2025年1月14日
「すららSatellyzer」で探究の土台を築く、生徒の成長を支える通信制高校 /日々輝学園高等学校 東京校
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日々輝学園は2006年開設の広域通信制単位制の私立高等学校。全日制スタイルの登校が可能な6校舎キャンパスとオンラインコースを擁す。6割程度の生徒が中学時代に不登校経験があり、学び直しと基礎学力向上のために個別最適化されたAIドリル「すらら」を活用してきた。2023年度から東京校では「すららSatellyzer(サテライザー)」による探究学習が始まった。日々輝学園高等学校 東京校 校長 林 美雪教諭と1年生担当 北村大祐教諭に話を聞いた。
はじめて探究学習に取り組む生徒・教員のスキル差を埋める「すららSatellyzer」
2022年、高校での必修化が始まった総合的な探究の時間、日々輝学園 東京校では手探りの中、ビジネスプラン策定をテーマに独自の方法で進めることになった。生徒が自由にビジネスチャンスを考え、テーマを選ぶところまでは順調だったが、そこから思考を深める部分が困難で、なかなか思うようにいかず苦労した、と林教諭は振り返る。
そのような中、すららネットの探究教材「すららSatellyzer」に出会い、2023年4月、1年生97名の活用が始まった。教員、生徒ともに探究学習自体に慣れていなかったが、決まった教材があれば、生徒間、教員間ともにスキルの差を埋められるのではないかという期待があった。
日々輝学園 東京校では、基本部分の11ユニットを活用して、1年生1学期の間に探究の基礎を身につけ、12月から探究テーマを選びグループワークに取り組んだ。そして3月のプレゼンをゴールに据えた。
探究に不慣れな生徒・教員へもたらす「すららSatellyzer」のメリットとは
「探究活動に慣れていないと、まずは身近な課題を見つけることが非常に難しい。その点『すららSatellyzer』ではある程度、設定が決まっていて枠組みがあるので、生徒にも教員にも活用しやすかった。ワークシートが付いていることもあって、生徒が課題の考え方、グループワークの進め方といった探究学習の基礎的な流れを学ぶ上でも高い効果があった。
教員向けには、時間配分や授業の進め方、声かけのポイントや留意点といった細やかな情報があり、教員間のスキル差を効率よく埋めることができた」と北村教諭がメリットを語る。
通信制の特性、不登校生徒にも「すららSatellyzer」の活用で協働学習を
日々輝学園は、週5日の通学をベースとする通信制高校だ。毎日登校する生徒もいれば、週に数日程度の登校と自宅学習を組み合わせる生徒もいて、出席はまだら模様である。
「このような状況だと、グループワークを中心とする通常の探究学習は困難になる。しかし、『すららSatellyzer』ならレクチャー部分は自宅で1人でも学べ、通学した時に学んだ知識をもとにグループワークへとスムーズに合流できるなど柔軟な対応を可能にする。デジタル教材ということで、やる気になればオンラインでの参加も進めやすいのも特徴的だ。」各生徒の登校ペースを守りながら探究学習を進められる「すららSatellyzer」の有用性について、北村教諭と林教諭は口をそろえた。生徒が自宅で調べたことを登校した時に活かせるよう、欠席がちな生徒も所属グループを決めておくのだという。
また、「小中学校で不登校を経験した生徒は、仲間との関わりや発表の機会があまりないまま高校生になっていることが多い。探究学習では協働を目標の1つにしている。グループワーク、発表とハードルはあるが「すららSatellyzer」を活用して取り組んでいきたい」と生徒らを想う。
プロジェクト学習発表会の成果と生徒の成長
2023年度の1年生は、最終的な成果物としてGoogle スライドで発表資料を完成し、3月の発表会で1組10分のプレゼンを行った。発表会は校外の大きな会場を借りて1、2年生と保護者が参加して開催された。生徒らの発表資料の出来栄えは、想像以上に素晴らしくて驚いたと林教諭は笑顔を見せる。
教員らは全グループの努力を認めたいと考え、順位をつけることの是非について議論を重ねた。最終的には、発表資料とプレゼン力を総合的に評価して1つのグループに「最優秀賞」、校長が選ぶ「特別賞」を授与することに決めた。プレゼンをした生徒らは、自分たちの発表テーマのめくり台の前に立って記念撮影を行うなど表情は喜びにあふれ、達成感を味わった様子であったという。
「最優秀賞」は「魚の群れを追え」、「特別賞」は「渡り鳥の追跡」という発表を行ったグループが受賞した。プレゼン資料は視覚的で非常にわかりやすく表現力の高さが伺える。「すららSatellyzer」は、インターネットの資料の適切な活用法、効果的な写真やグラフ挿入のヒントを生徒に与えるため、プレゼン力が知らず知らずに向上するという。
生徒たちにとって、大きな会場で大勢の聴衆の前でのプレゼンは初めての経験であったが、気持ちの作り方なども含めて前日から準備をし、「やるしかない。逃げずに頑張ろう」という強い意志で挑んだという。教員との信頼関係やグループワークということでひとりではないことも良い作用をもたらしたのだろう。
「すららSatellyzer」の教材力で探究の土台づくり、今年度は2校へ拡大
2024年度は、東京校に加えて、神奈川校の120名の1年生が「すららSatellyzer」で探究学習に取り組んでいる。利用を拡大し継続を決めた最大の理由は、「すららSatellyzer」の持つ「教材力」と北村教諭は語る。探究学習に慣れない生徒は、探究学習の進め方そのものを身につける必要がある。「すららSatellyzer」は、探究学習に必要な土台作りとして大きな効果があるという。1年生の「すららSatellyzer」を活用した学びが、2年生になってからの主体的な探究学習につながるからだ。身につけた探究学習の土台を活かして、2年生でさらにステップアップできるように様々なテーマ選択が可能な新しい探究教材も期待しているという。
「日常の中には様々な課題があり、それを発見し、どう解決していくかを他者とともに考えることは非常に大事なこと。そのための貴重な機会が探究学習だ。これからの時代を生きていく上でとても大切な学習なので、不安はあるかもしれないが、前向きに取り組んでほしい」林教諭、北村教諭が探究学習に込める生徒らへ想いを語った。
日々輝学園の取り組みは、「すららSatellyzer」による探究学習が不登校を経験した生徒にとっても有益で力強い成長につながる可能性を示しているのではないだろうか。
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