2023年11月17日
NTT西×同志社大×NTT EDX、教育・学習活動への「生成AI活用実証事業」をスタート
NTT西日本は、同志社大学、NTT EDXとともに、生成AIを利活用した教育・学習支援に関する共同実証の事業を連携して行い、学生や教職員らを対象とした新たな「教えと学び」の仕組みづくりをする取り組みをスタートさせた。
同取り組みでは、高等教育機関での学生個別の学習ニーズに最適化された学習環境を提供する仕組みを構築して、生成AIを効果的に利活用できる学習のあり方の確立を目指す。
今回、NTT西日本は、「Society5.0」社会における教育ICTの取り組みにおいて、AIの懸念点を理解し、新しい手段(ツール、技術)を活用していくことが重要と捉え、教科書や正しい知識を情報源とした安全な教育・学習向けの生成AI利用環境を整え、新たな「教えと学び」の仕組みづくりを進めることにした。
また、同志社大では2024年度から、新たな学年暦・新たな学びを開始し、教室での授業とオンデマンド授業の組み合わせを基本とすることで、学生に多様な学びの方法を提供することから、ICT環境とサポート体制の整備として、生成AIの利活用を検討している。
今回の実証事業では、2022年度から開始している「同志社データサイエンス・AI教育プログラム」(DDASH)の授業科目で、教育・学習向けの生成AI利用環境を整え、新たな教えと学びの仕組みを生み出す方針。
今回の実証事業で使う生成AIは、AIモデルをセキュアな環境で利用できる「Azure OpenAI Service」を採用し、電子教科書は、日本全国約250の高等教育機関の学生・教員が利用中のNTT EDXの電子教科書配信サービス「EDX UniText」で提供。NTT EDXは、個人情報や機密情報、著作権の保護なども踏まえ、正しく活用するための仕組みを用意する。
生成AIと電子教科書の親和性は高く、効果的で利便性の高い学習環境を提供するとともに、学習状況を可視化することも可能。また、電子教科書を生成AIの学習源として利用することで、生成AIが返す回答の正確性を検証して、AIを活用する学習環境の信頼性を高める。
これらの組み合わせによる教育・学習向けの生成AI環境では、学生や教職員が入力したデータを同志社大のセキュアな情報環境内で、安心して利用できる仕組みにする。また、同実証事業を通して、高等教育機関での学生個別の学習ニーズに最適化された学習環境を提供できる仕組みづくりに3者が共同で取り組んでいく。
今回の取り組みでは、学生の学習効果、教員の教育支援の有効性を検証して、同志社大では「DDASH」以外の授業科目への展開、特に生成AIが効果的に機能する授業などでの利活用の検討を進める予定。
一方、NTT西日本・NTT EDXは、教育分野の進展のために、商品化を視野にAIの有効な活用・展開・普及活動に継続的に取り組む。
3者の主な役割
・NTT西日本:電子教科書を活用した「教育・学習向け生成AI」の実証環境構築・提供・利活用支援
・同志社大学:「教育・学習向け生成AI」の実証環境を利活用する授業の実施と検証
・NTT EDX:電子教科書配信サービスの提供、実証授業における電子教科書の活用支援
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