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2023年5月29日
スタディプラス、「未来の教室」実証事業の成果報告レポートを公開
スタディプラスは25日、2022年度の経済産業省「未来の教室」実証事業の成果報告レポートを公開した。
学校・民間教育機関と協力し、教育機関向け学習管理プラットフォーム「Studyplus for School」を通じて、個別最適な学びの実現に向けたスタディログの一元化と利活用に関する調査・検証を実施した。
それによると、学校・民間教育機関の双方を利用する生徒に、スタディログ(「学習ログ」)一元化の利用意向についてアンケート調査を行ったところ、「学習の振り返りの効率化」と「情報共有の省力化」にメリットを感じており、8割以上が学習記録を一元化する意向を示した。
教育機関向けの調査では、進学支援機能のない通信制の学校がスタディログの一元化に好意的な意向を示したほか、民間教育機関では生徒の学校での学習内容を考慮して指導を改善・調整できることから、約9割の学習塾の教員が好意的な意向を示した。
一方で、生徒が学内外でのデータ流通に前向きであるのにもかかわらず、学校を中心に慎重な意見が見られる。スタディログは本来生徒自身がもつべきものであるため、本人にデータを渡し、本人が提供先を選べる状態(データオーナーシップの移管)があるべき姿だが、生徒が未成年であることを踏まえると、安心安全なデータの流通手段の確立が必要不可欠。
また、3つ以上のデジタル教材とLMSを導入している、クラーク記念国際⾼等学校 横浜⻘葉キャンパス・⽯川⾼等学校において、学校内外での学習記録付けやデジタル教材の利用、学習ログに基づく学習指導等を行う実証を実施した。
実証の開始時、終了時に生徒向けにアンケートを実施し、前後での変化を確認したところ「学習計画・記録の習慣化」や「学習への主体的な取り組みの創出」といった変化が見られており、生徒の自己調整学習が促進される可能性を示す結果を得ることができたという。
教員側ではLMS導入によって「各デジタル教材の活用状況のモニタリング負担軽減」のメリットが得られたほか、スタディログが蓄積された場合には「指導改善」「主体性評価の参考資料としての活用」「先生間での情報共有コストの削減」の効果も得られることが明らかとなった。
一方で、手動記録負担の軽減、教員のデータ活用オペレーション面での課題解消、スタディログがない生徒が不利益を受けないための対策などが課題として見られている。
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