率は 24.8%にとどまった。また、厚生労働省が行った調査では、企業の課長級以上の管理職に占める女性の割合が2021年度は12.3%だったとされている。女性管理職の比率がこの割合よりもさらに低い企業に勤めていると答えた人に女性管理職が少ない理由を聞いたところ、1位「慣習的に、男性の方が評価されやすい(女性差別がある)から(36.8%)」、2位「妊娠や育児などを危惧して女性自身が昇進を望まないから(33.5%)」、3位「管理職は男性が担うものだと思われているから(23.6%)」という結果になった。
この20年間で、ライフワークバランスにおいて、就労者の生活が優先されるように変化し、企業にもポジティブな影響を与えている一方で、男性が優先して評価されるという慣習が根強く残っていることがわかり、女性が活躍推進について課題が示される結果となった。
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